【出演者】
松村邦洋さん
堀口茉純さん
川久保秀一さん


2023年10月29日(日)放送の<DJ日本史>、テーマは「戦を生き抜く、スゴイ知恵」。激しい戦いを生き抜き勝利を収めるにはどうするか? その秘けつについて、中国の孫子は「兵は詭道(きどう)なり」と述べています。つまり、戦争とはだまし合い・欺き合いだ、というわけです。では、戦の現場で武将たちは実際にどんな策を考え実行したのでしょうか?

紹介するのは加賀藩の2代目藩主・前田利常(まえだとしつね)の話です。
前田利常は1614年、大坂冬の陣に徳川方として出陣します。当時20歳の利常、合戦では厳しい状況にも直面しますが、そんなピンチをなかなかのポーカーフェースで切り抜けました。
危機を乗り切った、そのおとぼけぶりとは?


1万以上の大軍勢を率いて参陣した前田利常、大坂冬の陣では城の南の小高い丘に布陣します。対する正面の敵は、あの猛将・真田幸村(さなだゆきむら)。

あるとき突如、パパパパーン、と一帯にとどろく激しい音が鳴り響きました。敵の真田の鉄砲隊が盛んに撃ちかけてきたのです。
あまりの激しさに、前田利常の近習たちは真っ青! 彼らが言うに、「ここは一旦丘を下り、丘の陰に隠れてはいかがでしょうか」
ところが前田利常は押し黙ったまま全く動こうとしません。逃げたように見られるのが嫌だったのでしょうね。
大将である利常の身に何かあれば一大事。さあ、どうする?

そのとき、一人の年老いた家臣がやってきました。
その家臣は周囲にとどろく鉄砲の音などどこ吹く風、のんびりした口調で言います。
「今日は冷たい風が吹いておりまするな。このままだと風邪をひかれますぞ。ここは、この丘を下りてお移りなさいませ」
すると前田利常、「いかにもここは風がきつい。そのほうが申す通りにいたそう」
そう言って、ようやく丘の陰に下りていったのでした。

DJ日本史「戦を生き抜く、スゴイ知恵」①

DJ日本史「戦を生き抜く、スゴイ知恵」③