9時台を聴く
23/09/29まで

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じんないなおとくん(小学3年生・東京都)からの質問に、「昆虫」の丸山宗利先生が答えます。(司会・柘植恵水アナウンサー)

【出演者】
丸山先生:丸山宗利先生(九州大学総合研究博物館 准教授)
なおとくん:質問者


――お名前を教えてください。

なおとくん:
なおとです。

――どんな質問ですか?

なおとくん:
女王アリを飼っています。働きアリが生まれました。どうやって飼ったらいいのかがわかりません。コツを教えてください。それから、3年前にも女王アリを飼っていました。さなぎが急になくなってしまったので、丸山先生に質問しました。そしたら、「ストレスのせいだよ」と教えてくれました。その女王アリは死んでしまいましたが、今回は成功して働きアリが生まれました。コツを教えてください。

――なおとくんは3年前にも丸山先生に質問をくれて、今度は働きアリが無事に生まれたので、これからどうしようということですねぇ。今回も丸山先生が答えてくれます。丸山先生、お願いします。

丸山先生:
はい。なおとくん、お久しぶりです。

なおとくん:
お久しぶりです!

丸山先生:
3年前のときって、結局そのまま女王アリは死んじゃったんだね。

なおとくん:
はい、そうです。

丸山先生:
ことしは何アリを飼っているの?

なおとくん:
クロオオアリだと思います。

丸山先生:
そっかそっか。あまりストレスを与えないようにして飼ったら、うまく働きアリが生まれたということですか?

なおとくん:
はい。

丸山先生:
あぁ、それはよかったね。働きアリが生まれるまでになったら、もうほとんど成功と言ってよいので、これ以上のことはないと思うんだけれども、今、どういうふうに飼っていますか?

なおとくん:
3個、成功したんですけど、1つ目は、赤いフィルムをかぶせて、働きアリがなぜか2匹死んじゃって、カビも生えていないのに。でもまぁ、順調という感じですね。もう1つのほうは、カビがすごく生えていて、働きアリが3匹くらい死んじゃってて、それで心配しているんですよ。

丸山先生:
なるほどね。

なおとくん:
もう1個は、結構順調なほうだと思います。

丸山先生:
どういういれものというか、巣で飼っているのかな?

なおとくん:
さっきの赤いフィルムのやつは、四角いケースに砂を入れて、そこに飼っています。

丸山先生:
なるほどね。砂に巣を掘らせて、その中で飼っているということね。

なおとくん:
もう1つは、この前飼っていたポットのような、そういうキットみたいなやつで飼っています。 もう1つも同じです。

丸山先生:
そっかそっか。生まれたばっかりの働きアリが死んでしまうというのは、あまり条件がよくないかもしれない。働きアリは普通1年近く生きるので、すぐ死んでしまうというのは、何かあまりよい条件じゃない可能性があります。一番いいのは、女王アリが薄暗いところにいて落ち着いて卵が産めるようにして、働きアリがそこから自由に出ていって餌をとりに行けることです。死んでしまう原因でよくあるのは、巣の中が暑くなりすぎてしまうことなんだけど、どういうところに巣を置いてるかな?

なおとくん:
さっきの赤いフィルムのやつは玄関の前に置いており、2つ目のやつは家の下に置いており、3つ目のやつは、僕が行っていた幼稚園の裏に置かせてもらっています。

丸山先生:
実はアリの巣の中はかなり涼しくて、こういう暑い日でも、女王アリがいるような巣の中は30℃いかないぐらいなんですよ。きっと家の中で飼うと30℃を超えてしまうようなことが結構あるので、特に玄関とか人がいないようなところに置くとすごく暑くなってしまうことがあるので、働きアリが死んでしまう原因は、もしかしたら暑くなりすぎていることがあるんじゃないかなって、ちょっと想像しますね。アリを飼うときは、ちょっとぜいたくなんだけれどもクーラーのよく効いた部屋に置いて、涼しいところで飼うのが一番大事なことなんです。もし家族の方に許してもらえるのであれば、それをやったほうがいいですね。

あと、カビが生えてしまうとか湿り気が多すぎて死んでしまうというのも、暑すぎるとさらにアリが弱ってしまうので、あまり湿らせすぎないこと。巣の中に水滴ができるほど湿ってしまうとアリが死んでしまうので、適度な湿度でアリを飼うというのが、もう1つのコツかなと思います。どうですか、昼間に暑くなってしまうようなところに置いていない?

なおとくん:
暑いです。

丸山先生:
やっぱりね。それも働きアリが死んでしまう原因なので、できれば人がいるようなリビングとか、人間も快適でいられるようなクーラーが効いて涼しいところに、昼間はアリを置いてあげるといいんじゃないかなというふうに思いますね。それでさっき言ったように、アリは賢い昆虫なので、あまり刺激をしょっちゅう与えたりするとすごくストレスになってしまうので、それは3年前の話と同じなんだけれども、アリが落ち着いて静かに行動できるようなところに置いてあげるのが、あとは大事なんじゃないかなと思いますね。

なおとくん:
はい。

――先生、餌はどうですか。

丸山先生:
クロオオアリというのは本当に何でも食べて飼いやすいアリです。だから涼しくて静かなところで飼えば、昆虫の死体とか昆虫ゼリーとか、いろんなもので長生きさせることができます。環境のとにかくいいところに置いてあげればすごく飼いやすいアリなので、きっとこれからもどんどん働きアリが増えて、何千匹にもなるような大きな巣にすることもできると思います。

なおとくん:
1個質問してもいいですか?

丸山先生:
はい。

なおとくん:
なんでも食べると言っていましたが、家の下で飼っているやつはカビだらけで、餌もくさってたんですよ。それはどうすればいいのかなと思って。

丸山先生:
餌をたくさん入れるとそれがカビてしまって、それからまた病気になってしまうこともあるので、餌はできるだけ1日で食べきるぐらいの量を、毎日ちょっとずつあげるというのが大事です。それは他の昆虫も大体同じなんだけれども、アリにあげた餌がカビてしまうようであれば、ちょっとあげ過ぎだと思うので、適当な量をあげるのが大事ですね。

なおとくん:
はい。

――なおとくん、ことしは頑張って、育ててくださいね。

なおとくん:
はい。

――質問をしてくれてありがとうございました。さようなら。

なおとくん:
さよなら~。

丸山先生:
さよなら~。


【放送】
2023/08/04 「子ども科学電話相談」

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