11時台を聴く
23/09/03まで

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うちぼりゆうやくん(小学2年生・京都府)からの質問に、「天文・宇宙」の国司真先生が答えます。(司会・柘植恵水アナウンサー)

【出演者】
国司先生:国司真先生(跡見学園女子大学兼任講師)
ゆうやくん:質問者


――お名前を教えてください。

ゆうやくん:
ゆうやです。

――どんな質問ですか?

ゆうやくん:
星や飛行機の光は、なんで丸いんですか?

――星や飛行機の光が、空で見ると丸く見えるということですね。それがどうしてなのかということですね。

ゆうやくん:
はい。

――国司先生に教えていただきましょう。お願いいたします。

国司先生:
はい。ゆうやくん、こんにちは。

ゆうやくん:
こんにちは。

国司先生:
ゆうやくんは、星をよく見るんだね。夜、観察してるの?

ゆうやくん:
うん!

国司先生:
飛行機、どんなふうに見えた?

ゆうやくん:
赤い光とか点滅して光ったりしてた。

国司先生:
よく見てるねぇ。おじさん、実はね、夕方から夜、星を見るのがだ〜い好きなの。

ゆうやくん:
そうなんだ。

国司先生:
1時間ぐらい見てるとさ、飛行機、いっぱい飛ぶよね。

ゆうやくん:
うん。

国司先生:
ピカピカしてて、あれは翼の先に赤いランプと、緑のランプともう1つ、青かな。2つ、色の違うのがあるよね。

ゆうやくん:
うん。

国司先生:
それからおじさん、よく見ていると、星以外にも点みたいなものがスーッと動くことがあるの。

ゆうやくん:
ん?

国司先生:
「人工衛星」って、聞いたことある?

ゆうやくん:
聞いたことある。

国司先生:
その一番大きいのが国際宇宙ステーションだよね。そういうのも見たことある?

ゆうやくん:
うん。

国司先生:
それも丸く見えた?

ゆうやくん:
うん。

国司先生:
そうか。じゃあ、おじさんとゆうやくんは、同じ空を同じ時に見てたかもしれないな。何であれが丸くなっちゃうんだろうねぇ。

ゆうやくん:
うん……。

国司先生:
おじさんちには、双眼鏡があるんだよ。双眼鏡って知ってる? 目に当てると遠くのものが近くに見えるの。それで見たの。そしたら飛行機は、やっぱり双眼鏡で見るとランプのところは丸いんだけど、飛行機の形が結構よく見えるよ。

ゆうやくん:
そうなんだ。

国司先生:
それから星はね、やっぱり丸。

ゆうやくん:
あぁ……。

国司先生:
星は、とっても遠いところにあるんだよ。もう、光が届くのに何年とか何万年とか、ずっと遠いところにあるから、あれは丸というよりも点なの。それで、ゆうやくんさ、「ゆうやくん、これくらい目が見えます」っていう目の検査、やったことある?

ゆうやくん:
うん。

国司先生:
丸いのがあって、上がちょっと欠けてると「上が空いてます」とか、「下が空いてます」とか言って、検査したことあるかな?

ゆうやくん:
うん。

国司先生:
それがちっちゃくなると、欠けてるのが見えなくなっちゃうよね。みんな点のようになって丸く見えちゃうんだよ。

ゆうやくん:
あぁ。

国司先生:
だから遠い遠いお星さまは点のようになっているんだけれども、これを見分ける力、「分解能」というんだけど、それがもう人の目ではそれ以上2つに分かれて見えないとなると、みんな1つの丸になっちゃうらしいよ。

ゆうやくん:
おぉー。

国司先生:
それで飛行機は、双眼鏡で見るとランプのところだけ丸く見えるのね。それから、おじさん、このごろちょっとチャレンジしたいなと思っているのは、「国際宇宙ステーションを双眼鏡で見たら、丸いのかな?」っていうこと。

ゆうやくん:
あぁ……。

国司先生:
やったことない?

ゆうやくん:
ない。

国司先生:
おじさん、8倍くらいの双眼鏡で国際宇宙ステーションを見たら、やっぱり形がわかんなかったの。丸いんだよね。ということは、もっと倍率の高い望遠鏡で見ると、国際宇宙ステーションはサッカー場と同じぐらいの大きさがあるので、太陽電池のパネルが見えるという話を聞いたことがあるから、おじさんも、もう少し倍率の大きい望遠鏡で国際宇宙ステーションを追っかけてみようかなと思っているの。実はおじさん、毎日それを調べているんだよ。

ゆうやくん:
えっ……。

国司先生:
そしたらね、あした(7月10日)からあさって、しあさってまで、国際宇宙ステーションが日本の上を通るんだって。

ゆうやくん:
おーっ。

国司先生:
「JAXA」って、聞いたことある? 日本でロケットを打ち上げているところ。そこのホームページを調べると、あしたは9時30分過ぎぐらいによく見られるそうです。それから7月11日は、京都府の真上を通るんだよ。

ゆうやくん:
えーっ!

国司先生:
夜の8時52分ぐらいかな。京都府の上の若狭湾の上を通るの。京都の上空400kmぐらいを宇宙ステーションが通過するの。ちょっと倍率の高い、20倍ぐらいの双眼鏡があれば、丸じゃなくて形がわかるかもしれない。

ゆうやくん:
へぇ〜。

――先生、望遠鏡がないと見えないということはありますか?

国司先生:
肉眼だと、点像なのでやっぱり丸く感じちゃう。望遠鏡か双眼鏡があると形がわかるかもしれないけど、そこが微妙なの。これはチャレンジなんだよね。ゆうやくんの家からも、宇宙ステーションが丸く見える感じがもうわかっているとすると、それを調べるためにはもっともっと倍率の高い望遠鏡が必要で、でもそれはとても大変なんです。おじさんもまだ成功していないから。でも調べるとおもしろいし、形がわかるかもしれない。それから今はとても性能のいい、望遠の倍率の高いカメラがあるので、それで撮ると、丸ではなくて形が写る可能性があります。

ゆうやくん:
はい。

国司先生:
でも夜だから、絶対に1人じゃ駄目だよ。おうちの人と一緒に、安全なところで観察をしてみてください。そしてそのときに、JAXAのホームページにいつ見られるかが書いてあるから、それともう1つ、「NASA」って、聞いたことある?

ゆうやくん:
うん。

国司先生:
アメリカなんだけど、NASAのホームページでは、国際宇宙ステーションから地球を映した映像を中継していて、「今」のが見られるの。おじさんはそれを「うちの街が今、映ってるぞ」とか見ながら、実際に上空を飛んでいる国際宇宙ステーションを、「あそこから撮っているんだな」って、一緒に見たいの!
それをね、JAXAのホームページとNASAのホームページを一緒に見ながら、タイミングを計っているんですよ。それがどうも、あした、あさって、しあさっての夜、8時とか9時に見られそうなんです。これは是非、ゆうやくんも、おうちの人と計画を立てて、安全な場所で国際宇宙ステーションを見つけてみてください。「丸い」という感覚と、実際見たらどうかっていうのを、調べてみてください。

ゆうやくん:
はい。

――住まいの地域によって、見え方は違ってきますか?

国司先生:
はい、違います。日本列島は細長いので、上空を通るのが2、3分ずれたり、ちょっと北に寄ったり南に寄ったりします。

――ゆうやくん、どうでしょう。わかりましたか?

ゆうやくん:
うん! よくわかった。

――京都府の近くでも見られるということでしたね。気をつけて観察してくださいね。

ゆうやくん:
はい。

――国司先生が目をキラキラさせて説明してくださいました。 ゆうやくん、質問くれてありがとうございました。またぜひ質問を送ってください。さようなら。

ゆうやくん:
さよなら〜。

国司先生:
さよなら〜。


【放送】
2023/07/09 「子ども科学電話相談」

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