11時台を聴く
22/06/12まで

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プロのゲームクリエーターとして活躍する小学生の兄弟、千葉シモンくんと千葉マシロくんに、「コンピューター・ロボット」の岡嶋裕史先生がお話を聞きます。(司会・石井かおるアナウンサー)

【出演者】
岡嶋先生:岡嶋裕史先生(中央大学国際情報学部教授/学部長補佐)
シモンくん:千葉シモンくん(小学4年生 ゲームクリエーター)
マシロくん:千葉マシロくん(小学3年生 ゲームクリエーター)


――プロのゲームクリエーターとして活躍する小学生の兄弟、千葉シモンくんと千葉マシロくん。おふたりは3年前からゲームを作り始めて、これまで30本以上のゲームを作ってきたそうです。3月には、大手の家庭用ゲーム機器向けのソフトを作られたということですが、岡嶋先生、驚きですね。

岡嶋先生: ほんとですね。小学生で、しかもご兄弟でゲームを作ってらっしゃるなんて、うらやましいです。しかもそれが売りものとして、家庭用ゲーム機で皆さんがプレーできる感じでこれからリリースされていくということですから、お話伺うのを楽しみにしています。

――千葉シモンくんとマシロくんとは、インターネットで映像がつながっています。お話は電話を通して聞きます。シモンくん、マシロくん、こんにちは。

シモンくん: こんにちはー。千葉シモンです。きょうはよろしくお願いします。
マシロくん: よろしくお願いしまーす。千葉マシロです。

――きょうは私、石井と、そして……。

岡嶋先生: はい。岡嶋と申します。よろしくお願いいたします。

――ふたりでお話を聞いていきますね。よろしくお願いします。まず、ふたりでゲームを作ってしまったということは、つまり、プログラミングを自分たちでしたということですよね。

シモンくん: はい。

――ゲームで遊んでるだけじゃなくて、どうして自分たちでゲームを作ってしまおうってなったんですか? シモンくん、どうやって作る側にいったんでしょうか。

シモンくん: えーっと、僕が小学1年生ぐらいのころ、とてもゲームが好きで毎日毎日やっていて、ある日、夜ごはんを食べている最中に、「ゲーム会社を作りたい」とお父さんとお母さんに言って、ゲーム会社ごっこみたいなのをしてたんですよ。そしたらお父さんとお母さんに、「それならプログラミングを勉強しないとだめだね」と言われたので、学び始めました。

――ゲーム会社ごっこって、どういうことですか。

シモンくん: 「変なゲーム」っていうゲームを作っている会社の、ごっこ遊びです。変なゲームみたいなのを試しに作る、みたいなのを、年長さんのときにやっていました。
岡嶋先生: すごいですよね。ふつうゲームって、やるだけで終わっちゃうじゃないですか。それを「作ってみよう」とまず思ったのがすごいと思いますし、実際にそれを少しずつ積み上げていって作れるところまでいったというのは、ほんと、すばらしいと思います。最初に触った、ゲームを作るための環境って、どんなものだったんですか。
シモンくん: 最初はビジュアルスクリプティングだとか、スクラッチとか、ブロックを積み重ねてゲームを作るみたいなことをやったんですけど、それだともっとおもしろいゲームを作れないから……
岡嶋先生: おっ、そこで限界を感じましたか、なるほど。
シモンくん: はい。それでユニティのC#で……
岡嶋先生: いきなりユニティに?
シモンくん: ユニティがそのとき結構はやっていたから、やってみようと思ってやって、それで本格的なゲームを作り始めたんですけど、思ったこととしては、ブロックは、10本までとか、積み重ねるのに制限があるじゃないですか。
岡嶋先生: はいはい。
シモンくん: でもコードだと、1個のコードをもっと改造して、より細かい設定とかにしていくことができるなと思ってはまったので、ふたりで一緒にユニティのC#をやりました。
岡嶋先生: おお、それはすごいですね……。確かに何かものを作ろうと思ったときに、プログラミングじゃなくて建築物とかミニチュアで作ってみようかなって思ったりするときに、ブロックで何か作るのと、「素材は何でも選べるよ」っていうところから作るのとでは、作れるもののきれいさとか大きさが違ってきますもんね。
シモンくん: はい。
岡嶋先生: だからブロックじゃもの足りなくてユニティ、プロ向けみたいなやつで作ろうと思ったという。すごいですね。
シモンくん: ありがとうございます。
岡嶋先生: プログラムって、勉強していくときにいくつかハードルというか、つまずくポイントがあると思うんです。僕も始めたのは8~9歳のときだったんですけど、僕のころはまだ小学校で英語をやっていなかったから、英語で命令文を書きたいんだけど英語でつまずくとか、ボールが飛んでいくところをうまく見せたいんだけど、それって中学や高校の数学がいるなとか、やっぱり自分でどうしても勉強しなきゃなんないところがあって大変だったなっていう記憶があるんですけど、その辺はどうされました?
シモンくん: まだまだ物理や数学的要素を勉強して突き詰めていく必要があるなと思って、それでいろんな手段を探して、自分の力で難しい場面を突破するところこそが、プログラミングのおもしろいところだと思っています。
岡嶋先生: すごい意識でプログラムを書いておられますね。すごいな……。
シモンくん: いや、でも最初はそんなこと関係なく成り行きで書いてたんですけど、方程式とか大きい・小さいとか、そういうのをまだ知らなかったので、やっぱり数学的要素とか物理は突き詰めていかないとだめなんだって、今も思っています。
岡嶋先生: でも意外と楽しく勉強できたりしますよね。
シモンくん: はい。
岡嶋先生: たぶんね、数学とか物理を小学生のときにやろうと思っても、面倒くさかったりつまんなかったりすると思うんですけど、好きなゲームを作りたいと思って、そのためにどうしても必要だから、やっぱり英語の勉強いるよなとか、数学の勉強は必要だなと思うと、自分からやっていけますもんね。
シモンくん: うん。
岡嶋先生: それはすごいことだと思います。

――プログラミングは、どうやって勉強したんですか?

シモンくん: プログラミングは、コロナ禍だったこともあって、最初は大人向けのオンラインスクールや参考書をたくさん買ったり、海外の方が開設しているユーチューブ動画を見て勉強していましたね。それで独学で学んでいました。

――えっ! それを聞いてわかりましたか?

シモンくん: 海外の方が開設しているユーチューブ動画に関しては、まずそもそも英語がわからなかったので、翻訳しながら、ちまちまちまちま、やっていって、そしたらいつしか翻訳しないでもわかるようになってきて、最近は海外の方が開設しているのを見ていますね。

――弟さんのマシロくんもうなずいて聞いていますけど、シモンくんはそう言ってますけど、マシロくんは理解するのにもっと大変だったんじゃないですか?

マシロくん: いや、別に。英語は全然聞かないで、ただ画面だけ見てやってました。

――それでわかりましたか、仕組み。

マシロくん: うん。
シモンくん: 僕が大人向けのオンラインスクールとかで学んだことを、動画にしてマシロに教材として与えてたので、マシロはそれを見てやってたので、海外の方が開設している動画はすんなり見てインプットしてましたね。

――へえ~。マシロくん、お兄さんがいてよかったですね。

マシロくん: うーん……。

――マシロくんにとって、お兄さんはどんな存在ですか?

マシロくん: ちょっとけんかするときはあるけど、頼れる存在だと思います。

――ああ、そうなんですね。ふたりでゲームを作るときって、それぞれ担当していることはあるんですか? 得意な分野はそれぞれ違うとか。

シモンくん: ふたりで共同開発するときは、僕がプログラムなどコードとかを担当して、マシロは、3DCGとかのソフトを使って、キャラクターやオブジェクト、ゲーム内の素材を作ったり、背景とかのデザイン面を担当しています。

――マシロくん、キャラクター作ったり背景の映像を作ったりするの、難しくないですか?

マシロくん: 背景をリアルにする方法とか、いつも動画を見てやっています。

――ほかの動画を、参考にしているということかな?

マシロくん: はい。

――「もうこんなのできない!」っていうときは、どうしてるんですか?

マシロくん: 違うやり方で作ってみたり。あの……CGっていうのは、全くおんなじに作ることはできないんです。数とかをちゃんと見てやればできるかもしんないけど、どんな形でも作れるから、どんな方法でもおんなじものが作れるから、「違う方法でやってみても、できるかなあ」って思いながらやってます。

――岡嶋先生、奥の深さも含めて理解してる感じですね。

岡嶋先生: すごいですね。ふたりでやれてるって、やっぱり強みですよね。ちょっとうらやましいなと思います。僕がゲームのプログラムを書いたりするのがすごく好きで夢中になってたころは、まだコンピューターの性能がよくなくて、動きの激しいものとか3Dのものは、まだちょっと作れなかったんですよね。だから文字なんかを組み合わせて作るタイプの、トランプのゲームとか作ってました。

でも、だんだんコンピューターの性能が上がっていくんですよ。作れるものが増えてうれしいなと思っていたんですが、絵が必要になってきちゃったのね。僕は絵が下手だから、だんだんついていけなくなっちゃった。きれいな絵がないと、なかなかいいゲームとして認めてもらえなくなっちゃって、絵が上手な友達とかもいなかったから、何となくゲーム作りから少し離れてしまった時期があったんです。

おふたりの間で、プログラミングとかデザイナーとか分担して仕事ができているのであれば、それはすごいなと思います。意見が合わなくなってけんかになったりすること、ないですか?
シモンくん: よくありますね。「これ、ないほうがいい」「いや、あるほうがいいでしょ」って。
岡嶋先生: そうそう(笑)。クリエーターどうしのこだわりがあるからね。
シモンくん: でもそこもまあ、勉強なのかなと思います。

――おおっ……。

岡嶋先生: 人前でどんどん話をしたり自分が作ったゲームを出していくのは、怖いこともありませんか?
シモンくん: ああ。
岡嶋先生: 例えば僕の子どものころの経験だと、作ったら、人に見せたくなるじゃないですか。でもアプリストアとかなかった時期だったので、出版社さんとかに送るんですよ。「いいゲームだな」と思ってもらえるとコードが活字になって雑誌に載るという、そんな公開のしかたをしてたんです。

ある意味、出版社さん、本屋さんが間に入ってくれるから、自分のところに直接意見がきたりすることはなかったんですけど、おふたりみたいにアプリストアで公開したりすると、直接、世界の人とつながって意見がきたりするじゃないですか。「おっかないな」って思ったりすること、ないですか?
シモンくん: ありますね。自分が出したゲームにバグが生じたりしたときに、「バグがある」みたいに言われたり、あとはいろんな人に見せるってことは、世界中のみんなが遊んだり見るということだから、恥ずかしいみたいなことを思うかもしれないけど、それも経験だし、バグがあったっていう意見は、ありがたい意見だなって。それでバグがわかるじゃないですか。そこを直せばいいということで、また次も頑張ろうって思うので、そこはありがたい意見だと、いつも受け止めてます。
岡嶋先生: なるほど。小学生のうちからその境地に至っていますか! もっと自分よりさえたやり方とか教えてくれたりする人がいて、すごい勉強になりますよね。
シモンくん: うんうん。ポジティブ大事です(笑)。
岡嶋先生: そうですね、本当本当。これから、どんなゲームを作っていきたいですか? 将来の夢とか、未来のゲームをどう進化させたいかみたいなところがあったら、ぜひ教えてください。
シモンくん: 長く愛されて、世界中のみんなに楽しんでもらえる人気タイトルを作りたいです。
岡嶋先生: いいですねえ。人の記憶に残るようなゲームが作れたらいいですよね。それって、どんなタイプのゲームだと思いますか? どんなふうに進化していくと思いますか?
シモンくん: もちろんメタバースみたいな仮想世界がどんどん注目されていくと思いますが、ゲームは貧しい国や地域の子どもたちにも遊べるようになっていくといいなと思います。
岡嶋先生: そうですね。経済とかの格差を超えて、いろんな体験をいろんな人に伝えられる、そういう道具だと思うので、そのように発展していくといいと思います。ありがとうございます。

――ありがとうございます。千葉兄弟が手がけたゲーム、同世代のみんなにも体験してもらいたいなと思いました。シモンくん、マシロくん、きょうはどうもありがとうございました。

シモンくん: ありがとうございました。
マシロくん: ありがとうございました。
岡嶋先生: ありがとうございました。

【放送】
2022/04/17 子ども科学電話相談 「コンピューター・ロボット」 岡嶋裕史先生(中央大学国際情報学部教授/学部長補佐)

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