【出演者】
松村邦洋さん
堀口茉純さん
川久保秀一さん


2023年10月29日(日)放送の<DJ日本史>、テーマは「戦を生き抜く、スゴイ知恵」。激しい戦いを生き抜き勝利を収めるにはどうするか? その秘けつについて、中国の孫子は「兵は詭道(きどう)なり」と述べています。つまり、戦争とはだまし合い・欺き合いだ、というわけです。では、戦の現場で武将たちは実際にどんな策を考え実行したのでしょうか?

戦で不利な状況に陥りピンチを迎えたとき、どうするか? 敵を欺くことで窮地を脱した実際の例、ご紹介しましょう。


近江の国(今の滋賀県)の南部を治めていた大名・蒲生貞秀(がもうさだひで)の話です。
1503年、蒲生貞秀は時の実力者・細川政元(ほそかわまさもと)の軍と衝突、城を取り囲まれてしまいます。
蒲生貞秀が立てこもったのは、要害の地に建つ音羽城(おとわじょう)。
ですが敵もさるもの、城の水の手を断ったため、音羽城は風前のともし火となりました。

ところが、城を遠巻きにする敵が目にしたのは、驚くべき光景でした。
なんと、城の中では兵が馬の背中におけの水をかけ馬の体を洗っているではありませんか。その様子に、敵軍は舌打ちしきり。
「しまった! 城には思ったより水がある!」
敵はあわてて退却。そこを蒲生貞秀、城から討って出てさんざんに破りました。

では、城には水がふんだんにあったのか? いいえ、そうではありません。
馬を洗うおけに入れていたのは水ではなく、実は米。遠くの敵兵の目には、おけに入れた米が水に見えたのでした。

こんな例もあります。
1614年、徳川と豊臣が戦った大坂冬の陣でのこと。徳川方の北川久太夫という武士が、大坂湾の河口近くにある豊臣方のとりでの偵察に出かけました。
小舟に乗って、そろりそろり近づく北川久太夫。ところが、とりでの敵に発見されてしまいました。
折悪しくこの時は引き潮。水深が浅くなり船は自由に動かせません。そこへ、敵は雨あられと鉄砲を撃ちかけてきました。
玉は久太夫の船のそばにも着弾。もはやこれまで、か。

このとき北川久太夫、手元に持っていた鉄砲玉に目をとめました。そして、1つの策を試します。
久太夫は敵が鉄砲を撃つたび持っていた鉄砲玉を離れた所へ投げて、ポチャン!
すると敵は、自分たちの撃った玉が久太夫の小舟から離れた場所に着弾したと錯覚。狙いを修正した結果、玉ははずれっぱなし。

こうして北川久太夫は窮地を切り抜けることに成功。潮が満ちるのを待って、無事引き揚げていったのでした。

DJ日本史「戦を生き抜く、スゴイ知恵」②