「おもしろい」を見つけるヒント!

23/09/20まで
ごごカフェ
放送日:2023/09/13
#インタビュー#絵本#ライフスタイル
午後2時台を聴く
23/09/20まで
絵本作家の鈴木のりたけさんは、何気ないふだんの生活からおもしろいことを次々に見つけて作品にしてきました。そんな鈴木さんに、おもしろいことを見つけるヒントなどをうかがいました。(聞き手:武内陶子パーソナリティー)
【出演者】
鈴木のりたけさん(絵本作家)
<プロフィール>
1975年、静岡県出身。一橋大学を卒業後、鉄道会社に就職し新幹線の運転士に。その後、グラフィックデザイナーを経て、2008年、絵本作家とてデビュー。その後、多くの作品を発表。2022年に刊行した『大ピンチずかん』は、絵本児童書ジャンルで8つの賞を受賞。
――子どもが出会うさまざまなピンチが描かれた『大ピンチずかん』を読ませていただきました。この作品のアイデアはどこから?
鈴木:
私の息子が、牛乳をテーブルの上にこぼして、そのままフリーズしてしまったんです。その固まってしまった姿がおもしろかったんです。
――牛乳をこぼした息子さんはどうされました?
鈴木:
牛乳を拭くために息子が持ってきたのはティッシュ1枚でした。半径60~70センチの白い水たまりに、ふとんのようにかけたんですけど、足りませんよね。そしたら、おもしろく思えてきちゃって。子どもたちがやることって、初体験のことばかりなので、うまくいかないことが当たり前。こうやるとうまくいくんだよという答えを提示しないで、答えはどこかにあるだろうけど、いつか自分で出会えるといいね、という気持ちで見守ると答えが見つけられない子どもがいとおしくなるんです。
鈴木家の遊び
鈴木:
新聞の一面の中で、どの「ひらがな」が多く使われているか、子どもたちと調査をしたことがあるんです。数えるのが大変で、3日くらいかかりました。
――結果はどうでしたか?
鈴木:
全く使われてない「ひらがな」があったんです。それは「ぬ」でした。だから、なんだと言われれば、それまでなんですが、なぜ「ぬ」がないのか? それなら日常でなるべく「ぬ」を使うようにしよう! と家族の一体感が生まれたんです。いまだに「あの時、ぬがなかったよね」と話題になりますが、二度とやりたくないですね(笑)。
――何気ないことでもすごく楽しそうですね。他には、どんな遊びをされているんですか?
鈴木:
いろいろな動物の名前を書いたカードで遊んでいます。例えば「オガサワラオオコウモリ」という動物なら、「オガ」「サワラ」「オオコウ」「モリ」と4枚のカードを作ります。そういう動物の名前を区切ったカードをいくつも作って、いろいろと組み合わせて、変な名前の動物を作り出すんです。
――これは誰がやってもおもしろいですね。みんなで作り上げるのが大事なんですね。
絵本の魅力
――鈴木さんはお子さんに読み聞かせをされますか?
鈴木:
小さい時はいっぱいしました。早く寝てほしいから、寝付きの良さそうなやさしい物語を読もうとすると嫌がるし、適当に読むとすごく怒られました(笑)。絵本作家の僕が言うのはなんですが、どの本を選ぶかというより、親が楽しそうに本を読むことが大事だと思っています。絵本の内容より、楽しい時間をいっしょに共有できているかを子どもは感じているのだと思います。
――鈴木さんはどんなところに絵本の魅力を感じますか?
鈴木:
大人は既成概念の中で「おもしろさ」を構築するんですけど、子どもたちにはそんなこと通用しないんです。文章だけの作品と違って「これ好き!」「嫌い!」と意見が言いやすいメディアなんです。そういう可能性をこれからも開拓して本を作っていきたいですね。
――どこに着眼していくのか、いろいろと考えられますね。
鈴木:
基本的に自分が楽しんで作るようにしています。子どもたちのために! と思って作ると空振りすることが多いんですよ。
――これからも子どもたちと大盛り上がりできる絵本をたくさん描いてください。ありがとうございました。
【放送】
2023/09/13 「ごごカフェ」
午後2時台を聴く
23/09/20まで