作曲家・渡辺宙明スペシャル

22/09/16まで

ごごカフェ

放送日:2022/09/09

#音楽#うた♪#アニソン

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今年6月に96歳で亡くなった作曲家の渡辺宙明さん。『マジンガーZ』や『秘密戦隊ゴレンジャー』など、アニメや特撮作品の音楽を数多く手がけました。今回は、娯楽映画研究家の佐藤利明さんと、お笑いコンビ、オジンオズボーンの篠宮暁さんに、宙明サウンドの魅力ついて語っていただきました。(聞き手:柘植恵水パーソナリティー)

渡辺宙明・・・1925年(大正14年)愛知県出身。東京大学文学部心理学科卒。東大在学中より團伊玖磨に、大学院在籍中より諸井三郎に師事。1953年、作曲家としてデビュー。アニメから特撮ヒーロー物まで、数多くの作品で作曲を担当。映画やドラマ、CM音楽も手掛け、幅広いジャンルで活躍。2022年6月23日、老衰による心不全のため東京都渋谷区の病院で死去。(96歳)

【出演者】
佐藤利明さん(娯楽映画研究家)
1963年、東京都出身。娯楽映画をテーマに、キャストへのインタビュー、新聞連載、DVDの企画・解説など、マルチに活躍中。

篠宮暁さん(芸人)
1983年、京都府出身。漫才コンビ、オジンオズボーンのネタ作り&ボケ担当。大の特撮の好きで、特撮に関するコラムの執筆などでも活躍中。

宙明サウンドの魅力

――佐藤さん、渡辺宙明さんの音楽の魅力は何だと思いますか?

佐藤: 常に音楽のことを学び、新しいことを取り入れることに貪欲で、生涯現役を貫いたことですね。宙明先生の登場は、後のアニメ主題歌などに変化をもたらしましたね。影響は大きかったですね。

――それ以前のアニメ音楽はどのようなものだったのですか?

佐藤: 例えば『鉄腕アトム』の主題歌のように、それまでは合唱系(童謡、唱歌)の主題歌が多かったんです。宙明先生は、そこにブラスロックや電子楽器など、新しい要素を取り込み、大きく変化させたんです。
篠宮: 口ずさむと大抵が宙明先生の楽曲ですよね。

――佐藤さんが特に印象に残っている曲は何ですか?

佐藤: 1972年の『人造人間キカイダー』の曲が印象深いですね。
篠宮: 僕の生まれる前の作品ですが、特撮好きとしてもちろん観ていますよ。キカイダーを簡単に紹介すると、原作は仮面ライダーの生みの親である石ノ森章太郎さん。人造人間のキカイダーは、正義の心である「良心回路」が取り付けられるはずが、不完全なものが取り付けられていて、結果的に人間と同じように善と悪の間で苦悩することになるんです。変身後のデザインが、赤と青の左右非対称なデザインなのは、善と悪の心があることを表しているんです。
佐藤: 心にある善と悪を描くなど、単純な勧善懲悪のスタイルを取らず、メッセージ性のある物語であるところが石ノ森作品の特徴であり、魅力ですよね。

――どうして佐藤さんはこの曲が印象に残っているのですか?

佐藤: 印象的なイントロ、熱い叫びのヴォーカル。ギター、ベース、ドラム、ピアノによるリズムセクション。そこにストリングス(弦楽器)を重ねて、管楽器やティンパニでテンションを上げていく。そしてシンセサイザーによる効果音。ロックでありながらアニメ・ロックともいうべきオリジナルのジャンルですね。当時の子ども達が最初に出会うロックは渡辺宙明作品だったのではないでしょうか。
篠宮: 佐藤さんがおっしゃるように、ロック調で熱い音楽であるのが魅力ですよね。宙明先生は、最新の電子楽器を取り入れ、常に新しいことにチャレンジして、それまでの常識を破っているんですよね。でも宙明サウンドは失われていないところがすごいですよね。

――篠宮さんがオススメする渡辺宙明作品をご紹介ください。

篠宮: 1982年に放送された『宇宙刑事ギャバン』の串田アキラさんが歌うオープニング曲ですね。編曲は馬飼野康二さんが担当されていて、ブラス感が強く、イントロや歌の合間に琵琶の音が入るのも特徴です。
佐藤: 歌詞もすごくロックなんですよ。

宙明サウンドの特徴

佐藤: 宙明サウンドの特徴はスキャットです。『秘密戦隊ゴレンジャー』のスキャットの使い方など、インパクトやかっこよさを重視していて一度聴くと耳に残りますよね。

――バンバラバンバンバン♪ですね。私も歌っていました。

佐藤: 『秘密戦隊ゴレンジャー』は1975年に放送されたスーパー戦隊シリーズの第1作で、単体のヒーローではなく5人の戦隊で戦います。
篠宮: 5人編成というのは、歌舞伎の「白浪五人男」が元になっているんですよ。
佐藤: スキャットは、ふつう歌詞と歌詞との間で使うことが多いのですが、宙明先生は、曲全編でスキャットを使いました。その代表曲が1977年に放送されたアニメ『野球狂の詩』です。1960年代後半に、男女混声合唱グループ、スウィングル・シンガーズがバッハの曲をスキャットで歌っていて、この手法を取り入れることを思いついたそうです。
篠宮: スキャットだけで堀江美都子さんの魅力が伝わりますよね。
佐藤: 高揚感をもたらす音階も宙明サウンドの特徴です。ヒーローや主役を奮い立たせ、物語を盛り上げ、作品や登場人物を印象づける要素の1つになっています。

生涯現役

――96歳でお亡くなりになるまで現役を貫き通したそうですね?

篠宮: 今年2月まで放送されていた『機界戦隊ゼンカイジャー』の音楽も担当されていました。
佐藤: ささきいさおさんと堀江美都子さんが歌う主題歌は、往年のファンを熱くさせましたね。
篠宮: 主題歌だけでなく作品全体の音楽を担当されたんですよ。

――生涯現役で活躍できたのはどうしてだと思いますか?

佐藤: クラシック音楽を学んでデビューした後に、ジャズ理論や、当時最先端だったシンセサイザーなどの楽器を学ぶなど、新しいサウンドへの追求を続けていたのが大きいと思います。また、幼いころに宙明サウンドと出会ったクリエイターたちのリスペクトに支えられながら、後輩を育てる気持ちで、常に新しい仕事をされていたことも生涯現役につながったのだと思います。
篠宮: 音楽に対するこだわりが強く、レコード会社から予算が下りなくても、自費で補って録っていたそうです。良いものを送り出すためにはお金や労力も惜しまない。そういう姿勢も大きかったのではないでしょうか。
佐藤: いつの時代にも、どの世代にもストレートに「知恵と力と勇気」を与えてくれる宙明サウンドは、単なるアニメや特撮の主題歌、音楽ではなく、クラシック、ジャズ、ロックのような音楽のジャンルになったと思っています。
篠宮: 元気のない時に聴けば必ず元気になれます。AIでも宙明先生のメロディーはまねできないでしょう。情熱で作り上げている唯一無二のサウンドなんです。

  • 番組で紹介した楽曲は、1週間聴くことができる「聴き逃し」でお楽しみいただけます。

「ゴー・ゴー・キカイダー」(秀夕木、コロムビアゆりかご会)
「宇宙刑事ギャバン」(串田アキラ)
「秘密戦隊ゴレンジャー」(ささきいさお)
「野球狂の詩」(堀江美都子)
「駆けろ!スパイダーマン」(ヒデ夕樹)
「全界合体!ジュラガオーン」(ささきいさお 堀江美都子)
「忍者部隊月光の歌」(デューク・エイセス)
「時空戦士スピルバン」(水木一郎)


【放送】
2022/09/09 「ごごカフェ」

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