【飛ぶ教室】「きょうのセンセイ~映画監督 福永壮志さん~」

23/07/21まで
高橋源一郎の飛ぶ教室
放送日:2023/07/14
#文学#読書#映画・ドラマ
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23/07/21まで
2コマ目「きょうのセンセイ」は、最新作「山女」が注目を集めている映画監督の福永壮志さん。「山女」は、柳田國男の「遠野物語」に着想を得て制作された作品で、海外の映画祭にも出品されています。十数年の間、海外を拠点に制作に取り組んできた福永さんが、いま日本に拠点を移して見えてきたものとは? ということを掘っていこうとしていたんですが、源一郎さんは、福永さんの長編3作品を見て、そのカットをあらかたノートに記録して、作品を分析! とめどなくあふれ出す質問に福永さんは…!?
【出演者】
高橋:高橋源一郎さん(作家)
礒野:礒野佑子アナウンサー
福永:福永壮志さん(映画監督)
礒野:
源一郎さん、2コマ目です。
高橋:
はい。今日のセンセイは映画監督の、この方です。
福永:
福永壮志です。よろしくお願いします。
高橋:
よろしくお願いします。
礒野:
よろしくお願いしま~す。
高橋:
いや~、あの、どんな方なんだろうと!? あははっ(笑)。
福永:
あはは(笑)。
高橋:
僕らは、映画…。あっ、先にプロフィールをご紹介しましょうね(笑)。
礒野:
そうですね。簡単ですが、ご紹介させていただきます。
1982年、北海道のお生まれです。2003年にアメリカに渡り、2007年にニューヨーク市立大学ブルックリン校の映画学部を卒業されました。長編映画デビュー作となった2015年の『リベリアの白い血』は、ベルリン国際映画祭パノラマ部門に正式出品、ロサンゼルス映画祭で最高賞を受賞されます。2作目の『アイヌモシㇼ』は、2020年のトライベッカ映画祭の国際ナラティブ・コンペティション部門で審査員特別賞、グアナファト国際映画祭で最優秀作品賞を受賞されています。
最新作『山女』について
高橋:
はい。そして、長編映画3作目になる最新作『山女』が、現在公開中です!
礒野:
そうなんですよね。どんな映画なのか、ちょっと「あらすじ」を、ご本人から伺ってもよろしいでしょうか?!
高橋:
だってね、ここでネタバレして、怒られないように…。怒られちゃう、僕が勝手に言うと(笑)。
福永:
舞台は18世紀後半の、東北の小さな村なんですけど。飢餓にあえぐ村人の中で、その中でも身分の低い家に生まれた少女の「凛」というのが主人公で、いろいろ大変な中、たくましく生きてるんですけど、ある出来事があって、その村にいられなくなって、山に向かう、と。そこで、まぁいろんなことが起きて、物語が展開していく、という話なんですけど。
高橋:
ありがとうございました。
礒野:
ありがとうございました。
高橋:
ほとんどネタバレしないで!
礒野:
柳田國男の名著『遠野物語』から着想を得て、監督自ら脚本を手がけたオリジナルストーリー、ということなんですね。
福永:
はい。
礒野:
メッセージもいただいています。
ラジオネーム「映画も大好き」さん。
今日のセンセイが福永監督と知り、すぐにチェックして映画館に向かいました。以前から気になっていたんですが、『飛ぶ教室』に背中を押してもらいました。映画ですが、ずっとくぎづけになり見ていました。
自然の美しさに対し、生きることの過酷さ、人間のたたずまい、言葉が響きました。特に、凛が山男との日々の中でとても美しくなっていく様子に、生き返っているというか、自由に新しく生まれたように、山に救われていて感動しました。残酷な描写もありましたが、人々が「死にたい」とか「死のう」と言わず生きようとする姿は印象的でした。
ということです。いかがですか?
福永:
いや~、とてもうれしい感想ですね。なんて言うか、今ちょっと触れられていたように、見ててつらくなるシーンもあるんですけど、それは「そこに屈しない強さ」だったり、そういうことを描きたくて描いたので、それを受け取ってくれたんだな、というふうに思います。
高橋:
え~と、僕も『山女』を含めて、福永監督の作品、長編3本を見させていただきまして、本当に面白かった!
福永:
ありがとうございます。
高橋:
ですので、すごい細かいことを聞きそうなんで、気をつけないといけないんですが(笑)。
あの、まずね、残酷な、というか…。もともとのオリジナルストーリーは監督が作られたと思うんですけど、発想は柳田國男の『遠野物語』という大変な名著、って言うか、まぁ民話ですよね。そこから発想を得てお話を作ったのは、なぜ?
まぁ聞くのもヤボっちゃヤボなんですけどね。「こういう話にしたい」と思ったのは、どうしてでしょうか?
福永:
紹介いただいたように僕、出身は北海道なんですけど、長い間アメリカにいまして、過ごすうちに、どんどんどんどん日本の、なんて言うんですかね…。根源的な、自分も含め、ということですけど、ルーツというか、そういうものに興味が湧いていって、2作目がアイヌの映画を作ったんですけど。
高橋:
『アイヌモシㇼ』ですね。
福永:
アイヌ文化って口承文化なので、歌とか昔話とかから伝わってきたものがたくさんあって、そこから日本の昔話に目が向いていって、その中でもやっぱり『遠野物語』で描かれていた、その人の風習だったり、その世界観というか。それが今とは全然違うんですけど、やっぱり日本とか日本人の源流みたいなものも感じて、そこを通して、もっと知りたいというのが最初ですね。
高橋:
せっかくですので、えっと今回は『山女』が第3作になります。2作目が『アイヌモシㇼ』という、アイヌの人たちを描いた作品で、1作目が『リベリアの白い血』という、リベリアの人たちを描いた長編です。
3本見て、すごい強烈な印象を受けたのと同時に、どこか、同じようなテーマを、飽きずにというか、執念深く描いてるなっていう気がしたんですが、そのへんは自覚的にされているんですか?
福永:
いや、「結果的につながった」という感じですね。最初は僕は、割と「この主題とか、テーマ的なものから、こういう映画を作ろう」というふうに入っていくんですけど。そこで書き始めたときのストーリーというのは、書き始めてみないと、どうなるかわからない。
1作目『リベリアの白い血』について
高橋:
せっかくですから、1作目が『リベリアの白い血』なんですけど、監督に話してもらいましょうかね。ストーリーを(笑)。
礒野:
どんなお話なのか。
福永:
西アフリカのリベリアという国の「ゴム農園」で働いてる主人公なんですけど、そこでいろいろ搾取だったり、大変な状況にある中で、そこから出て、新しくニューヨークで、自分や家族のためにタクシー・ドライバーになって、新しい生活を目指す。だけど、そこでニューヨークへ過去が追いついてくるというか、そこで思わぬ出来事があり、物語が展開していく、と。
高橋:
だからね、英語なんですよね。
福永:
そうですね、はい。
高橋:
他の2作は日本に帰ってきて…。あっ、『アイヌモシㇼ』は?
福永:
アメリカにいる間に作って…。はい。
高橋:
だから最初から『リベリアの白い血』は、日本とまったく関係がない、お話だったんで。どうなんですかね? 「初めての長編作品」を書く、作る時はどんなふうな気持ちで作るものなんでしょうかね?
福永:
まぁ自分は「もうこれが、最初で最後かもしれない」という気持ちでやってました。
高橋:
そういう感じだったんだ。
でも、リベリアですよね。アフリカ。アフリカの人たちの悩みを描くことになって、ニューヨークに来るんですが、なぜ、そのアフリカの人だったんですかね?
福永:
それは、その同じリベリアのゴム農園の労働者を描いたドキュメンタリーに関わることがあって、そこで描かれていた「現実」を全く知らなかったので、すごく衝撃を受けて。一方で、その遠い国の話なんですけど、結局そのゴムの原料のほとんどがそこから来てるっていうのは、モノを通じて自分も、完全に他人の話じゃない。で、見回すと、やっぱり周りにあふれてるものって、いろんなとこから来て、いろんな人の、何ていうか、まぁ犠牲といっていいのか、そういうところの犠牲だったり、いろんな恩恵を受けてあるわけですよね。そこに、何ていうか、「考えるきっかけ」になって。
高橋:
僕ね、あの~、福永さんの経歴で面白いって思ったのは、2003年にアメリカに渡って、アメリカで映画を学んで、映画を作り…。「日本で」っていうことには、なぜならなかったですか?
福永:
僕は「まず日本を出たい」っていうのがあって。
高橋:
映画はその後?
福永:
そうなんです。
礒野:
そうなんですね~。
高橋:
じゃあ、映画を作るためにアメリカに渡ったのではなくて…。
福永:
ではなくて、1回、日本を出たくて出て、やりたいことを一生懸命悩んだ後に、映画はずっと好きだったので、やっぱりいちばん好きなものを、まず勉強してみようと。そこで思い立てたというか。
高橋:
何年、向こうに住んでいらしたんですか?
福永:
計16年ですね。
高橋:
16年。で、戻ってこられましたよね。
礒野:
けっこう最近ですよね? 数年前に。
福永:
4年前です。
礒野:
4年前にお戻りになって。
高橋:
つまり日本を出たくて出た。それで描きたいものがあって、それが映画だった?
福永:
描きたいというか、いちばん好きなものを…。
高橋:
それで作って、今度は「日本に戻ってきたっていうのは、なぜなんでしょうか」って、言われますよね?
福永:
そうですね(笑)。
やっぱりあの1本目はまぁ、いろいろ悩んだ末に、何て言うか「いち人間」として、その「人間の話を描く」っていうことに、別にそこに人種は関係ないんじゃないかと思って、思い切ってできたんですけど。
高橋:
うん。
福永:
これからまた改めて、何をやるかっていうときに、自分だからできるものは何かって考えたときに、そこに「この日本的な価値観とか、自分が生まれ育って育んだものをなしには語れない」って。それだけ離れてると、やっぱりその中の、自分の中の日本というものが、どんどんちょっとアップデートされていないということに気付きまして。
礒野:
ええ。
福永:
それをやっぱりちゃんとこう、いろんな意味で取り組むことが、まぁ作家としても人としても大事なんじゃないかと。
高橋:
あの~、まぁ変な言い方なんですけど、3本の映画を見て、「すごく個人的な映画」っていうか、「福永さん」っていう人が、けっこう「映画の背景にいる」っていう感じがするんですけれども、それは自分ではそんな…、そんなこと思って作ってないでしょうが。
福永:
思ってないですね。それは後で結局自己投影がされているという感じですね。
高橋:
例えばですね、え~っと3本とも、どの映画も印象的なのは「主人公の顔のアップ」ですよね。
めっちゃ大きいじゃないですか。
礒野:
サイズが。
高橋:
サイズが、もう限界まで!
福永:
特に日本の映画では。
高橋:
日本のね。で、もう「顔を見てくれ!」っていう、それはやっぱり意図してされたんですか?
福永:
そうですね。僕、「見る側」としても、あまりセリフが多い映画より、「間」があって、自分のいろんな感情を反映できるというか。そういうものが好きなので、自分が作る時もやっぱりこのセリフじゃなくて、表情とか、そういう言葉に、何ていうか、言葉にする前に何かをとらえようとしているところがあるので。
礒野:
なるほど。セリフよりも、まず表情を見て…。
高橋:
『リベリアの白い血』が1本目ですよね。
福永:
はい。
高橋:
あの主人公の方はすごいキャラが立った人で、3本目の「凛」の役の方は、また、すごい…。
礒野:
山田杏奈さん。
高橋:
あの人も印象的な!
2本目の『アイヌモシㇼ』の主人公は、俳優? 違いますよね?
福永:
いや、違いますね。実際あそこに住んでいた中学生です。
礒野:
え~!
高橋:
だから、何ていうか、すごい特徴がないんですよ。
礒野:
いい意味でね。
高橋:
いい意味で! だからものすごく、本当にどこにでもいるような子のアップが延々と続いて、その感じに、だんだん圧倒されていくんですよね。
礒野:
しかも現在公開中の『山女』も、私は森山未來さんのアップとかビジュアルに、すごいびっくりしました!
福永:
(にっこり微笑む)
礒野:
すごいですよね(笑)。
福永:
そうですね。あれはもう、すごい試行錯誤しながら、皆さんと一緒に作り上げっていったという…。
礒野:
へぇー!
源一郎センセイが思う「福永監督の作品の共通点」とは?
高橋:
あれはだから、何て言うか、すごく不思議な…。あの~僕、監督の作品を見てきて、それぞれ違う話じゃないですか。リベリアの話だったり、アイヌの話だったり。遠野ですね。東北の話なのに、何か共通してるのは、ちょうど今日、番組冒頭で、そういう話をしたんですけど、「ふるさと」。
福永:
あぁ…。
高橋:
どれも、彼らの「ふるさと」が、リベリアでしょ、阿寒湖のほとりと、東北の寒村があって。しかもその「ふるさと」が、「良いわけじゃない」んだよね。
つまり「何か懐かしくて、そこがステキ!」じゃなくて、どっちかっていうと、その「『ふるさと』とはうまくいかない!」みたいな話が、3本ともそうだと思うんですけど。それは意図的ですか? 結局そうなっちゃったんですか?
福永:
「結局そうなった」と(笑)。
高橋・礒野:
あはははははっ(笑)。
礒野:
そうなんですね、結果。
民族やルーツっていうものが共通してるものなのかな?と、お見受けしたんですが…。
福永:
それはやっぱりあの~、アメリカへ行ってからなんですけど、住んでるうちに、自分がアジア人、日本人ということを、いろんな形で思い知らされるというか、すごい考えさせられることがあって。まぁ自分も含め「日本って何だろう?」ということを思うようになり、そこで差別・偏見という経験もあった中で、それが「どれだけ不条理なことか」っていうのも体感したので。
高橋:
うん。
福永:
そういうことにも意識があったのかも。
高橋:
あんまりまぁ、こういうことは、たぶん、作り手は作品の中で言うので。僕も小説家なので、「これはどういう意味ですか?」って、ヤボだってわかってるんですが…。ただ、監督がですね、先ほどもおっしゃったように、「日本から出たかった」と。
福永:
はい。
高橋:
で、作品を作った結果と言うか、作った上で「日本に戻ってきた」っていうことは、自分の中では、どういうふうに整理されてるんですか?
福永:
う~ん、いや~。
高橋:
じゃあまず、何で出たかったんですか?
福永:
あ~、それは、全体のこの世の中の風潮というか…。
高橋:
国や社会?
福永:
はい…。社会に慣れない、合わない、とか。
高橋:
合いそうにないですね(笑)。
福永:
あはははは(笑)。
礒野:
いや、そうですか?
高橋:
ずっとやっぱり「アウトサイダー」な感じ?
福永:
いや、そんなことないですけど、別に。普通に楽しく学校生活は送りましたけど。やっぱり何かこう、テレビから流れてくる価値観というか、常識…、固まった常識っていうのがあって、それをみんな共有しなきゃいけないという感じがあるじゃないですか? 「これぐらいの時はこうするべき」みたいな。
礒野:
はい、はい。
高橋:
うん。
福永:
そこにちょっと、希望を見いだせなかったというか。
高橋:
で、アメリカっていうかニューヨークに行って、まぁ、ニューヨークだって自由じゃないですよね?
福永:
そうですね。行ったら行ったで大変なことが…。高橋さんもニューヨークに行ってらしたって聞きましたけど?
高橋:
あの~僕、ちょっと用事があって。行ったって言ってもね、3か月ぐらい。
礒野:
滞在されてた? ニューヨークに。
高橋:
うん。でもね~、僕は何かね~、自由って言えば自由じゃないですか。どの国の人だか全然わからない、っていうのと、僕はたぶん短期の滞在だから、矛盾が見えないのかなと思ったんですけど、16年もいると?
福永:
ニューヨークは14年なんですけど、そうですね、いいことも悪いこともたくさんありました。
高橋:
じゃあ戻ろうと思ったのは、自分の中で何か完結したからなんですか?
福永:
う~ん、そうですね。一段落…、一段落というか、次に日本で撮りたいというのがあり、先ほど話したように、日本というのを改めてちゃんと、実際やっぱり住んでみないとわからないことがたくさんあるので、外から見るのではなく、はい。
礒野:
久しぶりに帰ってきた日本はどうでしたか?
福永:
帰ってきてすぐコロナ禍になっちゃったんで。
やっと今、普通に戻ってきた感じですけど、まだ慣らしてる感じですね。
高橋:
たぶんこれは無意識で作られてると思うんですけど、実は3本とも共通するものは、けっこうあってですね。監督の中で、やっぱり好みの、描きたいもの…。例えば、みんな「手仕事」してるんですよ。
全員どの映画でも。
礒野:
あ~、はい。うん、うん。
高橋:
ね! しますよね。それからどの映画でも「会議」をするの! しかも部族の会議を。
福永:
あ~、はい。
高橋:
こういうのは、気がつくとやっちゃってる感じ?
福永:
そうですね。何か恥ずかしいんですけど(笑)。
礒野:
今、照れていらっしゃるんですけど、源一郎さんに言われて(笑)。
高橋:
あのね、見てると何かね、「これどっかで見たな、この感じ」とか思って。そしたら、けっこう大事なシーンで、けっこう会議してますよね?!
福永:
そうですね。すいません、同じことばっかりで(笑)。
礒野:
いえ、いえ。とんでもないです。
福永:
ここまで明確に共通点をつっこまれたのは初めてです(笑)。
高橋:
その会議がしかも、何て言うか、矛盾をはらんだ会議だったりね。
で、出てくる女の人たちは肯定的なんですよ。
福永:
そうですね、はい。
高橋:
あと、けっこう「信仰」の問題もありますよね?!
福永:
はい。
高橋:
とか、やっぱり気がつくと…。
僕も実は書いてて、よく同じことを書いてるじゃないかという。何かね、自分が得意なものっていうのは、どうしても選んでますよね、気がつくと。
福永:
興味、関心があるほうに、結局。
高橋:
あとはやっぱり「神話」。
福永:
はい。
これからのこと
高橋:
長編は3本で、4本目の準備は?
福永:
今、実は「アイヌを題材にしたドキュメンタリー」を編集中でして、戻ってきてからちょっとずつ撮ってる…。
礒野:
あっ、そうなんですか~!
高橋:
なるほど。ドキュメンタリー?
福永:
はい。初めてなんですよ。
高橋:
ドキュメンタリーとフィクションで、どこが違います?
福永:
いや~、それを言い出すと…。
高橋:
そうですね(笑)。
あの~、ドキュメンタリーは面白いですか?
福永:
そうですね。また全然違いますね。やっぱり慣れない部分もありました。
高橋:
またフィクションも、当然これから作られると思うんですけども、何となくテーマみたいなのは、自分の中にありますか? こう言っちゃうと、作りにくいですよね(笑)。
福永:
それを言ったあと、「それをやらないようにしないと」って思っちゃいますけど(笑)。
礒野:
あっはっはっはっ(笑)。「会議のシーンは使えないな~」とか!
福永:
「また会議か」って思われちゃいますよね(笑)。
高橋:
「冒頭でずっと歩いてる」とかね。
福永:
あぁ~、歩いてますね(苦笑)。
高橋:
あと、ずっと音が出てくるとかね。
福永:
そうですね。
高橋:
でもやっぱり、しょうがないですよ。つまり自分の好きなものを集めて、それの中から世界を作っていくんですもんね! すいませんね。ちょっとコレは嫌がられるかなと思いながら…。
礒野:
ものすごく見て、ノートにメモがすごいんですよ、3作の感想とね。いかがですか、今日こんな…(笑)。
福永:
ちょっと恥ずかしいっていうか、ありがたいんですけど(笑)。
高橋:
僕ちょっとね~、映画監督を困らせるのが好きなんですよ(笑)。
礒野:
な~に? やめてくださいよ(笑)。
高橋:
こういうことをやるとね、だいたいみんな嫌がる(笑)。
「そこまで見た人はいない」って!
礒野:
嫌がる反面、ちょっとうれしいっていう感じですか?
福永:
いや~、そうですね。恐縮でもあります。そんなに熱心に見ていただいて。
高橋:
でもね~、本当に面白かったし。
礒野:
2コマ目のセンセイは映画監督の福永壮志さんでした。ありがとうございました。
高橋:
ありがとうございました。
福永:
ありがとうございました。
高橋:
ドキュメンタリーと、長編の第4作も!
礒野:
楽しみにしております。
高橋:
また会議やってくださいね(笑)。
福永:
じゃあ、がんばります(笑)。
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