11時台を聴く
22/02/06まで

11時台を聴く
22/02/06まで

たかはしたいちくん(小学2年生・岩手県)からの質問に、「水中の生物」の林公義先生が答えます。(司会・石井かおるアナウンサー)

【出演者】
林先生:林公義先生(北里大学海洋生命科学部講師)
たいちくん:質問者


――お名前を教えてください。

たいちくん: たいちです。

――たいちくんの質問はどんな質問ですか?

たいちくん: 金魚って、どうやって作っているんですか? どうやって遺伝子を掛け合わせているんですか?

――たいちくんは、遺伝子ってわかりますか?

たいちくん: はい。

――あっ、そうなんですね。すごい! では林先生に教えてもらいましょう。

林先生: たいちくん、遺伝子のことを知ってるっていうから、おじさん、ラクになった、気持ちが……。はい。たいちくん、こんにちは。
たいちくん: こんにちはー。
林先生: たいちくんは金魚が好きなのかな?
たいちくん: えっと、家で飼っています。
林先生: あっ、飼ってる! そうなんだ。たいちくんが飼ってる金魚っていうのは、形がそれぞれ違ったり、種類ではないんだけれども、同じではないタイプの金魚?
たいちくん: うーんと……同じです。同じ金魚を2匹飼ってます。
林先生: ああ、そうかそうか、うん。わかりました。たいちくんが飼ってる金魚の尾っぽって、どんな感じ? なんかこう、ふわあっと長い感じ? おなかがポンポコリンで。
たいちくん: ……。
林先生: そうでもない?
たいちくん: 2つに分かれています。
林先生: あ、はい。2つに分かれてて、それは下に向かって2つに分かれていますか? それとも縦、上のほうと下のほうに分かれていますか?
たいちくん: 上のほうと下のほう、両方に分かれてます。
林先生: わかりました。えーっとね、まず金魚というのは、実は人が作り出した「品種」というものなんだよね。
たいちくん: はい。
林先生: この品種を作るということが、「金魚をどうやって作ってるんですか」ということにつながっていくんだけれども、金魚はもともと、たいちくんが飼っているような、また今、いろんな種類の金魚の仲間がいるんだけれども、「原種」といって金魚のオリジナルな魚っていうのがいるんだけど、それは何の魚だったか、知ってるかなあ。
たいちくん: コイです。
林先生: あっ……えーっとね、いい線いってるんだけどね、実は「ブー」です。金魚(の原種)は、コイによく似てるんだけれどもちょっと種類の違う、フナです。
たいちくん: あっ……。
林先生: フナなんだよ。(たいちくんは)たぶん知ってたんだけど、コイと間違えたんじゃないかな。フナが実は原種なんですよね。この原種が「突然変異」というものを起こして、いつ何時っていうのはなかなか難しいんですけれども突然変異を起こして、色の赤い金魚の仲間みたいなものができた。それを「ヒブナ」って呼んでいるんです。そのヒブナがまた尾っぽが長くなったりするものが突然変異で出てきて、「鉄魚(テツギョ)」っていう名前が付いたりしたんです。

つまりこのあいだに原種から突然変異でもってでき上がったものを、さらに「交雑」といっていろんな特徴のあるもの、つまり品種を作りたいというときは、「もっと小さな金魚を作りたい」とか、「もっと尾の長い金魚を作りたい」とか、「光り輝くウロコを持っている金魚が欲しい」とか、いろんな金魚を何か目的を持って作れないかなと考えたのが、今ある品種のいろんな金魚なんです。例えば一番わかりやすいものだと、「東錦(アズマニシキ)」っていう金魚、知ってますか?
たいちくん: 書いてありましたー!
林先生: あっ、ありましたか。それはね、「出目金(デメキン)」という金魚と「オランダ獅子頭(シシガシラ)」というものを交配してできたものなんですよ。だから今、それぞれいろんな品種でもって、例えば「地金(ジキン)」だとか「琉金(リュウキン)」だとか「出目金」だとか「らんちゅう」だとか「土佐錦(トサキン)」だとか、いっぱいあるんだよね、品種がね。その品種が、それぞれ独特な遺伝子を持っているわけ。

遺伝子というのは、さっき、たいちくん、「知ってる」って言ったんだけど、いわゆる染色体の中にある。その中にDNAというものが入っていて、そのDNAが、らせん状にねじりパンみたくねじれている。その中にいろんな分子がついていて、その中に、色を決定する分子だとか形を決める分子だとか、いろんな構造が全部その中におさまっているわけだ。そういうものが、ときどき1つ、変わったものが入り込んだりする。つまり品種を作るにしても、やっぱり「性染色体」といってオスとメスがいなければ、次の世代の子どもはとれないわけですよね。

1つの品種を作る方法としては、目標を持って、今のようにそれぞれの特徴のある遺伝子を持った金魚どうしを掛け合わせて作る場合が1つあります。それともう1つは、もうすでにできあがっている品種なんだけれども、それをずっと飼っていると、一番最初に原種のフナが突然変異でもって色を変えたように、いわゆるDNAというのはときどきそういうものが突然変異で変わってくる。だから人が時間をかけなくても、長い時間のあいだに突然変異で、持っている金魚が変わってしまうことだってあるんですよ。 特に色だとか模様だとかっていうのは、そういうことがありえます。

だから品種の作り方、つまり金魚をどうやって作っているかというのは、いわゆる品種を作るために、目標を持って互いに違う遺伝子を持つものを組み合わせて人工交雑して作るもの。そしてもう1つは、同じ遺伝子を持っているものを、これは品種でもいいんですよ。同じ遺伝子を持っているものをどんどん掛け合わせていって、そのあいだに突然変異で別のやつが出てくるのを長いあいだ待つ。というような状況の2つがあるんじゃないかなって思うんですよね。わかったかな?
たいちくん: はい。
林先生: あのね、例えばですね。ずっと同じオスを使っていても、メスを変えていくとわりと新しい品種が作りやすいということもよく言われていますね。

それからもう1つはですね。これは品種ではないんだけれども、周りの環境によって色素が変わってくる場合があるんです。ちょっと暗いところで飼ったりすると色が濃くなったりする。つまり、すごい鮮やかだった赤からちょっと暗い赤になったりすることもあります。それは金魚が飼われている環境の中で、自分でもって色素を大きくしたり縮めたり伸ばしたりして変わるということもある。でもこれは、たいちくんが質問した、金魚を作っているということではないですね。個々の金魚が、そういうことでもって自分たちで色を変えることもできるということですね。
たいちくん: じゃあ、明るいところで飼ったらどんな色になるんですか?
林先生: 金魚にもよるけど、例えば砂なんかを下にひいたりすると、わりと金魚ってその砂の色、暗いほうの色に体の色を合わせちゃうことも多いですね。明るいところだと、やっぱり「色揚げ」がいいっていうか、きれいな色にはなる。

それと、餌。例えばちょっとうす赤い金魚にニンジンの粉末を一生懸命食べさせると、色がすごくきれいになる。赤はね、いわゆるカロチノイド(カロテノイド)っていう色素があるの。だから餌の中にカロチン(カロテン)を入れると、非常にきれいな赤が出る金魚が育ちますよ。
たいちくん: うん、うん。
林先生: そんなこともできますね。これだったらたいちくん、自分で試せるじゃん?
たいちくん: はい。
林先生: 金魚に与える餌に少しカロチンを多めにする。人工の餌でも、「色を揚げる」っていうんだけど色をきれいにするための餌がありますよ。金魚を専門に作っている業者さんたちは、こういう餌の工夫もいろいろやってるの。

――ニンジンの粉末の餌というのは、売っているんですか。

林先生: ニンジンの粉末だけではないんですけれども、餌の中に混ざってるものもあります。「金魚の餌」って書いてあるうしろにいろいろ成分が書いてある中に、ニンジン粉末とか書いてあったりします。

――そうなんですね。たいちくん、わかりましたか。

たいちくん: はい。

――もし興味があったら試してみてくださいね。

たいちくん: はい。

――またどうしてかなっていうことがありましたら、質問してくださいね。ありがとうございました。

たいちくん: ありがとうございました!

――さよなら~。

たいちくん: さよなら~。
林先生: さよなら~。

【放送】
2021/12/12 子ども科学電話相談 「水中の生物」 林公義先生(北里大学海洋生命科学部講師)

11時台を聴く
22/02/06まで

11時台を聴く
22/02/06まで