宇崎竜童さん・阿木燿子さんが語る! 「山口百恵さんの素顔」と「プレイバックPart2」制作秘話

23/09/12まで
ふんわり
放送日:2023/09/05
#インタビュー#音楽#なつかしの名曲
<ふんわり>は、毎週月曜日から金曜日<NHKラジオ第1>8時30分~11時50分で放送中♪パーソナリティの温かいトークがリスナーの生活をふんわりと包み込むような番組です。
火曜パーソナリティは「キム兄」こと、芸人の木村祐一さん。
放送後1週間は、「らじる★らじる」の聴き逃しサービスでもお楽しみいただけます!
【宇崎竜童さん・阿木燿子さんが語る! 「山口百恵さんの素顔」と「プレイバックPart2」制作秘話】
ふんわり火曜日、今回は「宇崎竜童・阿木燿子 3時間半スペシャル」! 今年、「ダウン・タウン・ブギウギ・バンド」でデビューしてから50周年を迎える音楽家の宇崎竜童さん、そして、宇崎さんの奥様で作詞家の阿木燿子さんをお迎えし、お二人が数々の大ヒット曲を手掛けた山口百恵さんの素顔や、あの名曲「プレイバックPart2」の制作秘話をお話ししてくださいました。
【出演者】
宇崎:宇崎竜童さん(音楽家)
阿木:阿木燿子さん(作詞家)
木村:木村祐一さん(芸人)
澤田:澤田彩香(NHKアナウンサー)
阿木燿子さんもビックリ! 新幹線で起きた「ある事件」
木村:
まぁ当時、宇崎さんや阿木さんからしたら、山口百恵さんは、もう少女というね、“可愛い子ちゃん”ですよね?
阿木:
最初、17歳から始まって、百恵さんが結婚なさるギリギリの、21歳まで(の歌手活動)だから。ちょうど、花のつぼみが満開に広がる・・・それをずっと、見させていただいた感じですね。
宇崎:
17、18、19、20、21歳の、ね。
阿木:
もう本当にね。あれよあれよで、大輪の花になっていくというか。
宇崎:
成長していくんだよね。
阿木:
もう本当に美しくもなられて、歌も。
木村:
変わっていく様が、やっぱり分かるんですか?
阿木:
目覚ましい成長! 特に歌なんか、すごかったね。一曲ずつ、進化が・・・。
宇崎:
「よく歌えるな!」と思ったもんね(笑)。「よくこんな短い時間で覚えて、自分のものにしていくな」と思ったね。
木村:
それがまた、(宇崎さん、阿木さんの)創作意欲もわきますよね?
阿木:
やっぱり、百恵さんは若いし、成長の度合いがとても早いので、やっぱり負けられないというか、「これについていかなきゃ!」という気はありましたね。すごく作家を刺激してくれる人。私たちも「ちょっと趣向を凝らして作ったら(百恵さんに)表現してもらえるかな?」と思ったら、その上をポンといって「クリア!」みたいな。
木村:
「山口百恵さん」っていうのは、どういう人ですか?
宇崎:
「真面目」だよね。
阿木:
私は、すごく「賢い人」だな、と思って。賢い。いろんな意味で・・・。
宇崎:
それとね、「度胸がある」。それから、例えばレコーディングしている間に、(僕が歌手に)「そこのメロディ、ちょっとこっちに変えてくれますか?」って言ったり、「ニュアンスを変えてくれますか?」とかって注文したりすると、普通はですね、そこを一生懸命やる。注文通りにやろうとするあまりに、他が崩れるんです。それが(百恵さんは)ない。
阿木:
その修正力とか、学習能力が・・・。
宇崎:
すごい!!
阿木:
すごかったね。だから、最後の、引退なされる間際は、もう超過密なんてスケジュールじゃなくて、横で見ていても、例えば、お偉い作家先生とかダーっと並んで、対談を10分ずつ、なんていうのも、もう一個ずつきちんとこなしつつ、NGはあまり出さないね。
宇崎:
うん。一晩でだいたい2曲入れるっていうパターンだったよね?
あなた(阿木さん)、百恵さんと一緒に、旅もしているじゃない?
阿木:
うんうん。
宇崎:
アルバム1枚ね、まるまる僕らの曲(作詞・阿木燿子 作曲・宇崎竜童)で作るっていうので、歌詞作りのために、(阿木さんが、百恵さんの)ツアーに付いて回ったんだよね。
阿木:
その時、まだ百恵さんが18歳くらいだったと思うけれど、やっぱりライブって、突発事故がありますよね。ギタリストがちょっと体調不良か何かで。でも、百恵さんは18歳にして、(コンサートツアーの)完璧な「座長」なわけ。その時の百恵さんの対処の仕方なんて、「本当に度胸、すわっているな!」って(笑)。
木村:
ご自分で、百恵さんが対応されるんですか?
阿木:
百恵さんがスタッフにギターを持たせて、「そこであなたは、立っていればいいから!」って。
木村、澤田:
えー!?(笑)。
阿木:
(百恵さん自身が)そういうような仕切りをしていて。で、疲れを知らない。2ステージやってから、「阿木さん、これからちょっと食事に行きましょうよ!」とか。もう私、グタグタで見ているだけだったのに(笑)。
宇崎:
エネルギーがあるね。
木村:
何、食べに行くんですか?
阿木:
あのとき、何か食べに行ったんだけど、もう私はくたびれていて(笑)。
どこか地方・・・どこだか忘れちゃったんだけれど、一緒に行かせていただいて。その時、新幹線の隣の席に百恵さんが座っていて。そこにおばあさんが来て、百恵さんに気づいて「サインを(ください)」っておっしゃられて。それで、百恵さんが書こうとなさったのかな? それで、おばあさんが「百恵さんが大好きな孫が病気で・・・」みたいなことを言ったら、百恵さんが「あの、ごめんなさい」って(サインを断って)。後で、百恵さんに聞いたら「私、ああいう風に泣き落とししてくる人が嫌いなんです」とおっしゃったことがあって、私、本当にそれもびっくり! もうちょっと違う言葉だったんですけれど。「一人にサインをしたら、たくさんの人が来ちゃう。たくさんの人が来ると、周りの方に迷惑がかかる」っておっしゃって。
木村:
そこまで考えて(笑)。
阿木:
あの当時も、もし一人にサインをしたら、それこそ新幹線の車両にみんな来てしまう、それもそうだなって。それで18歳で「イエス・ノー」もしっかり、はっきりして。自分の意見もはっきりおっしゃるし。
木村:
周りの立場も考えて、ですから。
澤田:
「歌声が大人っぽいな」って思っていたんですけど、それ以上に人として、それだけで完成されていたんですね。山口百恵さんへのリクエストが来ていますので、ここで、ご紹介します。
秋田県、57歳 大館のありかさん。
宇崎さんと阿木さんの曲で好きなのは、山口百恵さんの「プレイバックPart2」です。清楚なイメージだった百恵さんが「馬鹿にしないでよ~」と歌うのは衝撃的でした。が、子ども心にかっこいいと思いました。
ということで、お聴きいただきましょう。山口百恵さんで「プレイバックPart2」。
♪「プレイバックPart2」山口百恵
「馬鹿にしないでよ」は阿木さんの本音!?
澤田:
山口百恵さんの「プレイバックPart2」、お聴きいただきました。
木村:
いやぁ。これも、何万回も聞かれたと思いますけど、なんで「Part2」なんですか?
阿木:
あぁ、そう。これ「Part1」っていうのがあるんです。プロデューサーのアイディアで「プレイバック」っていうタイトルでお題をいただいて、他の作曲家ともう一曲作って、それで、宇崎とも一曲作って。それで、他の方と作ったプレイバックは、アルバムに「Part1」として入っているので、プレイバックは2曲、あるんです。
宇崎:
(プロデューサーに)「書き直ししてほしい」って言われたんだよね?
阿木:
またこれ、書き直しだから3曲、作ったんだよね。私はね。
宇崎:
そうそう。あなた(阿木さん)はね。私は2曲。それがですね、「明日までに『Part2』を作ってほしい」という無茶ぶりだったんだね。
阿木:
1回目はボツになったからね。時間ギリギリになっちゃった!
宇崎:
だから、作詞家(阿木さん)は、一晩で書かなきゃいけなかった。
阿木:
そう、お互いに、本当に・・・(笑)。
木村:
いやいやいや、それはスゴイよ!
宇崎:
詞ができないと、曲も書けないので、(自分は、阿木さんの詞ができるのを)待っているわけですよ。そうしたら、詞を見たら「馬鹿にしないでよ!」みたいな。相当、頭にきたんだよな、(歌詞を)作りながら・・・。
木村:
「一晩でやれ」と! 「誰にいうとんねん、できるかー!」みたいな。
阿木:
でもね、ほんとに(笑)。
宇崎:
あれ(「馬鹿にしないでよ」という歌詞)、本気だよね!?
阿木:
本気で、もう「馬鹿にしないでよ!」って思っていた!! こんなに大変な思いをさせられて・・・。
木村:
すごいな! それ、おもしろいなー(笑)。
詳しくは、9時台「聴き逃し」で♪
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23/09/12まで
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