午後6時台を聴く
23/07/23まで

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毎週土日の夕方に、“世界の今”を現地で暮らす人ならではの目線でお伝えしている双方向番組「ちきゅうラジオ」。世界中の人々と電話をつなぐ「ちきゅうメイト」のコーナーでは、JICAドミニカ共和国事務所の坂口幸太さんに「盆踊り」を通じた、ちょっと変わった文化交流について伺いました!

【出演者】
坂口:坂口幸太さん(JICAドミニカ共和国 事務所長)
TOBI:レ・ロマネスクTOBIさん(日曜担当MC)
中村:中村慶子アナウンサー


中村:
坂口さん、今日はよろしくお願いします!

坂口:
Ola! Buenos días! 坂口です。よろしくお願いします。

TOBI:
オープニングから気になっていました! 「世界の音楽と盆踊りがマッチング」ですよね。

中村:
気になりますよね。坂口さんは学生時代から音楽活動をされていて、今それを生かしてこの活動をしているんですよね?

坂口:
そうなんです。同僚とカリブ地域の開発に日々取り組むかたわら、世界各地の音楽と日本の盆踊りを掛け合わせる作品をつくっています。音楽やリズムに触れ、世界の国や文化に興味を持ってもらえたらと思い、活動を始めました。音楽と踊りの力はすごいもので、一緒に踊ることで各地の人たちがひとつになる瞬間が見られたりするんですよね!

中村:
今まで何曲が完成していますか?

坂口:
今のところ、完成したのは4曲です。最初は2019年9月にお披露目した「Bon For Africa」。そして2022年にはジャマイカ建国60周年をお祝いするためにジャマイカのレゲエと盆踊りを合わせた「レゲエボンボン」、今年に入ってメキシコのマリアッチと盆踊りを合わせた「メヒコボンボン」も作り、今月動画も公開しました!

TOBI:
本当に世界各地の音楽と合わさっているんですね。

中村:
順番に音楽も聴きながら、その時の様子を聞かせてください。まずは、よく知られるあの名曲をアフリカンドラムをアクセントにしてリミックスされた曲をどうぞ!

♪「川の流れのように(Bon For Africa ver.)」

中村:
これは…美空ひばりさんの名曲ですね!? アフリカンドラムが入っていて…合いますね。
タイトルは「川の流れのように(Bon For Africa ver.)」です。

坂口:
はい、美空ひばりさんの名曲をアフリカのテイストを入れてリミックスしていただいた曲です。

中村:
これはどんなタイミングで制作されたのでしょうか?

坂口:
はい、こちら2019年の第7回アフリカ開発会議(TICAD7)のために制作をしたものです。3年に1回、日本の皆様がアフリカについて見て、知って、考えるという大切な機会であるTICADとあわせて、プレゼンテーションを聞いてもらうだけでなく、老若男女問わず幅広い層の皆様にアフリカへの関心を持っていただきたい、という気持ちでプロジェクトに参加しました。日本舞踊家の孝藤右近さんと知り合ったのがきっかけで、TRFのDJ KOOさんにもご参加いただきました。

中村:
日本舞踊家の方が参加しているということは、もちろん振り付けも?

坂口:
このプロジェクトでは、右近さんには必ず盆踊りの振り付けを考えてもらっています。右近さんに日本の心、そして各地にゆかりがあるアーティストによってその土地の魂を入れてもらうのが、このプロジェクトのポイントになっています。各地ゆかりのアーティストは、自国の文化の継承者として日本を拠点に活動し、日本を愛し、理解している方々です。そうした皆さんの協力があって成立しているプロジェクトですね。

TOBI:
お披露目はどんなイベントだったのでしょうか。

坂口:
TICADの前夜祭として横浜のみなとみらいの野外にやぐらを建て、数千人の方々にご参集いただき披露することができました。アフリカから横浜にいらっしゃったJICAの研修員数十人にも浴衣を着ていただき、一緒に踊りました。まさに日本とアフリカが一つになる、という感覚を味わうことができ、文化の融合のすばらしさを体感しました。

中村:
「Bon for Africa」での成功があって、次の「レゲエボンボン」に繋がるんですね。

坂口:
実はもともとの構想では、レゲエの超有名曲・ボブマーリーの「ワンラブ」を盆踊りにしちゃおう! というアイデアで進めようと考えていたんですが! 著作権使用料が膨大な金額でして…。それなら自分たちでオリジナルのコンテンツを作っちゃおう、ということで完成しました。

中村:
オリジナル曲なんですね! それでは「レゲエボンボン」、聞いてください!

♪「レゲエボンボン(Reggae Bon Bon)」

中村:
すごい! レゲエだけど盆踊りですね!
レゲエ感もとても伝わってきますが、盆踊りにするために工夫した点ってどんなところですか?

坂口:
盆踊りは太鼓の四つ刻みで踊るんですね ドンドンドン タカラッカ みたいな感じで。この四つ刻みを崩さないように工夫がしてあります。あと実は、ギターのフレーズも和っぽい雰囲気のものを入れてもらったりしていて、「♪♪」みたいな。

中村:
このオリジナル曲は、どんなふうに出来上がったんでしょうか?

坂口:
私がアコースティックギター1本で作った曲に、ジャマイカ出身のレゲエ音楽の継承者であるマカラフィンさん、ギタリストの中江川力也さん、横浜のレゲエシンガーANSAさんがレゲエの魂を注入してくれ、1回のセッションで2つのすてきな曲が生まれました。そのうちの1曲が、先ほどかけていただいた「レゲエボンボン」です。

中村:
こうした取り組みで、音楽の力を感じられた瞬間はありますか?

坂口:
音楽とは本当に魔法みたいなもので、振り付けと音楽があると日本人もジャマイカ人も盆踊りを踊れてしまうんですよね。「レゲエボンボン」のミュージックビデオは横浜のある幼稚園で撮影していて、子どもたちとジャマイカの方々と一緒に浴衣を着て笑顔で踊っているところを見られて。「ああ、ここに平和があるんだな」と感じたんですよね。

中村:
今後のプロジェクトはいかがでしょうか?

坂口:
実は、メキシコのマリアッチという音楽と盆踊りをマッチングした 「メヒコボンボン」のミュージックビデオが先日完成しました。こちらの曲も、アコースティックギター1本で私が作った曲に、メキシコ、日本のすばらしいアーティストに音を重ねていただき、ワンセッションで生まれた曲です。

中村:
それでは聞いてみましょう! 「メヒコボンボン」をどうぞ。

♪「メヒコボンボン(Mexico Bon Bon)」

坂口:
実はもっとたくさん誕生する予定です。
今、私のいるドミニ共和国ではパロ、バチャータ、メレンゲという3つの特徴的な音楽で作品を作る計画で、プロジェクトは今月動き出しました。また、中米のニカラグアでも「ニカボンボン」の構想があります。

中村:
今後も楽しみにしています!

TOBI:
私もぜひ一緒にやりたいです! 坂口さんぜひ作りましょう!

坂口:
(笑)。いいですね!
いつか、World Bon Bonのイベントを開催して、本気で平和の輪を広げていこう、という話を孝藤右近さんやプロジェクトの仲間としております。世界で共感してくださる方々がいらっしゃれば、今後もこのような活動を広げていきたいと思います。

中村:
この時間は、JICAドミニカ共和国事務所長の坂口幸太さんにお話を伺いました!
坂口さん、ありがとうございました!

坂口:
ありがとうございました。

中村:
今日の「ちきゅうメイト」は、「世界の音楽で盆踊り」という話題をお伝えしました。

  •  ★ 放送では、坂口さんのプロジェクトから「川の流れのように(Bon For Africa ver.)」「レゲエボンボン」、「メヒコボンボン」の3曲を紹介しました。らじる★らじるの聴き逃しでは、放送後1週間、何度でもお聴きいただけます。どんな音楽なのか、ぜひお楽しみください!

【放送】
2023/07/16 「ちきゅうラジオ」

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23/07/23まで

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