0時台の放送を聴く
2020年10月26日(月)放送より

1時台の放送を聴く
2020年10月26日(月)放送より

【出演者】
武内アナ:武内陶子アナウンサー
小松さん:小松政夫さん(コメディアン)


<小松政夫さん プロフィール>
1942年、福岡県出身。1964年に「ハナ肇とクレージーキャッツ」の植木等さんの付き人兼運転手を務める。その後、テレビ番組「シャボン玉ホリデー」でデビューし、舞台や映画で活躍。現在、日本喜劇人協会の会長。

植木等さんの運転手として芸能界に入った小松さんですが、前職は、自動車のセールスマンをされていました。自動車とは非常にゆかりが深い小松さん、今回は「芸能人生」と「車への愛」についてお話をうかがいました。

車人生スタート

役者になりたい一心で、高校卒業後、福岡から上京しました。劇団の試験を受けて合格したのですが、入学金や月謝が払えずあえなく断念しました。少しでもお金が多く稼げる仕事、そして、自分を必要としてくれる仕事を探して、魚市場、花屋、ケーキ屋、ハンコ屋、事務機械のセールスマンなど、さまざまな仕事に就きました。自動車の免許を取ったのは、事務機械のセールスマンのころでしたが、営業で顔を出していた自動車販売会社の部長にスカウトされて車のセールスマンになりました。当時、車のセールスマンは大学を卒業した人たちが大半でした。高卒の自分は、負けたくない一心で頑張りましたよ。優秀な成績で報奨金もたくさんいただく、いわゆるトップセールスマンでしたね。

芸能人生スタート

セールスマン当時の唯一の息抜きは、日曜の夜、ビアホールでテレビを見ることでした。特に「シャボン玉ホリデー」は、歌あり、ダンスあり、コントありのバラエティー番組で、ハナ肇とクレージーキャッツとザ・ピーナッツたちが繰り広げるコントに腹を抱えて笑っていました。ある日、週刊誌に「植木等の付き人兼運転手募集。やる気があるなら、めんどうみるヨ~」という3行広告を見つけました。芸能界への情熱が再び湧き出し、サラリーマンの安定を捨てて、憧れの植木等さんの付き人兼運転手になりました。

植木等さんの思い出

映画の「無責任男」と違い、私生活では真面目な方でした。約束した時間に遅れたりするのが嫌いだったので、私も同じように遅刻はしないようになりました。今でも公私問わず遅刻をしないように、時間の余裕をみることを心掛けています。植木さんの付き人兼運転手になって3年10か月、芸名も小松政夫となり、テレビや映画の仕事も増えていきました。ある日、後部座席から身を乗り出した植木さんが「お前、明日からオレのところに来なくていいよ」。まさかのクビかと思いました。すると「この前、事務所の社長に会って、お前を専属タレントにしてくれと頼んでおいた。給料もマネージャーも決めておいたから、明日、事務所へ行って契約しなさい」と言われました。驚くと同時に涙があふれて「すみません、車を停めていいですか」と言って、道路の脇に停車して、声をあげて泣きました。植木さんは大物でありながら心遣いの人でしたね。

車人生に終止符

芸能界でどうにか食べていけるようになって、自分の車を買えるようになって以来、50数年間、他のメーカーに浮気することなく、恩返しのつもりで、かつて勤めていた自動車販売会社から購入して乗り継いできました。しかし今年、物損事故を起こしました。免許を取得して以来、初めての事故でした。高齢者による暴走事故のニュースに衝撃を受けていて、来年、返納をすることを決めていましたが、この物損事故をきっかけに、早めに返納することにしました。大好きだった車の運転、60年のカーライフとの別れは本当に残念でした。

安全運転への思い

20台以上の車を乗り継ぎ、とにかく「丁寧な運転」「慎重な運転」を心がけてきました。植木等さんの付き人兼運転手として芸能界に入ったときに、自分は「運転のプロ」として採用されたのだということを肝に銘じてきました。植木さんを後部座席に乗せて、テレビ局や映画の撮影現場など、連日連夜の仕事で疲れている植木さんに少しでも休んでもらえるように、カーブを曲がるときも、ブレーキを踏むときも、振動をかけないように細心の注意をはらって運転していました。当時はナビといった便利なものもなかったので、初めて行く現場であれば、前日の夜に下見に行くこともありました。

植木等さんに喜んでもらうために みんなに喜んでもらうために

これまでに心がけてきたことと言えば、ただひたすらに植木等さんに笑ってもらいたい、喜んでもらいたいということでした。ひいては、その思いが、それからのコメディアンとしての思いを培ったのではないかと思っています。ただひたすらに、皆さんを笑わせたい、喜んでもらいたい。これからももう少し頑張ってみようかと思っています。


聴き逃しは1週間です。「あんたはエライ!」の言葉を小松さんに。

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