9時台を聴く
22/02/23まで

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なかむらまさはるくん(小学3年生・東京都)からの質問に、「恐竜」の小林快次先生が答えます。(司会・山本志保アナウンサー)

【出演者】
小林先生:小林快次先生(北海道大学総合博物館教授)
清水先生:清水聡司先生(大阪府営箕面公園昆虫館副館長)
成島先生:成島悦雄先生(日本動物園水族館協会専務理事)
川上先生:川上和人先生(森林総合研究所野生動物研究領域チーム長)
まさはるくん:質問者


――お名前を教えてください。

まさはるくん: まさはるです。

――まさはるくんはどんなことを聞きたいですか?

まさはるくん: ティラノサウルスは大型恐竜なのに、なぜ30年しか生きられないのですか?

――寿命が30年。それは何で調べたんですか?

まさはるくん: 図鑑です。

――そうですか。では小林先生、お願いします。

小林先生: まさはるくん、おはようございます。
まさはるくん: おはようございます。
小林先生: いまの質問の、大型恐竜「なのに」っていうのは、30年が長いのか、短いのか、まさはるくんはどっちだと思ったんだろう?
まさはるくん: 短い。
小林先生: 短いと思ってる?
まさはるくん: はい。
小林先生: じゃあ、まさはるくんは何歳くらいだったらいいかなと思ってる?
まさはるくん: うーん、60歳ぐらい?
小林先生: そうか。60歳くらいだったら、まさはるくんは「そんなもんかな」と思うのかな?
まさはるくん: はい。
小林先生: ティラノサウルスがなんで30歳だって、例えば恐竜の年齢だとかがどうやってわかるかっていうのは、知ってるかな?
まさはるくん: 知りません。
小林先生: 恐竜が例えば何歳で死んだっていうのを調べる方法があるんですけれども、それはね、骨の中に木の年輪のような線が残ってます。それを数えると、この恐竜が死んだときに何歳だったかなっていうのがわかるんだよね。ティラノサウルスの化石で、その線、成長停止線っていうんだけどそれを数えると、ティラノサウルスが28歳とか29歳とかっていうので、そのぐらいまでは生きたっていうのがわかっています。
まさはるくん: はい。
小林先生: ほかの恐竜もわかっていて、寿命というか何歳で死んだかっていうのが一応言われているんだけど、例えば竜脚類、大きい恐竜ね。四つ足で歩いていて、長い首と長い尻尾を持っていた恐竜も、40歳とか50歳ぐらい。あんなに大きくてもね。それから小さいのだとトロオドンって知ってる?
まさはるくん: はい。
小林先生: トロオドンなんかだと3歳とか5歳とかっていう研究、考え、意見もあります。これはなんか全体的に短いなと先生も思っています。結構ね、寿命って何かって考えると……まさはるくん、どうやって寿命ってわかると思う?
まさはるくん: うーん、わかりません。
小林先生: なかなか難しいよね。例えばネコの寿命は15年とかいわれるけど、どうやって寿命をはかるのか、なかなか難しいよね。恐竜なんかも、老化現象、どんどんお年寄りになっていく現象だけど、そうすると病気になりやすくなったり、けがしたり、それで死んじゃったりする危険がどんどん増えていくんだよね、やっぱり。老化していくと死ぬ確率がどんどん高くなっていって、その老化の速度、どれくらい速く年をとっていくかっていうので、寿命っていうのが決まっていくんです。
人間なんかも、いまは平均寿命が80歳とか結構高齢になってるけど、本来だったら30歳とか40歳だった可能性もあったと思うんだけど、医療が発達すると長生きできたりするんだよね。環境によって、すごく平和なところ、敵がいないところにいて食べものもたくさんあったりすれば、老化現象がもしかしたら遅くなるかもしれないし、そうすれば寿命が長くなるかもしれない。

だからティラノサウルスが30歳というのは、なぜ30年かというのは、正直、先生もわかりません。いまの研究者も「なぜ」というところまでは踏み込めなくて、難しいところなんですね。だからそこはまさはるくんの時代の研究になってくると思うんだけれども、ただ言えるのは、それだけの老化現象が速かったという可能性と、周りにプレッシャー、何か死因につながる、死ぬ原因につながる何かが環境にあったというふうに考えることはできるのかなと思います。
まさはるくん: はい。
小林先生: ところでですね、それぞれの動物で一番長生きするのは何か、先生方に聞いてみたくない? まさはるくん。
まさはるくん: 聞いてみたいです!
小林先生: 聞いてみたいよねえ。じゃあ、清水先生、お願いしてもいいですか?
清水先生: はい(笑)。こんにちはー。
まさはるくん: こんにちはー。
清水先生: よくいわれている寿命の長い昆虫だと、シロアリの女王なんかが長いですね。数十年生きます。あとは昆虫っておもしろくて、条件が悪いと幼虫時代を延ばしちゃうことがあるんです。例えば出荷された家具の中に、木を食べる虫、カミキリとかが入っていると数十年寿命が延びちゃうとか、そういうおもしろいことも起こります。
まさはるくん: はい。
小林先生: ありがとうございます! 成島先生、お願いします。
成島先生: はい。まさはるくん、小学校3年生なんだ。そうすると、「鶴は千年、亀は万年」ということば、聞いたことある?
まさはるくん: あります。
成島先生: ツルが1000年、カメは1万年生きるっていう言い伝えですけども、こんなには長生きしないよね。
まさはるくん: はい。
成島先生: ツルもカメもきっと長生きするだろうということを思って言ってるんだけれども、実際はツルだとね、これは川上先生のほうが詳しいですけれど、たぶん50歳とか60歳ぐらいだと思うんだ。カメだと、ガラパゴスゾウガメとかアルダブラゾウガメとかいう大きなカメがいるんですけれども、100歳以上生きた記録がありますね。哺乳類でいうと、体の大きなゾウがだいたい60年から70年ぐらい、人間と同じぐらいの寿命を生きているようですよ。
まさはるくん: はい。
小林先生: ありがとうございます! では川上先生、鳥についてお願いします。
川上先生: はい、どうもこんにちは、川上でーす。
まさはるくん: こんにちはー。
川上先生: 野生の鳥でいまのところ一番長く生きていることがわかっているのはコアホウドリで、なんと70年、70歳まで野生で生きていることがわかっています。ただね、すべてがそこまでいくわけではなくて、日本にいるコアホウドリだと30年ぐらいまで生きることはわかっているんだけれども、途中で死んじゃう個体が多いんですね。

鳥は飼育しているととても長生きすることがわかっていて、いい環境にいると例えば小鳥でも10年以上生きたりするんだけれども、野外だと3年から5年で死んじゃうので、やっぱり野生の世界は厳しいんですよね。あったかくて食べものがたくさんあるところだと長生きするということがよくあります。だから、小林先生、ティラノサウルスも、もしかして飼育したら70年ぐらい生きるかもしれないですよね(笑)。
小林先生: いやあ、もう、3けた、いってたんじゃないですかねえ(笑)。ありがとうございました。
まさはるくんね、この寿命って結構おもしろいテーマだから、もうちょっといろんなものを調べてみて、「大きいのに」っていうところもおもしろい視点だから、体の大きさと寿命にどういう関係があるのかなとか、どういう環境だったら長生きするのかななんて調べてみるとおもしろいと思うよ、先生。どうだろう。
まさはるくん: わかりました。
小林先生: はい。

――まさはるくん、これから恐竜の研究、してみたいですか? 寿命の研究してみたいですか?

まさはるくん: やりたいです。

――おっ、よかったワ! これからまた疑問に思うことがあったら質問寄せてくださいね。ありがとうございました。

まさはるくん: ありがとうございました。
小林先生: ありがとう!

――さよなら~。

まさはるくん: さよなら~。
小林先生: さよなら~。

【放送】
2021/12/29 子ども科学電話相談 「恐竜」 小林快次先生(北海道大学総合博物館教授)

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