【出演者】
松村邦洋さん
堀口茉純さん
川久保秀一さん
2023年6月25日(日)放送の<DJ日本史>、テーマは「あの言葉は、歴史上の人物から生まれた」。
私たちが何気なく使っている言葉の中には、歴史上の人物の名前から生まれたものもあります。多くの人が口にする言葉になるほど強い印象を残した人物は一体、どんな人だったのか? そして、当時の人々にどのようなインパクトを与えたのでしょうか?
ご紹介するのは「のろま」という言葉。
この言葉の語源になったと言われる人物の名前は、野呂松勘兵衛(のろまつかんべえ)。江戸時代初めに活躍した人形つかいでした。
彼がどんな経緯で「のろま」という言葉の語源になったのでしょうか?
野呂松勘兵衛の人形劇は浄瑠璃の幕間(まくあい)、一場面が終わって次の幕が開くまでの短い間に演じられたものでした。
内容はコミカルな寸劇、つまり、お笑いショートコント。
そこに登場する野呂松勘兵衛の人形は、見た目がとてもユーモラスなものでした。
唇がちゅんと突き出て口元にはチョビひげ。頭は平たく、愛きょうあふれる姿です。
それが、間の抜けた動きで人々を笑わせました。
この野呂松勘兵衛の扱う人形は、たちまち江戸で評判になります。
すると、ちょっぴりおばかでとんまな人のことを「あいつは“のろまつ”だ」というようになりました。
これがやがて「のろま」という言葉になっていった、と言われています。