バルーンアートで世界を変える

22/11/23まで

ごごカフェ

放送日:2022/11/16

#アート#ワールド

14時台を聴く
22/11/23まで

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風船を組み合わせたりつなげたりしてさまざまな形を生み出すバルーンアート。アメリカのバルーンアート大会「ドレス部門」で優勝した神宮エミさんに、バルーンアートの魅力についてうかがいました。(聞き手:武内陶子パーソナリティー)

【出演者】
神宮エミさん(バルーンアーティスト)


<プロフィール>
1985年、北海道生出身。子どもたちを対象にした劇団員として活動を続ける中、バルーンアートに出会い、2013年にバルーンアーティストとして独立。2018年、全米のバルーンアートのコンテスト「バルーンドレス部門」で優勝を果たす。


――これが優勝したドレスですね。

神宮: 透明なバルーンの中を水色のアクリル絵の具で着色し、ガラスのアクセサリーと組み合わせて「水」を表現しました。細長いバルーンを何度もねじって編み込みました。モデルさんのサイズを測った完全オーダーメイドなんですよ。最低限のものは着ていますが、まるで風船だけを着ているように見せています。

――1着にどのくらいの風船を使うのですか?

神宮: ドレス1着で500本くらいの風船を膨らませます。

――翌日にはしぼんじゃう風船ですが、どのような対策をしているのですか?

神宮: 風船の中に木工用の接着剤を入れて内側に膜を作り、空気が抜けるのを遅らせています。同様にアクリル絵の具を入れて、空気抜けを防いで色を付けることもしています。それでも持って3日くらいですね。

バルーンアートとの出会い

神宮: 土日のアルバイトとして「住宅展示場でのバルーンアート製作」に応募したのがきっかけですね。

――すぐにできるものですか?

神宮: 「プードル」や「剣」「お花」はすぐに作ることができました。風船は天然素材で体温でも劣化しやすいので、パパッとねじっていくのがうまく作るコツなんですよ。

――2013年にはバルーンアーティストとして独立するんですよね。

神宮: 何もないところから形を生み出し、それを手渡しした時の子どものたちの笑顔が忘れられなかったんです。アルバイトの翌年からバルーンアーティストを名乗るようになりました。そして、技術的な進歩を目指して各地で行われるバルーンのコンベンションにも参加しました。そこでバルーンドレスを作っている人に出会い、その美しさに感動し、私もドレスづくりに挑戦しました。

――そのころに作ったドレスはとてもポップですね。

神宮: お菓子をテーマにした大会だったので、ジェリービーンズを意識して作りました。

アメリカへの挑戦

――バルーンアートに出会って3年、国内のコンテストで優勝され、その後、全米の大会にも出場をされました。そのときはどのようなもので出品されたのですか?

神宮: 2015年に出場しました。当初はバルーンでいろいろな作品を作りたかったので、「オブジェ部門」「コスチューム部門」「パフォーマンス部門」など、複数の部門にエントリーしました。

――コンテスト以外でもチャレンジをされたそうですね。

神宮: バルーンショーである程度の資金ができので、ニューヨークで個展をしました。そのプロモーションのために地下鉄の車内でインスタレーションも行いました。

――ニューヨーカーもびっくりしたのでは?

神宮: 地下鉄で偶然見てくださった人から仕事の依頼も受けました。“とにかくまず動く!”ということを学びました。3年後には「パリコレ」に出品したいですね。

病気から学んだこと

神宮: バルーンと付き合い始めて丸10年。本格的に活躍していた、2020年ごろから手のしびれが続くようになったんです。最初はけんしょう炎かと思っていたのですが、診断してもらったら脳梗塞でした。さらに精密検査をしたところ「もやもや病」からの脳梗塞と判明したんです。「もやもや病」とは、脳内の血管が細くなってしまい、それを補おうと、さらに細かい血管が作られ、それが煙のように「もやもや」と見えることから「もやもや病」と言われるそうです。2回の手術を受け、手のしびれや、目がチカチカすることはなくなりました。

――病気の経験から、新たなコンセプトの作品が生まれたそうですね。

神宮: ひとつは、まさに『もやもや病』というタイトルの作品です。脳の血管をイメージし、赤を基調にしたもので、自分も作品の一部としてその中に入っています。「もやもや病」で苦しむ人はもちろん、さまざまな事情で病んでしまっている人の助けになりたいと思い作りました。

神宮: これは100歳になった祖母の人生をテーマにした『おばあちゃんドーム』です。さまざまな色のバルーンでドームを作り、その中心におばあちゃんがいます。

バルーンアートで新たな活動

神宮: 病院で過ごす子どもたちにバルーンアートを贈るプロジェクトを始めています。ルカくん、エマちゃんと名づけた人形や、さまざまなバルーン作品を全国の小児病棟に贈っています。今日は、ルカくんを連れてきました。

――バルーンアーティストになった原点も子どもたちでしたよね。

神宮: 子どもたちは、私の中でキーポイントです。

――これからの夢は?

神宮: これからもたくさんの「ワクワク」を発信してきます。

――いろいろなものをバルーンに詰め込んで、みんなを幸せにしてください。ありがとうございました。

  • 神宮さんが出題された「バルーンの素材クイズ」は、1週間聴くことができる「聴き逃し」でチャレンジしてください。

【放送】
2022/11/16 「ごごカフェ」

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