ミイデラゴミムシは、おなかの中に100度のガスが入っているのに、やけどしないの?

質問者しょういちくん

放送日2019年8月1日(木)

ざっくり言うと
くがしょういちくん(小学校5年生・佐賀県)からの質問
昆虫の丸山宗利先生が回答
ミイデラゴミムシはおなかの先端でガスを作って、瞬間的に吹き出すので、体に熱が伝わりません。

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昆虫 丸山宗利先生

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2019年8月1日(木)放送より

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放送日時:2019年8月1日(木)午前11時30分ごろ~午前11時37分ごろ

山本アナ:山本志保アナウンサー
丸山先生:丸山宗利先生(九州大学総合研究博物館准教授)
清水先生:清水聡司先生(大阪府営箕面公園昆虫館 副館長)
久留飛先生:久留飛克明先生(非営利団体 昆虫科学教育館 館長)
しょういちくん:質問者


山本アナ: それでは、つながっているお電話、ご紹介しましょう。佐賀県からのお電話です。こんにちは。
しょういちくん: こんにちは。
山本アナ: はい、お名前と学年をどうぞ。
しょういちくん: くがしょういちです。5年生です。
山本アナ: はい、小学5年生のくがしょういちくんです。昆虫についての質問、どんなことがありますか?
しょういちくん: ミイデラゴミムシは、おなかの中に100度の高温のガスが入っているのに、自分は…。
山本アナ: うん。
しょういちくん: 自分はやけどしないのか、っていう。
山本アナ: ほぉ。
しょういちくん: 気になり…。
山本アナ: ますね! 心配ですね! 聞いてみましょう。丸山先生が目をらんらんと輝かせて待っています。
丸山先生: (笑)。
山本アナ: どうぞ先生! お答えを!
丸山先生: はい。しょういちくん、こんにちは。
しょういちくん: こんにちは。
丸山先生: それ、どこで見たの? その話は。
しょういちくん: えっと、図鑑にのっていたから。
丸山先生: うん、うん。そっかそっか。そう、ミイデラゴミムシはね、100度のオナラをすることでとても有名な虫だよね。
しょういちくん: はい。
丸山先生: うん。それでね。ホントはね、最初から100度のオナラがおなかに入っているわけじゃないんだよね。
しょういちくん: へぇ~。
丸山先生: うん。あのね、おなかの中に、2つ大きな袋があって。
しょういちくん: はい。
丸山先生: 1つの袋にね、ヒドロキノンっていうものが入っているの。液体。
しょういちくん: うん?
丸山先生: で、もう1つの袋にね、過酸化水素っていう液体が入っているの。
しょういちくん: はい。
丸山先生: それで、敵に襲(おそ)われたとき。例えば、カエルとかに襲われそうになったときに、一瞬でね、その袋から2つの液体を出して。さらに、おなかの先端に袋があって、そこにね酵素(こうそ)…分かるかな?
しょういちくん: はい。
丸山先生: うん。さらにその2つの液体の反応を早めるような、酵素っていうものがあって。それが一瞬で混じり合って、100度のガスになるんだよね。だから、おなかの中にあるときはね、ミイデラゴミムシの体と同じ温度の液体が入っていて、敵に襲われたときに瞬間的に、おなかの中のその2つの袋から出たものが、おなかの先端で混じり合って、それで100度のオナラとして、変化して出てくるわけです。
しょういちくん: はい。
丸山先生: うん。ちょっと難しいかな?
山本アナ: 100度ってすごいですね!
丸山先生: そうなんですよ。だから人間がさわっても、手の先を軽くやけどしてしまうくらい、熱いって分かりますね。
山本アナ: はい。で、質問にある「ミイデラゴミムシ自体がやけどしないか?」ということは?
丸山先生: そうですね。だから、ミイデラゴミムシ自体はですね、おなかの先端で100度のガスを作って、瞬間的に吹き出してしまうので、体自体にはですね、100度の温度はなかなか行きわたらないのと。あと、おなかの先端の袋自体がすごく丈夫なつくりになっていて。簡単に体に熱が伝わらないようになっているんですね。
しょういちくん: はい。
山本アナ: うん。おもしろい攻撃ですね。高温のオナラ?
丸山先生: オナラですね。
一同: (笑)。
山本アナ: 高温のオナラで敵を撃退するという。
丸山先生: 実際に「プッ!」という音がします。捕まえると。
山本アナ: えっ!? 「プッ!」と?
丸山先生: はい。
丸山先生: それで、例えば背中の方をさわると、ちゃんと背中の方に向けて、そのガスを「プッ!」って出すようにできるんですよね。方向も変えられるんです。
山本アナ: へぇ~!
丸山先生: はい。
山本アナ: そんなふうに、おしりの向きというんですかね? 変えられるんですか?
しょういちくん: ええ。
山本アナ: へぇ~! しょういちくん、知ってた?
しょういちくん: いや、知りませんでした。
丸山先生: だから、すごいね、よくできているんだよね。
山本アナ: へぇ~。
清水先生: だから、色、変わっちゃうんですよね。皮膚(ひふ)につくとね。
丸山先生: ええ。手が茶色くなっちゃいますよね。
山本アナ: えっ!? 今、清水先生からお声が出ましたよ?
清水先生: (笑)。
丸山先生: (笑)。
山本アナ: 色が変わるっていうのは?
清水先生: タンパク変性(へんせい)しちゃうんで。手ってタンパク質じゃないですか?
山本アナ: 人間の手がですね。
清水先生: はい。人間の手ね。色が変性するんです。成分変わっちゃうというか。え~と、何て言う? 何て言ったらええん? 成分変わっちゃうっていうの(笑)。
丸山先生: 何でしょう?
山本アナ: そのオナラで?
清水先生: やけど。科学的やけどですよね。
丸山先生: そうですね。
山本アナ: えぇーっ!
清水先生: ただ表面だけで、中まではたぶん大丈夫だと思うんで。一瞬なんでね。
山本アナ: あ~、はい。
清水先生: だから、カメムシのね、におい成分でも変性するじゃないですか。僕、去年、自転車こいでて目に入って大変やったんです。
山本アナ: えぇ…(笑)。
清水先生: もう、メッチャ目、痛かったです。
山本アナ: あっ、そうなんですか。その物質で指が…。
丸山先生: 茶色くなっちゃいます。
山本アナ: 茶色くなっちゃう?
丸山先生: ええ。
山本アナ: あらま!
丸山先生: 1か月くらい、ちょっと残っちゃいますね。
山本アナ: えぇー!
丸山先生: はい(笑)。
清水先生: (笑)。名誉の負傷ですよね。
山本アナ: そんなことがあるんですって!? しょういちくん。
しょういちくん: はい。
山本アナ: うん。いや、いや、いや。でも…。
久留飛先生: 体から、そういう違うものを出す昆虫って、けっこう多いですよ。
山本アナ: へぇ~、例えば?
久留飛先生: 今、清水先生が言ったみたいに、カメムシも、おなかのところにそういう出す穴があるから、さわるとプッと出て。くさいだけではなくって、それが炎症(えんしょう)を起こして、ホントに皮膚がただれるという。私もありました。
清水先生: (笑)。
久留飛先生: 下着の中にカメムシがいて。
山本アナ: えっ!?
一同: (笑)。
久留飛先生: で、思わずこれをはいてしまったときに、すごいにおいがして。カメムシのにおいだけならよかったんですけど。その、股のあたりがすごく炎症を起こして。
一同: えぇー!(笑)。
久留飛先生: これはやっぱりすごい威力があるなと。
山本アナ: あら!
久留飛先生: ミイデラゴミムシほどではなかったですけれども。
山本アナ: (笑)。
久留飛先生: だから、体からそういうものを出す昆虫って、けっこういると思いますね。
山本アナ: すごい体の守り方ですね。
久留飛先生: すごいですね。
山本アナ: でも、そのとばっちりを受けた久留飛先生も災難でしたね。
久留飛先生: いや、いい実験になりました。
一同: (笑)。
久留飛先生: (笑)。大丈夫です。
山本アナ: (笑)。そうでしたか。しょういちくん、ミイデラゴミムシにはそういう体の仕組みがあって、虫自身は大丈夫なのだそうです。これで大丈夫でしょうか?
しょういちくん: はい。
山本アナ: はい。質問を寄せてくれてありがとう。
しょういちくん: はい。
山本アナ: はい。ステキな夏休みを過ごしてください。
しょういちくん: はい、ありがとうございました。
山本アナ: はい、こちらこそ。さようなら。

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2019年8月1日(木)放送より

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