きしけんやくん(5歳・神奈川県)からの質問に、「天文・宇宙」の永田美絵先生が答えます。(司会・中條誠子アナウンサー)
【出演者】
永田先生:永田美絵先生(コスモプラネタリウム渋谷 チーフ解説員)
けんやくん:質問者
――お名前を教えてください。
けんやくん:
けんやです。
――質問はなんですか?
けんやくん:
宇宙で目薬はどうやるんですか?
――けんやくん、目薬って、する?
けんやくん:
する。
――するんだねぇ。けんやくんは、宇宙にも行ってみたいの?
けんやくん:
行ってみたい。
――だから宇宙で目薬をさすときはどうやるんだろうって、考えたのかな?
けんやくん:
浮かんじゃうから、考えてみた。
――宇宙だと浮かんじゃうことを知って、目薬するときはどうするんだろうって、心配になったのね?
けんやくん:
うん。
――これは永田先生に聞いてみたいと思います。お願いします。
永田先生:
はい。けんやくん、こんにちは。
けんやくん:
こんにちはー。
永田先生:
はーい、とっても元気ですね。実はけんやくん、私ね、宇宙で目薬をさした宇宙飛行士さんの動画を見たことがあるんです。宇宙には国際宇宙ステーションというのがあって、宇宙飛行士の若田光一さんが、目薬をさすという実験をしていたんです。どうなるかというと、宇宙では何かこう、浮かんじゃうということは、けんやくん、知っているんだよね?
けんやくん:
うん。
永田先生:
それは何かで見たことがあるの?
けんやくん:
ない。
永田先生:
ないけど、浮かんじゃうと思ったんだ、すごい! 実は宇宙では、例えばお水とかを飲むときはストローで飲むのね。ジュースとかお水をストローで飲むのはなんでかというと、コップの中にお水を入れると、けんやくんが言ってくれたとおり、浮かんじゃうからなんだよね。お水がどんなふうになるかというと、まあるい、「球」って、わかる? ちょっとシャボン玉みたいな……
けんやくん:
わかる!
永田先生:
あっ、わかる? そう、まあるくなっちゃうんだ。だからけんやくんの言うとおり、目薬をさそうとすると、丸くなってぷわぷわ浮かんじゃうんじゃないかなっていうふうに、思うよね。
けんやくん:
うん。
永田先生:
目薬から液体の薬をぎゅっと出しちゃうと、きっと丸くなって浮かんじゃうと思うんだ。それで若田宇宙飛行士さんはどうやっていたかというと、ゆっくりゆっく~り目薬から薬を出すと、液体の薬がいれものの先っぽに、まあ~るく、くっつくんです。それをゆっくりと目のほうに持っていって、その丸い液体の薬を目に押しつけると、目にぴっと張り付くようなかたちになるの。そうやって目薬をさしていました。
――けんやくん、どう? 想像できた?
けんやくん:
できた。
永田先生:
あっ、よかった! 若田宇宙飛行士が、これはなかなか大変だというようなことを言っていたので、目薬は丁寧にゆっくりささないと目のところにいかないから、大変なんじゃないかな。でも宇宙ステーションの中で、「無重力」といって体がぷわぷわ浮かんじゃうような場所でも、ちゃんと目薬はさせたので、けんやくんがもし宇宙に行ったとしても、目薬はさせます、ということなんです。
もう1つ、それと似ているのかわからないんだけど、宇宙で泣いちゃったらどうなるのかなというのを、私、気になって調べてみたの。けんやくん、悲しくて泣くと、普通は涙がポロポロ下にこぼれるでしょう?
けんやくん:
うん。
永田先生:
地球ではそうやって下にこぼれるんだけど、宇宙ではね、下に……
けんやくん:
こぼれない。
永田先生:
そうなの、そうなの。けんやくん、よくわかってるねぇ。そう、こぼれないの。涙が顔に張り付いたような感じで、そのままになっているんだね。だから宇宙でいっぱい泣いちゃうと、顔の周りに涙が張り付いちゃうような感じになっちゃうみたいだよ。私なんか、宇宙に行ったら悲しくてじゃなくて、地球を見たりして感動していっぱい泣いちゃって、いっぱい涙が張り付くんじゃないかなって思うんだけど(笑)。宇宙って、おもしろいよね。
――先生、張り付く涙というのは、どんな形をしているんですか。
永田先生:
なんて言ったらいいんだろう……1つのところにぎゅっと集まるのではなくて、丸くなるんじゃなくて……
――漫画の涙のような?
永田先生:
そういうんじゃなくて……なんて言ったらいいんでしょうね……うねうねうね~っとなるような感じを、私は動画で見たんですよね。
――なるほどー。けんやくん、宇宙で泣いちゃうと、涙がまっすぐ落ちるんじゃなくて、うねうねうねうね~っとするんだって。不思議だね。
永田先生:
けんやくんは、目薬さすのは得意?
けんやくん:
あんまり得意じゃない。
永田先生:
私もそうだけれども、それはきっと、目薬をさすときに目を開けているから、上から落ちてくるのが怖いと思うんだよね。
けんやくん:
うん。
永田先生:
宇宙で若田宇宙飛行士が目薬をさすときにやったみたいに、上から落とすのではなくて、目の横のほうにつけて出すと、ちょっと怖くなくなるかも。
――けんやくん、いつもはお母さんに手伝ってもらっているのかな?
けんやくん:
うん。
――じゃあお母さんに、なるべく目の近くに目薬を持っていってもらうと、怖いのがちょっとましになるかもね。
永田先生:
宇宙でもたぶんそうやってつけなきゃいけないから、今から練習をしておくと、宇宙飛行士さんになったときに目薬をさしやすいかもね。
――けんやくん、宇宙に行ってみたい?
けんやくん:
行ってみたーい。
――じゃあぜひ練習しておかなければ!
永田先生:
練習しておいてね。
――けんやくん、目薬はどういうときにさしているの?
けんやくん:
花粉症の時期。
――あぁ、目がかゆくなるものねぇ。
永田先生:
宇宙は花粉が飛んでいないので、いいかもしれない。
――目薬をさす機会はちょっと減っちゃうかもしれませんけれども(笑)。
永田先生:
そうかもしれませんね。
――けんやくん、あと何か永田先生に聞いておきたいこと、あるかな? 大丈夫?
けんやくん:
大丈夫。
――よかったです。おもしろい質問を送ってくれて、どうもありがとう。また何か質問があったら送ってくださいね。
けんやくん:
はーい。
――さようなら。
けんやくん:
さよなら~。
永田先生:
けんやくん、さよなら~。
【放送】
2023/08/03 「子ども科学電話相談」