【出演者】
松村邦洋さん
堀口茉純さん
川久保秀一さん


2023年6月4日(日)放送の<DJ日本史>は、シリーズ企画「家康の家臣団」第3弾。徳川家康がとりわけ厚く信頼した腹心中の腹心、本多正信(ほんだまさのぶ)・正純(まさずみ)親子の実像に迫りました。

徳川家康の天下取りで大きな役割を果たした本多正信、そしてその息子、正純
家康のよき相談相手でありながら、一方では他の家臣たちに嫌われ悪評ふんぷん。徳川家中で、少し浮き上がった人物でもありました。
一体、彼らは家康にとってどんな存在だったのでしょうか?


本多正信は家康にとって、他の人に代わりがきかない息の合った相談相手、なくてはならないバディでした。
本多正信の家康への接し方、これが絶妙でした。
たとえ考えが違っても家康の気持ちを逆なでしない、かと言って、決してお追従はしない。
たとえば、こんな具合です。

家康の言うことが自分の考えと違うとき、どうしたか?
本多正信、居眠りを装って聞こえないふりをしました。つまり、反論したりせず違う答えが出てくるのを待ったのです。
逆に、家康の意見が自分の思いと合ったときは一転、こう言います。
「結構、この上なし」
そして、ことばを尽くして家康を褒めあげました。
あうんの呼吸でやりとりする2人の姿、目に浮かんできますね。

こうして家康と強い絆で結ばれた本多正信、重大な局面で家康を導きます。
その1つ、天下分け目の関ヶ原の戦いの1年前のこと。
家康は、宿敵石田三成を討ち取る絶好の機会に遭遇します。豊臣の家臣団が分裂して石田三成は襲撃され逃げ場を失ったのです。
ここで本多正信、家康に策を授けます。
「少し回り道になりますが、今は一旦、石田三成を助けましょう」

つまり、ここで石田三成一人を倒しても仕方ない、ここは三成を助けておいて後に挙兵させ、その上でまとめて三成に味方する敵をたたいてしまおう、そう提案したのです。
このもくろみは見事的中! 天下は家康の元に転がり込んできました。

その後、本多正信は息子正純とともに政権の基礎固めに大いに貢献します。
家康は江戸幕府を開いた後、自分は駿府(今の静岡)に移って大御所として君臨、そこから江戸にいる息子の秀忠に指示を出して全国支配を進めるのですが、このとき江戸の秀忠には父の本多正信、駿府の家康には息子の本多正純がつきます。
こうして親子一つになって、家康の指令を行き渡らせていったのです。

DJ日本史「家康の家臣団 第3弾」②