【出演者】
松村邦洋さん
堀口茉純さん
川久保秀一さん


2022年12月11日(日)放送の<DJ日本史>、テーマは『歴史を変えた、異人との出会い』。今ほど海外への行き来が簡単ではなかった、その昔。ひょんなきっかけで海の向こうからやってきた異人と出会ったことがその日本人の人生を変え、さらには国の歴史に大きな影響を与えたことがありました。文化も考え方も異なる異人との出会いがもたらしたものとは?

江戸時代の終わり、鎖国下の日本を開国へと後押しすることになった一つの出会い、見ていきましょう。
取り上げるのは、中浜万次郎、通称ジョン万次郎(まんじろう)と呼ばれた青年のお話です。

ジョン万次郎は元々、高知県で漁師見習いをしていた少年です。
14歳の時に漁に出ますが嵐にあって船は漂流、東京から580キロ南の無人島、鳥島(とりしま)に流されます。
そこでは島に飛んでくるアホウドリを食べることで5か月近く生き延びますが、アホウドリも島からいなくなってもうダメかという時、たまたま通りかかったアメリカの捕鯨船に仲間と共に保護されました。
そしてこの時出会った捕鯨船のアメリカ人船長との出会いが、万次郎の運命、そして日本の歴史を変えていくことになりました。
そのアメリカ人船長、ホイットフィールドという人物との出会いは何をもたらしたのでしょうか?


ホイットフィールド船長に助けられた万次郎たち。
しばらく捕鯨船でいっしょに過ごすことになったのですが、ここでの体験で万次郎は大きな衝撃を受けました。

捕鯨船の船員たち、それぞれ人種はバラバラでしたが、お互いを尊重し助け合うのは当たり前。
しかも、役職が上の人が威張ることはなく、逆にとても親切。
「日本とは大違いだ」
そう、万次郎は感じました。

やがて、進んで捕鯨船の作業を手伝うようになったことでホイットフィールド船長にかわいがられた万次郎、アメリカに行って勉強してみないかと誘われると、即座に「YES!」。
船長の支援で一流の学校に通わせてもらいアメリカ・マサチューセッツ州での新生活が始まるのですが、ここでまたまたショック!
特に驚いたのが、政治のリーダーは世襲ではなく人々の選挙によって選ばれていること。
ここでも万次郎は、日本とは全く違う社会のありように大きな衝撃を受けたのです。

やがてアメリカの難関校を優秀な成績で卒業した万次郎は、漂流から10年後、24歳で日本に帰国。
折しもこの時期、日本は外国から鎖国を解いて開国するよう迫られていました。
アメリカの実情を知る万次郎は急きょ幕府の旗本に取り立てられ、これからの外交について意見を求められます。
攘夷(じょうい)か、それとも、開国か?
揺れる幕府の重臣たちに向かって、万次郎は熱く語ります。

「世界の海では、お互い助け合うのが常識です。外国船に砲撃を加えるなどとても野蛮で危険なこと。今や世界は、お互い交易で繁栄していく共存共栄の時代なのです」

結局日本は、開国の道を選択。歴史は大きく転換することになったのでした。

DJ日本史「歴史を変えた、異人との出会い」①

DJ日本史「歴史を変えた、異人との出会い」②