午後5時台を聴く
23/08/06まで

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毎週土日の夕方に、“世界の今”を現地で暮らす人ならではの目線でお伝えしている双方向番組「ちきゅうラジオ」。世界中の人々と電話をつなぐ「ちきゅうメイト」のコーナーでは、バリ島にお住まいの湖尻めぐみさんと電話をつないで、この時期にバリで揚げられる大きなたこについて伺いました!

【出演者】
湖尻:湖尻めぐみさん(ホテル営業職)
TOBI:レ・ロマネスクTOBIさん(日曜担当MC)
中村:中村慶子アナウンサー


中村:
日本では夏休みシーズンですが、最近のバリの様子はいかがですか?

湖尻:
観光客は完全に復活してきていて、2019年と今年の6月の比較データで、もう93%くらいは戻ってきているようです。いまバリにいらっしゃっている国別ツーリストのトップ5は、オーストラリア、インド、シンガポール、アメリカ、中国だそうですね。日本はやや他の国と比べて戻りが遅く、現在17位とのことです。ただ、最近手続きが緩和されたこともありますし、これからはもう少し多くの日本人の方にお越しいただけるのではないかと思っています。

TOBI:
バリに行きたくなってきました! さて、湖尻さん、今日はこの時期にバリでたこ揚げの話題なんですよね?

湖尻:
はい、バリの夏の風物詩「ラヤンラヤン」、バリのたこ揚げについてです。
この時期はオーストラリアからの季節風が強まる影響で、海辺には強い風が吹きます。この風を利用して、バリの人たちがたこ揚げを楽しんでいるのを見ることができます。

中村:
しかも、大きいたこをあげるんですよね?

湖尻:
普通の日本で見かけるような、子どもがあげている30センチほどのものもあれば、10メートルもあるようなものもあります。チームになって大きなたこをみんなで揚げるのが競技にもなっていて、男性を中心に広く大人にも人気があります。遠くの空に浮いているたこを見て、観光客に「あれはなんだ!?」と聞かれることもよくあります。

TOBI:
日本で、たこ揚げは子どもの成長を占うっていう意味もあると聞いたことがあります。僕が子どものころ揚げたら、地をはうようになってがっかりしたことがありました(笑)。
バリではどんな由来があるんですか?

湖尻:
私の聞いたところだと、バリのたこ揚げには豊作を祈る意味合いがあるそうです。昔は、稲刈りが終わった後のたんぼでたこ揚げをしたそうです。人が通って田んぼを踏むことで土壌が強くなり、また次の豊じょうを願うという意味もあったと、会場で聞きました。

中村:
こういったたこは、この時期バリに行けば見られるものですか?

湖尻:
特にビーチ周辺で空を見上げると、すぐに見つけることができます。大きいものは6畳間ぐらいあって、一度揚げると大きな木に綱をくくり付けて揚げっぱなしなので、たこが風を受けてはためくパタパタという音が聞こえたりもします。各地でたこ揚げの大会も行われているんですよ。

TOBI:
どんな様子なんでしょうか?

湖尻:
大会は本当に小さな村単位のものから、バリ中から人が集まってきて大渋滞が起こるくらい大きな規模のものまで、いろいろあります。先週7月23日に、バリ島南部のジンバランで行われた「メネガ・カイトフェスティバル」を見に行ってきました。

中村:
大会の時の音を録音していただいたので、ちょっと聞いてみましょう。

♪♪バリのたこ揚げの音

中村:
ガムランの応援の音に大会のアナウンスがありますね。なんと言っているんですか?

湖尻:
大会が始まったところですね。この大会のシンボルであるたこが揚げられたタイミングで、「このたこを揚げるとともに、本大会を開催します」というようなことを言っていますね。この大会はバリの中では決して大きなものではないんですが、朝10時から夕方の5時半まで、525組のチームが参加していました。

TOBI:
それほど大きな大会でないのに、525組ですか! すごい人気ですね!

湖尻:
大きな大会だと、バリの道路が混雑するというのも想像できるかと思います。
メネガ・カイトフェスティバルではだいたい5~6種のたこの種類があり、それをカテゴリーごとに分けて、飛び方の優劣を競います。プラスチックを使うか布を使うか、などでカテゴリーが分かれているんです。

中村:
飛び方の優劣というのは?

湖尻:
早く一番高いところまで揚げられたたこや、飛び方が安定しているものなどを、あちこちにいる審査員が審査していました。

TOBI:
バリでたこ揚げがこれほど人気だとは思いませんでした。

湖尻:
バリの行事は厳かなものも多いのですが、たこに関しては本当にみんな好きでやっているという感じで、楽しんでいる様子がよく伝わってきました。カイトフェスティバルは、新型コロナの影響でこれまでできていなかったのが、3年ぶりの開催だそうです。

中村:
大会に参加するのは難しいでしょうが、観光客がラヤンラヤンを体験することは可能なのでしょうか?

湖尻:
チームで事前登録が必要なので体験は難しいと思いますが、7月から8月にバリに来て海辺で空を見上げれば、きっと見られるでしょう。この時期になると毎週のようにたこ揚げのイベントがありますので、興味を持った方はぜひ調べて、見に行ってみてください。

TOBI:
でも、夏のバリって暑そうですね。

湖尻:
暑い時期に暑い場所に行くのはもったいない、などという声を聞きますが、夏こそバリはおすすめです! 今日の東京は何度でしょうか? いま、バリ島はだいたい26~27度くらいです。6~9月くらいはバリ島の乾季に当たります。1年で一番涼しく、湿気もあまりないので、実はバリ島の夏はとても過ごしやすい季節なんです。現地の方は寒い寒いと言っていますよ。日本人的には寒いは言い過ぎですが、過ごしやすいです。

中村:
この時間は、インドネシア・バリの湖尻めぐみさんにお話を伺いました! 湖尻さん、ありがとうございました!

湖尻:
ありがとうございました。


【放送】
2023/07/30 「ちきゅうラジオ」

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