座りませんか? いい縁側ありますよ!

23/07/25まで

ごごカフェ

放送日:2023/07/18

#ローカル#カルチャー

午後2時台を聴く
23/07/25まで

午後2時台を聴く
23/07/25まで

縁側って、何だかホッとする場所ですよね。今回は、日本各地のステキな縁側について、縁側愛好家の成瀬夏実(なるせ・なつみ)さんにうかがいました。(聞き手:武内陶子パーソナリティー)

【出演者】
成瀬夏実さん(縁側愛好家)


<プロフィール>
1990年、東京都出身。フリーランスのWEBライターとして活動するかたわら、縁側情報のサイトや、各種メディアで縁側の魅力を発信中。


――いつ頃から各地の縁側を巡るようになったのですか?

成瀬:
10年ぐらい前に「縁側っていいな」と思い、これまでに、およそ220か所の縁側に座りに行きました。あとは、SNSでつながった方々のご自宅やご実家などにも誘っていただきました。

――どうして縁側が好きになったの?

成瀬:
社会人1年目のときに、水戸の偕楽園に行ったんです。偕楽園の敷地内には好文亭(こうぶんてい)という建物があるのですが、フラッと好文亭の縁側に座ったときに、フワッとそよ風が吹いてきて「縁側っていいなあ」と強く思ったんです。

成瀬流 縁側の楽しみ方

成瀬:
訪問先は古い建物が多く、床の質感、窓ガラスの質感をじっくり愛でています。例えば床の摩耗具合で暮らしぶりが想像できるので、床にフォーカスした写真を撮って楽しんでいます。

これは、神奈川県葉山市の古民家を活用した宿泊施設の縁側で撮ったものです。板の色がこげ茶から薄い茶色まで、まだらになっています。明らかに色が違う板、どうして細かい傷があるのかなど、想像して楽しんでいます。また、床の感触もいろいろ想像させてくれます。

――窓ガラスも愛でるのですか?

成瀬:
京都にある政治家の別荘だった建物のガラスは、うっすらと波打っているのが特徴です。そのガラスを通して外を見ると、景色も少しゆがんで見え、差し込む光もゆがんで、独特の雰囲気を感じることができます。

成瀬さんオススメの縁側スポット

  • 1)旧米谷家住宅(奈良県・橿原市)

成瀬:
橿原市の今井町には、500軒ほどの江戸町家が立ち並んでいます。旧米谷家住宅は、江戸時代に金物商として栄えた商家で、国の重要文化財に指定されています。こちらの縁側は、窓に囲まれていない、半分屋外のような作りをしています。ここは、緑茶飲料のCMのロケ地に使われたそうです。

  • 2)縁側で朝食とる民宿(長野県・小谷村)

成瀬:
古民家を利用したこの民宿では、縁側で朝食をとることができます。目の前に広がる一面緑の景色に圧倒され、家の中にいながらにして、外の自然を感じて食事を楽しめます。

  • 3)一棟貸しの別荘(広島県・尾道市)

成瀬:
一組限定で一棟を貸し出しています。ここは、建物の角(コーナー)が縁側になっているので、前面からだけでなく、横からも光が入ります。私が行ったときは、秋の夕日とキンモクセイの香りが印象的でした。

――一般のお宅から「縁側に座りにおいで」と招待を受けて縁側訪問をしたそうですね。

成瀬:
実際に生活している縁側を見て、いろいろな使われ方があるんだなと実感しました。

――成瀬さんは、どこでもなじめそうですね。縁側がそうさせるのかしら?

成瀬:
縁側は家の中ではないので、招く方も招かれる方も楽なのかもしれませんね。

交流の場になっている縁側スポット

縁側カフェ(静岡県・静岡市)

成瀬:
静岡市葵区の大沢集落では「縁側カフェ」という活動があり、毎月第2・第4日曜日に個人のお宅の縁側でお客さんをもてなしています。それぞれのお宅で500円をお支払いして、セルフサービスでお茶とお茶うけをいただけるシステムです。おばあちゃんちに、遊びに来た感じを体験できます。

町家学びテラス西陣(京都産業大学)

成瀬:
取り壊されてしまうことが多い古い町家を、大学の施設として活用し、地域との共生・連携を推進するために運営しています。縁側は庭に面していて、リラックスして打ち合わせができる感じです。

掬翠園(きくすいえん)(栃木県・鹿沼市)

成瀬:
掬翠園という庭園の歴史ある建物の縁側は、この春から新しくコワーキングスペースとして活用されています。庭園を見ながら一息つける縁側は休憩場所としても最適です。

――考えてみれば、縁側ってぜいたくな空間ですね。

成瀬:
縁側に興味を持ったら、近くの縁側でもいいので調べてみて、座ってみてほしいなと思います。


【放送】
2023/07/18 「ごごカフェ」

午後2時台を聴く
23/07/25まで

午後2時台を聴く
23/07/25まで

この記事をシェアする

※別ウィンドウで開きます