ぐっすり眠って元気!

22/11/03まで

ごごカフェ

放送日:2022/10/27

#医療・健康#眠り

14時台を聴く
22/11/03まで

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健康的な暮らしを送るためには、良い睡眠をとることが大切です。睡眠コンサルタントの友野なおさんに、睡眠の質をよくするための心がけやコツなどをうかがいました。(聞き手:武内陶子パーソナリティー)

【出演者】
友野なおさん(睡眠コンサルタント)


<プロフィール>
体質改善に成功した経験から科学的に睡眠を学び、睡眠の専門家として快眠のためのメソッドを伝えている。テレビ、ラジオ、雑誌など、睡眠の専門家として活躍中。著書多数。
現在、千葉大学大学院博士課程で睡眠の研究を続けている。


――睡眠に興味を持つきっかけは。

友野: 30歳手前に、プライベートでストレスが重なったこともあり、重度のパニック障害を発症し、実家に引きこもるような生活になりました。パソコンにかじりついて、何かできることはないかと調べていたのですが、今思えば、寝る時間を削っていたのが悪循環だったようです。ある日、母が「今はすべてを忘れて寝なさい。すっきりしたら何か見えてくるかもしれないよ」と言われ、それが睡眠を見直すきっかけになりました。

――睡眠を改善して体にも変化が現れたそうですね。

友野: 半年ほど経った頃に体重も減りました。

――睡眠で体重が減ったのですか。

友野: 質の高い睡眠をとると食欲の中枢が整い、暴飲暴食を防ぐことができます。質の悪い睡眠だと、食べたい欲求が強くなるホルモンの分泌が増え、食欲をおさえることができなくなるんです。

――日本人の睡眠は短いと聞きますが、実際はどうなのですか。

友野: 日本人の40代50代の女性は、育児と介護、更年期と、さまざまな要因が重なり、世界でも睡眠時間が短いといわれています。しかし、睡眠時間には個人差があります。遺伝的な要因で3時間睡眠でも問題のない、いわゆるショートスリーパーの方もいらっしゃいます。

睡眠の質を上げるコツ

友野: 「これだったらやれるかなぁ」くらいで無理なくやってください。睡眠に悩む人は真面目な方が多いので、“不真面目に適当に”やり続けることが大事だと思います。
  • 1)パジャマに着替えよう
友野: パジャマを着ると寝具との摩擦が起きにくく、寝返りが打ちやすくなります。寝返りは就寝中に一部だけが圧迫されるのを解消し、血液・体液の循環を促してくれます。また寝返りは、レム睡眠・ノンレム睡眠の切り替えのスイッチにもなっていて、これをくり返すことによって心と体がしっかり休まるのです。

――寝返りは健康を保つために大切なのね。ではどのようなパジャマがいいのかしら。

友野: シルクやコットンのパジャマがおすすめです。Tシャツやジャージは、摩擦で寝返りを妨げてしまったり、蒸れた不快感で目が覚めてしまったりと、睡眠にとってはあまり相性が良いとはいえません。
  • 2)自分に合う枕を見つけよう
友野: 体に合わない枕は、首や肩がこりやすく、いびきの原因にもなるので、定期的に見直すことをオススメします。私もいろいろな枕を試しました。頭に合わないものを使うと夜中に呼吸が苦しくなったり、肩が痛くなったりしました。

――枕は選ぶのが難しいですよね。どうすればよいですか。

友野: やはりお店で試すのが一番です。今は、ストレートネック用、いびきをかく方用、横向きで寝るのが楽な方用など、状態にあった枕がたくさんあります。心地よい寝返りができるかどうか、いろいろ試してみてください。
  • 3)カーテンについて
友野: 人は明るくなると活動を始める習性があります。気持ちよく目覚めるために自然光を利用しましょう。カーテンを少し開ける、または光が入るようなカーテンで自然光が入る環境を作ると目覚めやすくなります。夜勤明けの人は、遮光カーテンで光をさえぎって眠れるようにしてほしいです。

――自然光は大事なんですね。夜勤明けの人が昼に眠るためにアドバイスはありますか。

友野: 帰宅時には帽子やサングラスをして、なるべく目の中に光を入れないようにしてください。コンビニは光が強いので、必要のない場合は立ち寄らないようにしてください。帰宅してからは、たんぱく質を軽く取って、午前中いっぱいは暗くして眠りましょう。昼に起きて明るい環境でバランスのいい昼食をとり、その日も夜勤の場合は、午後3時から5時にもう一度仮眠をとるようにしてください。

睡眠都市伝説

  • 本当のお肌のゴールデンタイムは?
友野: 健康と美容のためには、何時に寝ても寝始めの3時間が重要になります。成長ホルモンが大量に分泌されるのは寝始め3時間。美容にいいメラトニンは、夜中の2時に合わせて分泌されます。成長ホルモンの分泌とメラトニンの分泌のピークを合わせるには、0時から3時の間に寝ていることがよいとされています。
  • 睡眠は90分周期で考えなくてもよい
友野: レム睡眠・ノンレム睡眠は、90分周期と言われていますが、60分~120分の間で個人差があります。90分説はこの間の時間を取ってできたものと思われます。なので、90分を気にして寝る時間を調整するよりも、1分でも多く眠ることを心がけて下さい。

入眠儀式を決めよう

友野: 「これをしたら眠る」という儀式を一つ決めて続けてみて下さい。自分への暗示をかける感じです。これは睡眠改善の行動療法としても行われています。アロマをかいだり、深呼吸したり、やっていて苦痛にならないものがよいでしょう。筋肉を弛緩(しかん)させる運動はオススメです。イスに座って全身に5秒間力を入れて、「ハァー」と脱力。そして5秒間リラックスします。これを3~5セットやってください。

朝にできること

友野: 朝、起きたときから次の睡眠の準備が始まります。朝起きたら、15秒間、外の光を浴びましょう。曇りでも行ってください。起床時に太陽の光を浴びることで、メラトニンの分泌が抑えられ、そこから14時間~16時間後に眠気が訪れる睡眠の予約スイッチが入ります。寒くてベッドから起きられないときは、目が覚めたら耳をもんで、手足をグーパーと握って血の巡りを良くしてからゆっくり起き上がってください。起床後1時間以内には朝食をとりましょう。食品としてはバナナがオススメです。

――できることから不真面目に!ですね。私は、寝る前に「ひとり反省会」をしないようにします(笑)。


【放送】
2022/10/27 「ごごカフェ」

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