午後6時台を聴く
23/08/05まで

午後6時台を聴く
23/08/05まで

毎週土日の夕方に、“世界の今”を現地で暮らす人ならではの目線でお伝えしている双方向番組「ちきゅうラジオ」。世界中の人々と電話をつないで海外のホットな話題をピックアップする「ちきゅうメイト」のコーナーでは、冬のサンパウロで盛り上がっているというビーチスポーツのお話をブラジル・サンパウロ在住の仁尾帯刀(にお・たてわき)さんに伺いました。

【出演者】
仁尾:仁尾帯刀さん(フォトグラファー、サンパウロ在住)
ローズ:當間ローズさん(土曜担当MC)
中村:中村慶子アナウンサー


中村:
仁尾さん、ビーチスポーツといっても、今、ブラジルは冬ですよね?

仁尾:
日本は夏のまっさかりだと思いますが、ブラジルは現在冬で、サンパウロの今朝の気温は15℃ですね。今日はサンパウロ市で冬でも人気のビーチスポーツの話題を紹介します。

ローズ:
仁尾さん、サンパウロ市で人気のビーチスポーツといっても、僕の出身のサンパウロ州サントスは海に面してますが、サンパウロ市は内陸なので海もビーチもないですよね?

仁尾:
そうですね、サントスからサンパウロは車で1時間ほどの距離ですが、標高およそ750mに位置するサンパウロ市に当然ビーチはありません。そこで、サッカースタジアムの前に砂を敷き詰めて人工のビーチを作っちゃったんです。その人工のビーチを使って7月の冬休みの1ヶ月、ビーチスポーツイベント「プライア・デ・パウリスタ」が行われています。

中村:
冬のサッカースタジアムの前にわざわざ砂を敷き詰めてビーチを作っちゃった。そこまでして行われるスポーツイベントはどんなものなのか、詳しく教えてください。

仁尾:
もともと、ブラジルでは砂浜で楽しむビーチスポーツが人気です。競技の種類はオリンピック競技にもなっているビーチバレーのほか、フットバレー、ビーチテニス、フレスコボールなどさまざまあるんですが、中でもフットバレーとフレスコボールはリオデジャネイロ発祥のスポーツで人気が高いんです。

中村:
フットバレーとフレスコボール、どんなもの?

仁尾:
フットバレーは、いわばバレーボールを手を使わずに足や頭、胸、肩などで行う難易度のかなり高いスポーツです。1960年代にリオデジャネイロのコパカバーナビーチで生まれたスポーツで、2対2の計4人で行うことが多いです。
それからフレスコボールは、ネットのない木製のラケットでゴム製のボールを弾きあう競技で、テニスのように相手が打ち返しにくい場所にボールを打ち込むのではなく、1対1のペアがラリー回数やテクニックを競うものです。競技となってはいますが、海辺の娯楽といったものです。
ローズさんは、フットバレーかフレスコボールをやったことはありますか?

ローズ:
やったことはあるんですが、どちらもめちゃくちゃ下手です。どちらもラリーを続けないと楽しめないんですけど、僕はラリーが続いたことないですね。

中村:
仁尾さんが撮影したサンパウロ市内の特設会場とフットバレーの写真ですが、本当に街の中に作られているんですね!

ローズ:
しかもフットバレーをやっている皆さん、冬なのにしっかり水着なんですね。

仁尾:
ビーチスポーツなので、水着でのぞむのが流儀ですね。もちろん足元ははだしです。

中村:
でも冬ですよね? 寒くないんですか!?

仁尾:
冬といっても今年は暖冬で、日中は20℃ぐらいになるんですよね。かなりハードなスポーツなので、猛暑の日本でやるよりは快適かもしれませんね。

ローズ:
仁尾さん、この特設会場ではフットバレーと、ほかに何が行われているんですか?

仁尾:
サッカースタジアムの車寄せのスペースに作られた特設会場では、フットバレーとビーチテニスが行われています。このイベントはサンパウロ市のスポーツ振興の企画のひとつなんですが、選手による試合が行われているほかに、各競技の1回1時間半のレッスンや事前予約制でコートの無料での貸し出しが行われています。

中村:
日本ですとあまり聞かない競技なんですけれども、ブラジルではメジャーなんですね。

仁尾:
そもそも海辺の町で人気でしたが、屋外の競技であることと、1チームの人数が少ないことなどから人の密な接触が慎まれたパンデミックを機に人気が急上昇したそうです。パンデミック前と比較すると、競技の人口はビーチテニスが1.75倍、フットバレーは2.5倍増加したと、それぞれの連盟が発表しています。

ローズ:
そんなに増えたんですか! わざわざ砂まで敷いてコートを作るってすごいですね。今、ビーチスポーツはサンパウロの人たちにとってはどんな存在になっているんですか?

仁尾:
ビーチスポーツを楽しむ人が増えたことで、海のないサンパウロ市では、各地の住宅街やビル街のはざまにある、いわば“箱庭ビーチ”でスポーツのレッスンを営むビジネスが増加して人気を博しています。砂浜を社交やレジャーの場として好むブラジル人は多いですから、こうしたビーチスポーツがさらに普及するのは納得できます。

中村:
ローズさん、ブラジルの方ってそんなにビーチが好きなんですか?

ローズ:
大好きですよ。昼間から皆さんビーチで日焼けしたり、ココナッツ飲んだりしますね。定年退職して海辺の近くに住むのがひとつのステイタスでもあるんです。皆さん、ビーチの近くに移動してフットボールとかフットバレーとかやっていますよ。

中村:
ローズさんもビーチは好き?

ローズ:
僕も大好きですよ、前世は熱帯魚なんで。小さい頃はビーチのそばに住んでいたので、毎朝おばあちゃんと一緒に海に行って、ちょっと遊んで帰ったりしていました。

中村:
今回のビーチスポーツの話題、仁尾さんの感想は?

仁尾:
サンパウロの冬は、日中には20℃程度まで気温が上がるとはいえ、上半身裸はやはり寒いですよ。砂浜といえば、水平線を見ながらまったりとビールを飲むほうが断然好きですね。

中村:
仁尾さん、どうもありがとうございました!


【放送】
2023/07/29 「ちきゅうラジオ」

午後6時台を聴く
23/08/05まで

午後6時台を聴く
23/08/05まで