子どもだけでなく大人の心もつかんで離さないカプセルトイの世界について、小野尾勝彦さんに教えていただきました。今や「カプセルトイ戦国時代」なんだそうですよ。(聞き手:武内陶子パーソナリティー)
【出演者】
小野尾 勝彦さん(日本ガチャガチャ協会会長)
<プロフィール>
1965年、千葉県出身。プラスチック原料の商社に入社後、カプセルトイの会社に転職。数多くの商品を手がける。その後、大手玩具メーカーを経て、2019 年に独立し「日本ガチャガチャ協会」を設立。カプセルトイの普及に取り組み、講演なども行っている。
――私もよく回したりします。最近は、外国の方も回しているのをよく見かけますよね。カプセルトイ人気ですね。小野尾さんにとってカプセルトイの魅力は?
小野尾:
何が出てくるかわからないワクワク感、ハンドルを回すアクション、そして、お小遣い程度のお金でクオリティの高い商品が必ず手に入るところですね。同じ金額かけても手に入らないゲームもあるので、この「必ず手に入る」ということが重要なんです。また、販売の視点からは、大きなスペースも電気代も必要とせず、人件費もあまりかからないので、資本が少なくても始められるのが魅力です。商品のテーマや種類によって、さまざまな業界や社会課題とつなげることもでき、可能性は無限大だと思っています。
――2019年にはカプセルトイの協会を設立されます。やはりご自身もコレクションしてるのですか?
小野尾:
コレクターほどではありませんが、1970年代のカプセルトイや商品ディスプレイ、メーカーカタログや、カプセルトイに関わるものを収集していて、本も出しています。ちなみにマシン自体は15台くらい所有しています。アメリカとヨーロッパのものも1台ずつ持っていますよ。
――海外でも普及しているのですか?
小野尾:
海外でも販売していますが、日本ほどではありません。日本でこれだけ根づいてる理由は、おみくじに似ているからだと私は考えています。何が出てくるか分からないものを小銭で買うというおみくじ文化が根底にあるからではないでしょうか。ちなみに、今、海外で人気が広がっているのはイタリアと台湾です。
――カプセルトイはいつごろ始まったものなのですか?
小野尾:
原型は、1930年頃にアメリカで展開していたガムやピーナッツの自販機です。日本では、1965年2月17日に東京・台東区の企業が販売し、日本のカプセルトイ文化が始まりました。ちなみに2月17日は「ガチャの日」になっています。
――当時はどんな商品があったのですか?
小野尾:
ほとんどがセルロイドやプラスチック製のものでした。
――消しゴムの人形もありましたね。
小野尾:
消しゴム人形は、1970年代から作られています。ウルトラマン、仮面ライダー、ゴジラなど、特撮ヒーローやアニメのキャラクターが商品化されました。スーパーカー消しゴムもこの時代ですね。
――特に、キン肉マンの消しゴムはブームになりましたね。
小野尾:
80年代に登場したキン肉マン消しゴムは、累計販売数1億8千万個の大ヒットになりました。