9時台を聴く
22/02/24まで

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つじのあやはさん(小学5年生・兵庫県)からの質問に、「植物」の田中修先生が答えます。(司会・山本志保アナウンサー)

【出演者】
田中先生:田中修先生(甲南大学特別客員教授)
あやはさん:質問者


――お名前を教えてください。

あやはさん: あやはです。

――どんなことを聞きたいですか?

あやはさん: お父さんから、「ダイダイはオレンジ色から緑色に戻る若返りの実」と聞きました。しかしお母さんは「そんなことない」と言っています。本当はどうなのですか?

――ほお。色が変わる、色が戻るんじゃないかという説が、お父さんとお母さんで分かれていると。あやはさんはどっちだと思います?

あやはさん: うーん……。

――悩んじゃうかな。そんなときは田中先生に、聞いちゃおうかな?

あやはさん: はい。

――田中先生、お願いします。

田中先生: はい。あやはさん、おはようございます。
あやはさん: おはようございます。
田中先生: お父さんとお母さんの「どっちが正しいか」は、ちょっとあとで相談しようね。
あやはさん: はい。
田中先生: 先、ダイダイと関係ある話するわ。ダイダイって、知ってんねやね。
あやはさん: はい。
田中先生: 家にあるわけじゃないね。
あやはさん: あ、はい。
田中先生: ダイダイの特徴はね。実ができるやろ。冬に黄色い、オレンジ色の実、できてるやん。
あやはさん: はい。
田中先生: それがね、落ちひんのや。それで夏にまでぶら下がってるんや。
あやはさん: ふう~ん。
田中先生: そしたらね、夏の強い太陽の光を受けるとね、緑になるんや。
あやはさん: なるほど。
田中先生: そしてまた秋、冬って、だんだん黄色になってきて、またそれ、落ちひんねや。そしたらまた次の実ができて、おんなじように黄色になるやろ。
あやはさん: なるほど……。
田中先生: だからダイダイの木っていうのはね、去年できたやつ、前の年できたやつ……っていうふうに、2年、3年ぐらいの実が、みんなぶら下がってるんや。
あやはさん: おおー。
田中先生: それで今年できたやつを一代目、前のを二代目、三代目……って言うていくとね、「代々の実」が実ってるんや。
あやはさん: へえ。
田中先生: だから「ダイダイ」っていうんや。
あやはさん: はい。
田中先生: そんでその代々の実が一緒に実って栄えているように見えるんで、「縁起がいい」って言う。それであの……、あやはさんの家では鏡餅、飾ってる?
あやはさん: まだ飾ってないです。
田中先生: お正月、毎年飾る?
あやはさん: はい。
田中先生: うん。あの上におみかん置くやん? おうちではおみかん置いてる?
あやはさん: はい。
田中先生: 本当はだからダイダイを置くんや。
あやはさん: なるほど。
田中先生: ダイダイって縁起がよくて、緑にもう1回戻るっていうのが、ダイダイの特徴の1つなんです。
あやはさん: おおー。
田中先生: その名前、ちょっと知っとかないと、この話なかなかしにくいんで。
あやはさん: はい。
田中先生: 黄色になった実がもう1回、次の年の夏に緑になるっていうような現象をね、「回青現象(かいせいげんしょう)」というんや。「かい」は、回る、1回2回、回るっていうやつ。「せい」は、色の青。赤青の青。その回青現象が、ダイダイの1つの特徴なんや。
あやはさん: なるほど。
田中先生: ところがね、ダイダイっていうのには品種があって、この回青現象をきれいに示す「回青橙(かいせいとう)」と呼ばれる品種と、もう1つ、そんなに目立って示さない「かぶす」っていう品種があるんや。その名前はちょっと覚えんの大変やからそんなんいいけどね、日本にはダイダイは2種類あって、それが別に区別もされずに混じって栽培されてるんや。
あやはさん: ほう。
田中先生: 売られるときも、栽培してる人が区別せずに栽培してるから、混じって出荷されてくるんや。だから出回って来ても2種類混じってて、どれがどっちやっちゅうのはわからないんや。
あやはさん: へえ。
田中先生: そういう状態で、ダイダイっていうのはお正月の飾りもんとして売られてきてるっていうの、まずそういうのがあると覚えといて。回青現象ね。
あやはさん: 回青現象。
田中先生: うん。ところが回青現象を目立ってきれいに示すやつと、そんなに示さないやつがある。もしダイダイを夏見たらね、回青現象をきれいに示したらそれはみんなきれいな緑になってなあかんのやけども、そんなことなくてなんか薄汚い緑がちょっと出てるっていうのもあるんや。それは光の強さにもよるの。光が強く当たるほどきれいな緑に戻れるんやけど、光が弱いときれいな緑にはあんまり戻らないっていうのが、回青現象の特徴なんや。
あやはさん: へえ~。
田中先生: それで、そのダイダイは回青現象をきれいに起こすっていうことを知ると、お父さんが「戻る」って言ってはったんやったかな?
あやはさん: はい。
田中先生: お母さんは「そんなことはない」と?
あやはさん: 「ない」と。
田中先生: う~ん、どっちをどう言うたらいいやろ……。難しいな。
あやはさん: うん。
田中先生: あやはさんに任せてしまいたいけども(笑)、もう1回整理しとこうか。
あやはさん: はい。
田中先生: えーっと、お母さんが「そんなことはない」って言うのはちょっと言い過ぎで、実際にはこの回青現象というのはダイダイの特徴の1つで、きれいに認められる品種がまずあります。
あやはさん: はい。
田中先生: そやけども、ダイダイ全部がほんならそんなきれいにそうなるのかっていうと、品種があって、そんなに目立つ現象としてそれが起こらない品種もある。それでまた日光の当たってる強さによってもそれは変わるし、だからお父さんも、どういうふうな表現して言ってはるかちょっとわかりにくいんで、よくあやはさんが聞いて、この話を混ぜて、こういうことですよって、言うてあげてくれるか。
あやはさん: はーい。
田中先生: ちょっと今ここで、どっちが正しいって言う勇気がないんで(笑)、お父さんもお母さんも、どう説明してはるか知らんし。大体わかりましたか? 性質は。
あやはさん: はい。
田中先生: うん。だからこのお話をよくお母さんとお父さんに言うたげてください。

――家族円満を願う田中先生の気持ちが、痛いほど伝わりました。聴き逃しがありますのであやはちゃん、お父さんお母さんと、回青現象のことなどみんなで聴いてくれたらうれしいなと思います。あやはちゃんは、植物のこと、好きなんだね。

あやはさん: あー、まあまあ。
田中先生: ははは。

――そうか、まあまあか(笑)。先生、鏡餅の上に載っているのは、ダイダイ?

田中先生: 鏡餅の上には身近なもので温州みかんを載せてる場合が多いですけれども、歴史的にたどるとダイダイを載せるのが正しいです。

――そんなお話を、またこの冬休みにみんなでしてみるのもいいかもしれませんね。あやはさん、質問ありがとう。

あやはさん: はい、ありがとうございました。
田中先生: はい、ありがとう。

――また何かわからないことがあったらメールくださいね。

あやはさん: はーい。

――さよなら~。

あやはさん: さよなら~。
田中先生: さよなら~。

【放送】
2021/12/30 子ども科学電話相談 「植物」 田中修先生(甲南大学特別客員教授)

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