ゆあさあまとくん(小学6年生・富山県)からの質問に、「コンピューター・ロボット」の坂本真樹先生が答えます。(司会・中條誠子アナウンサー)
【出演者】
坂本先生:坂本真樹先生(電気通信大学副学長)
あまとくん:質問者
――お名前を教えてください。
あまとくん:
あまとです。
――質問はどんなことでしょうか?
あまとくん:
ドラえもんは22世紀生まれだけど、ドラえもんの「ひみつ道具」は21世紀にも作られていないので、いつごろ作られますか?
――ドラえもんの「ひみつ道具」が、いつごろ実現するのかが気になっているんですね。
あまとくん:
はい。
――ちなみに、あまとくんはどんなものがあればいいなと思っていますか?
あまとくん:
「どこでもドア」があれば。
――欲しいですよねぇ。では坂本先生にうかがってみましょう。お願いします。
坂本先生:
はい。あまとくん、こんにちは。
あまとくん:
こんにちは。
坂本先生:
「どこでもドア」は先生もすごく欲しいひみつ道具の1つなんですけど、これはたぶん22世紀になってもちょっと難しいかな……。でも実はもう、ドラえもんのひみつ道具はたくさん実現しているんですよ。知っていますか?
あまとくん:
いや、知らなかったです。
坂本先生:
では時間が許す限り、紹介しますね。いっぱいあるんですけど、例えば「ほんやくコンニャク」は知っていますか?
あまとくん:
はい。
坂本先生:
「ほんやくコンニャク」は、食べるとどんな言葉でもつうじるようになるひみつ道具だけど、小型で持ち運べる携帯電話みたいなものとかで、いろいろな言語にそのまま翻訳できたりするようになっているんですよ。
――あまとくん、「そういえばそういうのあるな」って、思いました?
あまとくん:
はい、ちょっと。
坂本先生:
使ったこと、あるかなぁ。具体的な名前は言えないんですけど、いろんなものがあります。それから最近、夏でよく見かけるんですけど、「エアコンスーツ」といって、ドラえもんたちが原始時代に行くと寒かったり暑かったりするから、これを着ると温度をコントロールできるというのがあったんですけど、知ってますか?
あまとくん:
ちょっと聞いたことがあります。
坂本先生:
そうそう。それがもう本当に最近あって、ブ~ンと音がしているから何だろうと思ったら、扇風機みたいなものが張り付いたようなジャケットを着て歩いている人がいました。寒い時期にはヒーターが付いているジャケットもあるし、だからもう実現しているでしょう? あと、「宇宙探検ごっこヘルメット」というのがドラえもんのひみつ道具にあって、ボールみたいなものをかぶると周りの景色が宇宙空間に見えるという道具ですけど、それは今でいうARとかVR、たぶんARが近いと思うんだけど、実際の空間にないものをそこに重ね合わせて見せる、とかね。
――あまとくん、テーマパークとかゲームとかで、そういった体験、ないですか?
あまとくん:
あります。
――ねぇ。それがもう、実現しているということですね。
坂本先生:
そうそう、そうです。あと、「糸なし糸電話」というのがドラえもんに出てきて、これはもう本当に携帯電話ですね。糸がない糸電話。それから、「宇宙完全大百科と端末機」という難しい名前で出てくるんですけど、それはもう検索エンジンですね。宇宙完全大百科にいろいろな情報があって、そこに端末機をつなぐと情報がとれますというものですね。
――インターネットで、もう全部調べられる時代ですものね。
坂本先生:
あと、「近道マップ」というのは知っていますか?
あまとくん:
それは知らないです。
坂本先生:
これは、今いる場所と目的地を入れると、すぐ着く道を教えてくれる道具で、ドラえもんの中では便利だということだったんだけれども、今は普通に皆さん、地図アプリを使っていると思うんですよ。
――電車を乗り継ぐときにどの路線で乗ればいいのか、みんな携帯で見ていますよね。
坂本先生:
あまとくん、使ったりしますか?
あまとくん:
僕は使ってないです。
――車でどこか行くときに、お父さんやお母さんが使っているかもしれませんね。
坂本先生:
あとはね、「そっくり銅像キット」というのがドラえもんのひみつ道具にあるんですけど、見たことはありますか?
あまとくん:
ちょっとだけ知っています。
坂本先生:
銅像にしたい人をカメラで写真に撮って、その銅像を建てたい場所に向かってスイッチを押すと、写したものがそこに銅像としてできる、みたいなものなんですけど、それは今、3Dプリンターでその場で作れちゃったりするので、たぶんそれに近いかな。
――あまとくん、どうですか。3Dプリンターで作りたいものとか、何かあります?
あまとくん:
うーん……。
坂本先生:
あと、「どこでもドア」は本当にあったらいいんだけれど難しくて、でも「観光ビジョン」というのがドラえもんのひみつ道具にあって、それは緯度と経度を合わせると、その場所の景色が周りに映像として映し出されるものなんです。今それはなんとかストリートビューとかいうので、行きたいところの様子が見られますよね。
――今は衛星があるので、地球上のいろいろなところを見られるようになりましたね。
坂本先生:
そうですね。いきなりドアを開けてその場所に急に行くことはできないんだけど、いろいろな世界をVR眼鏡で見ることもできるし、いろいろな道具ができていますね。
――あまとくん、のび太くんが「こんなものがあったらいいな」と思っていたものが、どうやらもうすでに世の中にはあるようですよ。
あまとくん:
すごい……。
坂本先生:
「ドラえもん」を読むときに、これはもうあるのかな、とか考えながら読むと、楽しいかもしれないですよ。
あまとくん:
はい。
――でも先生、やっぱり「どこでもドア」は難しそうですね。
坂本先生:
そうですね。時間と空間の問題があるので、それをコントロールするのは、夢のような感じかな。
――あまとくん、夢は広がりますけれども、これからも実現してほしいものをいろいろ考えてみてくださいね。
あまとくん:
はい、わかりました。
――質問を送ってくれてありがとうございました。
あまとくん:
ありがとうございました。
――さようなら。
あまとくん:
さよなら~。
坂本先生:
さよなら~。
【放送】
2023/08/03 「子ども科学電話相談」