11時台を聴く
23/08/13まで

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まつないあきさん(小学5年生・香川県)からの質問に、「動物」の田中理恵子先生が答えます。(司会・柘植恵水アナウンサー)

【出演者】
田中先生:田中理恵子先生(埼玉県こども動物自然公園園長)
小林先生:小林快次先生(北海道大学総合博物館教授)
上田先生:上田恵介先生(立教大学名誉教授/日本野鳥の会会長)
あきさん:質問者


――お名前を教えてください。

あきさん:
あきです。

――どんな質問ですか?

あきさん:
動物は体が毛で覆われているのに、なぜ人間は毛が薄いのか、です。

――田中先生、お願いします。

田中先生:
はい。あきちゃん、こんにちは。

あきさん:
こんにちは。

田中先生:
なかなか鋭い質問、ありがとうございます。不思議だなと思ったのには、何かきっかけがありますか?

あきさん:
お母さんに聞いてみたけど、わからなかったから動物園に行って、でもやっぱり疑問で。

田中先生:
そうだよね、すごく不思議ですよね。

あきさん:
はい。

田中先生:
じゃあ最初に、毛がある動物って、どんな動物が多いと思いますか?

あきさん:
うーん、イヌとかネコとか。

田中先生:
そうだね、全身に毛が生えていますね。あの毛はなんのために生えているのか、考えたことはありますか?

あきさん:
うーん……ないです。

田中先生:
そっか。例えば毛が生えていると、動物どうしでケンカをしたときに、毛があったほうが、どうでしょう? 爪が当たったりガブッてされたときに、毛で覆われていたほうが、どう?

あきさん:
体を守れる?

田中先生:
そうそう、そうだよね。ケガから守れますよね。あと例えばイヌやネコは、冬の寒いときも服は着ないでしょう?

あきさん:
着ません。

田中先生:
毛があるからあったかいんだよね。だから毛というのは冬なんか寒いときに体温をキープするためだったり、外からのケガとかから身を守るためにあるんだよね。

あきさん:
はい。

田中先生:
人間がなぜ毛がなくなったかというと、実は人間の先祖は、ずっと何百万年も前は毛が生えていたらしいんです。

あきさん:
へぇ〜。

田中先生:
最初の人間の先祖は、森の中に住んでたんだって。森からだんだんに、ちょっと獲物をとりにいったりいろんなものを得るために、日当たりのいい林のほうに出ていったらしいんです。そうして歩き回ったりすると体が熱くなっちゃって、でも毛を持っているとなかなか冷えないよね。

あきさん:
冷えません。

田中先生:
だから少しずつ、毛がなくなっていったという説があるんです。だけど人間は2本足で立っていて、頭には毛が生えていますよね。それは太陽の光から、頭には大事な脳みそが入っているからそれを守るために、頭には毛が残ったという話を聞きます。

あきさん:
へぇ〜。

田中先生:
人間は毛がなくなったけど、どんどんいろんなことを工夫していって、例えば火をおこせるようになったり家を作るようになったりしたから、それで温まれたり家の中で守られたりするようになりますよね。それから服みたいな、動物を狩ったあとの動物の毛皮を自分で身にまとったり、暑いときはそれを脱いだり、そういう工夫をするようになったから、それで人間は毛で覆われなくなったという説があります。

あきさん:
あぁ……。

田中先生:
なんとなくわかりました?

あきさん:
わかりました。

田中先生:
でもね、それでも毛が生えていない動物が、人間以外にもいるでしょう? 何か思い当たるもの、ない?

あきさん:
えー、なんだろう。

田中先生:
例えばアフリカで暮らす大きな耳を持った……

あきさん:
ゾウ?

田中先生:
そう。ゾウは皮がすごくしっかりしているけど、体の毛は、見た目ではそんなにボウボウに生えていないですよね。

あきさん:
そうですね。

田中先生:
アフリカのサバンナは暑いから、いらなくなっちゃったんですね。だけどよく見るとゾウには毛が生えているんだよ。アジアのゾウなんかは頭のトップにフワフワのかわいい毛があって、特に赤ちゃんには結構毛が生えています。あとは尻尾の先にも生えていたりします。人間と一緒で毛がなくなっちゃっている動物というのは、実はあんまりいないんです。

あきさん:
へぇ〜。

田中先生:
あともう1つ、おもしろい動物の名前を紹介しますね。ハダカデバネズミって、知ってますか?

あきさん:
知らないです。

田中先生:
ハダカデバネズミという動物がいます。あきちゃんの手のひらにのるぐらいの小さいネズミなんだけど、全身裸なんです。でもよく見ると、ヒゲとか、体にちょっとだけ毛がパサパサ生えているのね。なんでこのネズミは裸かというと、地面の下でアリのように穴を掘って暮らしているんです。地面の下は温度が一定だから、毛がいらないんです。だけどチョンチョン生えている毛は、穴の中でその穴のサイズがどれくらいかわかるためのもので、だから決して本当に裸で毛が1本もないわけではないんです。

あきさん:
へぇ〜。

田中先生:
動物によっては、暮らしていく環境とかいろんな理由でいろんなところに毛が生えていたり生えていなかったり、見た目では全然生えていないけどよく見ると生えてたり、そういう動物がたくさんいるので、よく観察してみてください。

あきさん:
はい。

田中先生:
ちなみに小林先生、恐竜って、昔、私が小さいころはみんなつるんとしてましたけど、今は結構羽が生えていたりしますよね。

小林先生:
恐竜って、なんかウロコで覆われているような感じがするんですけど、最近は、毛が生えて最終的には羽になって上田先生が研究されている鳥になる(ことがわかっている)んですけど、最初っから飛ぶためにできたんじゃなくて、最初は体温調節とか飾りとか身を守るとか、非常に基本的なものから進化して最終的には鳥になったということで、恐竜は結構いろんな種類で毛が生えています。

田中先生:
あきちゃん、だから私が小さいときには、「恐竜には毛が生えていない」っていう本ばっかりだったけど、今は毛が生えた、羽が生えた恐竜のことがいっぱいわかってきているので、動物たちも、いろいろ見ていくといろんな発見ができると思います。

あきさん:
はい。

――最近、日本も暑いじゃないですか。動物園では、毛で覆われている動物も暑さ対策では工夫されているんじゃないですか?

田中先生:
そうですね。まず動物園では動物ファーストで考えているので、動物たちがつらくないように、室内はクーラーを入れてあげたり、木を植えて木陰をつくったり、扇風機を回してあげたり、あとは床が冷たくなるようなものを用意してあげたりなんていう工夫もしますね。特に私が働いている埼玉県こども動物自然公園のあるところは、日本で一番暑くなるときがときどきあって、実は上田先生がすぐ隣に住んでいらっしゃるんですけど。

上田先生:
はい。近くに住んでおります。

田中先生:
鳩山町というところに住んでいらっしゃるんですけど、日本で一番暑い記録になるときがありますよね。

上田先生:
あります、あります。

田中先生:
恐ろしく暑いときがあるんです。もう動物たちもグターッとなりますから、凍ったペットボトルを一生懸命作ったりして苦労しています。

あきさん:
へぇ〜。

――動物にとっても大変なときがあるんですね。

田中先生:
そうですね。でも動物はよくできているから大したもので、冬毛とか夏毛といって、ちゃんと毛が生え変わったりするんです。多くの動物はみんな生え変わりますけど、夏と冬で見た目が変わっちゃいます。冬になるとモコモコでモサモサしてるのに夏になるとつるんとする動物なんかも、見にきてくれるとおもしろいと思います。

あきさん:
はい。

――あきさん、動物園に行ったりするのは好きですか?

あきさん:
好きです。

――先生がおっしゃったように、季節によって動物の毛の生え具合が変わるのも見てみるとおもしろいかもしれませんね。質問してくれてありがとうございました。

あきさん:
ありがとうございました。

田中先生:
どうもありがとうございました。

――さようなら。

あきさん:
さよなら〜。

田中先生:
さよなら〜。


【放送】
2023/06/18 「子ども科学電話相談」

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