【出演者】
松村邦洋さん
堀口茉純さん
川久保秀一さん


2022年10月2日(日)放送の<DJ日本史>は、シリーズ企画『ふるさとを救った人々』第1回。
荒れ果てた不毛の地を豊かなふるさとに生まれ変わらせた郷土の偉人たち。彼らはどうやって郷土をよみがえらせたのか? 民衆のために力を尽くした彼らの姿に迫りました。


江戸時代の中頃、現在の東京都府中市の村で名主をしていた川崎平右衛門(かわさき・へいえもん)は、幕府に見込まれて武蔵野新田開発の指揮を任されました。
これは江戸の周辺に広がる原野を切り拓くという大事業。
しかし、開拓が始まってから20年近く経っても一向に進んでいませんでした。

武蔵野新田開発は、水の便もよくない荒れた火山灰地に開拓村をつくり、あちこちから農民たちを移住させ開墾にあたらせていました。
しかし作業は過酷な上に、田畑を切り開いても作物はなかなか育ちません。
そのため、開拓村は困窮。働き手である男たちは開墾した田畑を放り出し、江戸へ出稼ぎに行ってしまうという問題が起きていました。
これでは新田開発は進むはずもありません。

そんな中、名主から抜てきされた平右衛門、開拓農民の気持ちをぐっとつかむアイデアで開発を軌道に乗せました。果たして彼がとった方法とは?


江戸へ出稼ぎに行ってしまう男たちを、どうやって村にとどめるか?
知恵者の平右衛門は、こう考えました。

「江戸には稼げる仕事があるから、男たちは行ってしまう。ならば、仕事をこちらへ持ってくればよい」

平右衛門は幕府にかけあい、村共有の井戸掘りなど公共事業を行います。
村に稼げる仕事ができると同時に、水利の問題も解決。まさに、一石二鳥!
さらに平右衛門のアイデアは、これだけにとどまりません。

そもそも男たちが出稼ぎに行くのは、家族を飢えさせないため。
ならば、家族が安心して食べていけるようにすればよい!

そこで、すごい仕組みの報酬制度を考えだしました。
報酬を与えるのは、土を掘ったりする働き手だけではありません。
平右衛門はなんと、父親や母親が働いている間、家で子守をする少女や老人にも報酬を与えました。
家の留守をしっかり守ることで、働き手は安心して作業ができる。だから、子守も十分工事に貢献している。そう考えたのです。

川崎平右衛門の知恵は、それまで一向に進まなかった新田開発に大いにはずみをつけていきました。

DJ日本史「ふるさとを救った人々①」①

DJ日本史「ふるさとを救った人々①」②