“ミルクマイスター”が語る 牛乳の秘密

22/12/22まで

ごごカフェ

放送日:2022/12/15

#インタビュー

14時台を聴く
22/12/22まで

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多くの家庭で常備されている「牛乳」。しかし、年間4000トン以上が廃棄されているそうです。今回は、500種類以上の牛乳を飲んだグラフィックデザイナーの高砂航(たかさごわたる)さんに、牛乳の魅力についてたっぷりとうかがいました。(聞き手:武内陶子パーソナリティー)

【出演者】
高砂航さん(グラフィックデザイナー)


<プロフィール>
1983年 山形県出身。物心ついた頃から牛乳が好きで、これまでに飲んだ牛乳は500種類以上。デザインやイベントなど、さまざまなアプローチで、「オススメの牛乳」や「牛乳の楽しみ方」など、牛乳の魅力を広めるミルクマイスターとして活動中。


――ミルクマイスターとは?

高砂: 2016年から“ミルクマイスター”という肩書で活動をしているのですが、肩書きは僕が勝手に名付けました。とりあえず定義としては「牛乳を愛し、その魅力を広く伝えたいと思っている人」がミルクマイスターです。まぁ、世界で僕だけなんですけど(笑)。

――小さいころから牛乳が好きだったのでしょうね。

高砂: 物心ついたころから牛乳は好きで、最初の記憶は牛乳ですね(笑)。

――ミルクマイスターになろうと思ったきっかけは?

高砂: 大学で「好きなものをブランディングする」という授業があったのですが、そこで思い浮かんだのが「牛乳」で、自分でパッケージをデザインしたのがきっかけです。その後、デザイン会社に入社しましたが、忙しさのあまり牛乳のことを忘れて、ふと気が付くと「豆乳」を飲んでいたんです。それがすごくショックでした。そして、「牛乳が好きなので会社辞めます!」と上司に伝え、現在の活動をスタートさせました。

――そこから牛乳道まっしぐらなのね。

牛乳をめぐる現状

高砂: 2021年の年末から2022年の年始にかけて“牛乳の大量廃棄の恐れ”というニュースもありました。実は年間4000トン以上の牛乳が廃棄されています。消費期限の短さもあって家庭で廃棄される食材の代表格ともなっています。そして、円安やウクライナ情勢による燃料費やエサ代の高騰など、酪農家の方たちにとっては大変な状況です。後継者不足に悩まれている方も多いですね。

――酪農の方にも会いに行かれるのですか?

高砂: 牛乳に関する新聞を作っているので全国の酪農家さんの取材に行きます。おいしい牛乳を作るために、できるだけ牛にストレスを与えないように工夫されている酪農家さんもいます。エサを工夫し、出る生乳の量をしっかりと保っているところは本当にすごいと感じますね。

好みの牛乳を見つけよう

――コンビニやスーパーなど、いろいろな種類の牛乳があるので「なんとなく値段で」「よく聞く名前なので」という選び方をしてしまいますが、どのようなところから好みの牛乳を見つければよいですか?

高砂: 牛乳は乳等省令でその成分規格などが定められているのですが、生乳100%で加熱殺菌しただけのものを牛乳といいます。あとは生乳から水分、乳脂肪分、ミネラルなどの一部を除いて成分を調整した「成分調整牛乳」。生乳から乳脂肪分の一部を除去し乳脂肪分を0.5%以上1.5%以下にした「低脂肪牛乳」。乳脂肪分のほとんどを除去し、乳脂肪分を0.5%未満にした「無脂肪牛乳」などがあります。一般的に、乳脂肪分が3.7%を超えてくると濃厚な牛乳といわれています。毎日ゴクゴク飲みたい方や料理に使いたい方は、乳脂肪分が低いものを。濃厚さを味わいたい方は高いものを選ぶとよいでしょう。

牛乳はいいことがいっぱい

高砂: 牛乳1杯(200ml)で20代女性が一日にとりたいビタミンB2のおよそ4分の1をとることができるといわれています。ビタミンB2は、たんぱく質や脂質、糖質の代謝に関係し、健康な皮膚や毛髪、爪をつくります。イライラを抑えるカルシウムも含まれますし、たんぱく質やマグネシウムなど、必要な栄養素をバランスよく補うことができます。また、最近の研究では、熱中症にならないための体づくりにも効果があるとわかってきました。「やや暑い環境」で「ややきついと感じるくらいの運動」を1日15~30分、週に3~4日行い、その直後に牛乳とたんぱく質を豊富に含んだ食品を摂取すると血液量が増加。血液量が増加すると体温を下げる働きが活発になるそうです。

――暖かくなってきたら「運動+牛乳」ですね。

牛乳と合う意外なもの

【牛乳+サイダー】

高砂: 牛乳とサイダーを1:1で割ります。炭酸の刺激が牛乳によって和らぎ、ゴクゴク飲めます。サイダーのさわやかな香りと、牛乳の甘い香りでリラックスできますよ。風呂上りに飲むと最高ですよ

【牛乳+トマトジュース】

高砂: トマトの酸味を牛乳の甘味で包み、まろやかな味になります。ポタージュっぽくなるので、冬はレンジで少し温めて、仕上げにオリーブオイルをたらすのもオススメです。

【牛乳+納豆】

高砂: 納豆のたれを半分だけにして、牛乳を小さじ2くらい入れると、ふわふわの減塩納豆になります。牛乳が苦手な方には調味料感覚で使って欲しいです。

ご当地牛乳は2000種類以上

高砂: その土地でしか買えないご当地牛乳、その種類は2000種類以上です。ほぼすべての都道府県にご当地牛乳があります。パッケージも地域色があり、ステキな牛乳を見つけた時には「牛乳ゲットだぜ!」と叫びたくなること間違いなしです(笑)。

――地酒ならぬ地ミルクですね。ご当地牛乳はどこで買えますか?

高砂: 牧場の直売所、道の駅、地元のスーパーや温泉です。温泉の脱衣所やロビーに置かれている場合があるのでチェックしてくださいね。

牛乳の魅力とは?

――今後はどのような活動をしていきたいですか?

高砂: 牛乳の魅力は「つなぐ力」だと思っています。牛乳自体、料理やお菓子など、何とでもつながれますし、人と人をつなぐ力もあります。僕も牛乳を通していろんな人と出会うことができました。SNSで海外のミルクファンともつながれました。牛乳をもっと好きになってほしいと願うファンがこんなにいて、目標を共有して手をつないで活動できるのは、牛乳ならではの力だと思っています。子どもの飲み物というイメージが強い牛乳ですが、幅広い世代の方に飲んでいただけるように牛乳の魅力を広めていきます。

――これからも牛乳道を突き進んでくださいね。


【放送】
2022/12/15 「ごごカフェ」

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