どうして冬に咲く花は虫があまりいないのに受粉できるの?

質問者ひなたくん

放送日2020年3月20日(金)

ざっくり言うと
なすひなたくん(小学3年生・愛知県)からの質問に「植物」の塚谷裕一先生が答えます
お茶の花、ヤツデ、ビワ、サザンカ、梅、ツバキ…。冬もたくさんの植物が花を咲かせているけど、どうやって受粉しているの?
冬にも意外と虫や鳥がいるので、ほかの花が咲いていないうちに咲くほうがいいこともあるよ

テーマ

植物 塚谷裕一先生

放送を聴く
2020年3月20日(金)放送より

記事を読む

放送日時:2020年3月20日(金)午前8時18分ごろ~午前8時26分ごろ

吾妻アナ:吾妻謙アナウンサー
塚谷先生:塚谷裕一先生(東京大学大学院理学系研究科教授)
川上先生:川上和人先生(森林総合研究所主任研究員)
ひなたくん:質問者


吾妻アナ: おはようございます。
ひなたくん: おはようございます!!
吾妻アナ: あっ、元気ですね~。お名前と学年を教えてください。
ひなたくん: ひなたです。3年生です。
吾妻アナ: 3年生のひなたくん、どんな質問ですか?
ひなたくん: どうして、冬に咲く花は虫があまりいないのに受粉できるのですか?
吾妻アナ: なんでその質問を思いついたんですか?
ひなたくん: えっと、植物を見て思いつきました。
吾妻アナ: 虫がたくさんいるときは虫が受粉してるけれども、虫がいないときにどうやってるのかな? って思いついたんだね。
ひなたくん: はい。
吾妻アナ: では、植物については塚谷先生です。お願いします。
塚谷先生: ひなたくん、おはようございます。
ひなたくん: おはようございます。
塚谷先生: 冬に咲く花って、どんなのを例えば見たことありますか?
ひなたくん: えっと……、名前は知らないです。
塚谷先生: そうなのね。身近なところだと、冬の初めだとお茶の花が咲くんですよね。それからヤツデが咲いたり、あと、ビワの実を食べることあるでしょう? ビワの花も真冬に咲くんですよね。ずいぶんかかって、梅雨(つゆ)どきに実がなるんですけど。あと、サザンカとか。
ひなたくん: へぇ~。
塚谷先生: 梅とかツバキも咲きますよね。結構、冬に咲いてる花は多いんですよ。質問は、「なんで虫が少ないのに大丈夫なのか?」ってことですよね。
ひなたくん: はい。
塚谷先生: でも、よ~く見てもらうと、例えばビワの木ね。みんなビワを食べたあと種をよく植えるから、民家の庭先のビワ木に花が咲いているのを身近に見られると思うんですけど。今度、花が咲いたときに見てもらうと、いい香りがするんですよ。あれは白い花なんですけど、木の下をちょっと通ったぐらいで感じるくらい、甘いような、いい香りがするんですね。あれはやっぱり、虫を呼んでいるんですよ。「何が来るのかな?」って今度見てもらうと、冬のさなかでも結構ハチの仲間、アブ、ハエとかが、わりとひだまりに、暖かいときには飛んでいるんですよね。
ひなたくん: へぇ~。
塚谷先生: ビワとかを見ていると、そういうのが香りにひかれて来てます。だから寒くてもね、それなりに虫がいるのでやっていけるんですね。
あと、庭先だとヤツデっていう葉っぱが大きいの、分かります?
ひなたくん: はい。
塚谷先生: ヤツデも冬に白い花が球(たま)状に固まったのが咲くんですけど、あれもハエとかアブが来てますね。
ひなたくん: へ~。
塚谷先生: わりと白い花が多いですね、冬。殺風景な中で、ちょっと白く目立つようにしてるのかな? そういうところに来てるのは、そういうハエとかアブとか。あとは、ちょっと寒くても自分で体温を維持できるようなタイプのハチとかが気温が暖かいときに見計らって来てるので、それでやっていけるんですね。
あとは、ツバキの花が冬の終わりぐらいから春先にかけてちらほら咲くんですけども。あれは、見てると鳥が来ます。
ひなたくん: へ~。
塚谷先生: 特にツバキみたいに赤い花というのは鳥用なんですけど。ツバキの木がちょうど今、まだ咲いてると思うので見てもらうと、中に鳥が引っかいたあとがあります。ツバキの花は、まだ咲いているから今度試してみてほしいんですけど、花の根元にたっぷり蜜(みつ)があって、人間がなめてもしっかり甘い蜜があるんですよ。
ひなたくん: へぇ~。
塚谷先生: それをなめにメジロとかがよく来ていて、花びらに直接つかまって花の蜜を吸うもんだから、花びらがよく爪跡で傷だらけになっているくらい、鳥が来ます。この辺は、鳥の川上先生にちょっとフォローしてもらって。
川上先生: すみません、ウチの鳥が迷惑をかけて申し訳ございません(笑)。
でも、鳥とツバキはとても両方にとっていい関係で、鳥は食べ物がもらえるし、ツバキは受粉してもらえるという、すごくいい関係が作られているので、ぜひ近所で観察してもらいたいところですね。
塚谷先生: ツバキの花の写真を撮ろうと思うと、みんな鳥が引っかいて傷つけちゃうから、写真が撮りにくいんですよね(笑)。
そのくらい冬でも来てる虫とか鳥とかいるので、やっていけるというのが、それでも冬に花が咲いている理由ということになると思います。
ひなたくん: はい。
吾妻アナ: 冬には花も昆虫も少ないけど、少ない中でもちゃんと役割を果たしているという考え方でいいですかね。
塚谷先生: そうですね。これから春になると一斉に花が咲くじゃないですか。そうすると、花同士で今度は虫の取り合いになっちゃうんですね。花粉を運んでほしいのに、虫の数が足りなくなって、花が派手とか、香りがいいのとか、蜜がたっぷりあるほうにみんなが行っちゃうので、花同士で競争が始まっちゃうんですよ。
ひなたくん: はぁ~。
塚谷先生: そうすると、花も大変じゃないですか。だから冬場の、まだあまり競争相手がいないときに咲いておくほうが、少しラクというのもありますね。
ひなたくん: あぁ~。
吾妻アナ: 春とかはたくさん花が咲いて虫もたくさんいるんだけれど、取り合いになってしまうんですって、ひなたくん。冬は冬で花も昆虫も少ないけれども、鳥などの助けもあって、受粉はちゃんとできているということなんですね。分かります?
ひなたくん: はい、分かります。
吾妻アナ: 大丈夫ですか。どうもありがとうございます。
ひなたくん: ありがとうございます。
吾妻アナ: また質問があったら電話してくださいね。
ひなたくん: はい。
吾妻アナ: 先生、やっぱり少ないと思っているけれども、毎年しっかり咲いて、種も残しているということは、困るっていうことではない?
塚谷先生: そうですね。逆にいっぱい咲いてると、虫の取り合いになるだけじゃなくて、他の花の花粉、種類が違う花の花粉を持って来られちゃうこともあって、困るじゃないですか、混ざっちゃって。そういう繁殖干渉(はんしょくかんしょう)というのが起きるんですけど、よく似た花がいっぱい咲いていると、虫もいろんな花粉を持ってきちゃうので、「自分の花粉が欲しいのに、人の花粉ばかり来る」みたいなことも起きたりするので、あまり種類が咲いてないときに咲いておいたほうが、いろいろラクはラクなんですよね。
吾妻アナ: そして、昆虫だけでなく鳥によっても受粉は行われている。
塚谷先生: 冬は鳥も活発に活動しているので。
吾妻アナ: 冬は鳥が活発だから、鳥による受粉もあるということなんですね。なるほど。ありがとうございます。

放送を聴く
2020年3月20日(金)放送より

関連

新着