タイムスリップするには何が必要なの?
質問者げんきくん
放送日2019年7月30日(火)
- せがわげんきくん(小学校4年生・埼玉県)からの質問
- 科学の竹内薫先生が回答
- ワームホールが必要です。ただし、発見されていません。
科学・竹内薫先生
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放送日時:2019年7月30日(火)午前10時12分ごろ~午前10時21分ごろ
山本アナ:山本志保アナウンサー
竹内先生:竹内薫先生(サイエンス作家)
坂本先生:坂本真樹先生(電気通信大学教授)
岡嶋先生:岡嶋裕史先生(中央大学 国際情報学部 教授/ 学部長補佐)
げんきくん:質問者
山本アナ: | まずはですね、埼玉県にお住まいの方です。電話つながっていますか? こんにちは。 |
---|---|
げんきくん: | こんにちは。 |
山本アナ: | はい。よろしくお願いします。 |
げんきくん: | よろしくお願いします。 |
山本アナ: | はい! 元気です。お名前と学年をお願いします。 |
げんきくん: | げんきです。小学4年生です。 |
山本アナ: | げんきくんは、科学で聞きたいことがあるとうかがっています。どんな質問ですか? |
げんきくん: | タイムスリップするためには何が必要ですか? |
山本アナ: | ほう! タイムスリップ! これは時間を…時代をこえたいとか、ちがう時代に行ってみたいということだと思うのですが、げんきくんはどんな時代に行ってみたいのですか? |
げんきくん: | えっと、問題がわかんなかったテストをやってるとき! |
山本アナ: | (笑)。なるほど! ちょっとさかのぼって調べてみたいなとか思うときが、あるのかもしれませんが…えー、なるほどなるほど、そういうちょっと切実な問題があったりするわけですね。これはじゃあ竹内先生に聞いてみましょう。 |
竹内先生: | えー、それでは、かおる先生がお答えします。 |
げんきくん: | はい。 |
竹内先生: | えっとですね、げんきくんはアインシュタインって聞いたことありますか? |
げんきくん: | はい! |
竹内先生: | アインシュタインがねえ、「一般相対性理論(いっぱんそうたいせいりろん)」という難しい理論を考えました。で、それで重力って分かりますか? |
げんきくん: | はい。重力、わかります。 |
竹内先生: | 重力がすごく強くなると、宇宙に穴ぼこが開いてしまうんですね。 |
げんきくん: | え??? |
竹内先生: | それね、ブラックホールっていうんだけど。 |
げんきくん: | あーーー!!! |
竹内先生: | ね!そのブラックホールのほかにもワームホールというのがあります。知ってる? |
げんきくん: | うーん…なんか聞いたことあるけど、なんだかよくわかんない。 |
竹内先生: | そう、ワームホールっていうのは宇宙の虫食い穴のことです、ね。さあ、それでえっと、キップ・ソーン博士という人がタイムスリップの方法を論文にしました、ね。それはね、えっとこうやるんです。ワームホールというのは宇宙の穴ぼこなんだけど、それはトンネルみたいなもんなのね。 |
げんきくん: | はい。 |
竹内先生: | トンネルって、どこかにほら、近道とかできるでしょ? |
げんきくん: | はい。 |
竹内先生: | それでそのワームホールをゆらすのね。で、これは力をかけてゆらすんだけども、力がかかったりすると、実は時間が遅(おく)れるということをアインシュタインが証明しました。 |
げんきくん: | うん。 |
竹内先生: | うん。そのワームホールという宇宙のトンネルをゆらします。そうすると時間が遅れます。いい? |
げんきくん: | はい。 |
竹内先生: | ワームホールを通って宇宙の別のところに出てくると、実は過去に戻ることができるって言うのをキップ・ソーン博士という人が論文に書いたんですよ。 |
げんきくん: | ほう…。 |
竹内先生: | うん、ということは、だから、必要なものというのは、まずワームホールです。 |
げんきくん: | え? |
スタジオ: | (笑)。 |
竹内先生: | えー、それが…これはまだ見つかっていません! |
げんきくん: | えー! |
竹内先生: | うん、なので宇宙のどこかにワームホールを見つけるか、あるいはちょっとテクノロジーが進歩してワームホールを作るか。ね。それをやって、それからワームホールをゆらす。 これもどうやってゆらせばいいのか、わかんないけどゆらします。そしてロケットを使ってワームホールでグーッと宇宙で、まあちょっとトンネルを旅すると、むかし、過去(かこ)、にもどれるので、そこでもう1度試験を受けてみてください。 |
げんきくん: | はい。 |
竹内先生: | なんか大変だよね。 |
げんきくん: | え、じゃあ…。 |
竹内先生: | はい。 |
げんきくん: | 今すぐできる方法はないってことですか? |
竹内先生: | 残念ながらね、それはないね! |
げんきくん: | えー…。 |
竹内先生: | なので今できることは、いっぱいお勉強して、次のテストでがんばることでしょうね! |
げんきくん: | えー。 |
山本アナ: | ちょっとげんきくんが意気消沈(いきしょうちん)してしまったので、なんとかね…宇宙にそういうふしぎな穴があって、そこを見つけ…。 |
竹内先生: | 見つけて。 |
山本アナ: | それをゆらす方法を見つけ…。 |
竹内先生: | ゆらす。 |
山本アナ: | そこを使うと過去にもどれるということ…。 |
竹内先生: | まあ、おそらくロケットで通り抜けるでしょうね。 |
山本アナ: | しかし、げんきくん…。 |
げんきくん: | ちなみにちょっと聞きたいことがあるんですけど…。 |
山本アナ: | なんでしょう? どうぞ。 |
げんきくん: | ワープはできるんですか? |
竹内先生: | はい。ワープもね、このワームホールを使うんですよ。 |
げんきくん: | へぇ~。 |
竹内先生: | ふふふ(笑)。で、そうするといっしゅんにしてずっと遠くに行くことができるんですね。ただ、このワームホールというのはあの理論的に考えられているものであって、まだ見つかってないんだね。 |
げんきくん: | え~。じゃワープもタイムスリップもできないってことですよね。 |
竹内先生: | そう。だから一番大事なのはワームホールなので、げんきくんが、このワームホールの研究をして、それで発見すればいいんじゃないかな? |
げんきくん: | ええ~? |
スタジオ: | (笑)。 |
山本アナ: | なにかこう、げんきくんをこう元気づける、なにか方法、ほかの2人の先生、ございませんでしょうか? 坂本先生? |
坂本先生: | いやぁなんかでも…本当あったら私はどっちかっていうと、げんきくんと同じで「あったらいいのになぁ!」って思ってしまっているのですみません(笑)。先生としての役割を果たしてないですけども、確かにないですよね。まだ。 |
山本アナ: | ねぇ過去にさかのぼってね。テストやり直ししたいっていう場合、どうしたら? |
岡嶋先生: | いっぱいありますよね。 |
山本アナ: | みな、全員思い当たるふしが…。 |
スタジオ: | (笑)。 |
竹内先生: | あります! あります! |
山本アナ: | あるということで…なるほどなるほど。今のところいっしょけんめい勉強して、次のテストにいどむというのがいいのですか? |
竹内先生: | はい。あの、げんきくんは、科学が好きですか? |
げんきくん: | はい? |
竹内先生: | 科学、好き? |
げんきくん: | はい! 科学、好きです。 |
竹内先生: | で、あと宇宙も好き? |
げんきくん: | はい。 |
竹内先生: | だったら、いっしょけんめい勉強して、将来(しょうらい)、宇宙を研究する学者さんになったらどうですか? |
げんきくん: | あ~。でも家にあんま倍率のよい望遠鏡ない…。 |
竹内先生: | ああ、そうか。望遠鏡…ないの残念だけど、望遠鏡なくてもお勉強できると思うんだよね。 |
げんきくん: | 一応、望遠鏡はあるんですけど、月くらいしかよく見えない。 |
竹内先生: | そっかあ~。じゃあ、ちょっと自分で望遠鏡を作るっていうのはどうかな? |
げんきくん: | え? 作る? |
山本アナ: | 作れるんですか? |
竹内先生: | 作れますよ! |
げんきくん: | なにが…じゃあどうやって作るんですか? |
竹内先生: | えっとね。ガラスがまず必要なので、レンズというのが必要ですよね。 |
げんきくん: | あー、レンズ。 |
竹内先生: | うん。レンズというのをまず買ってこなくちゃいけない。本当は自分でみがくこともできるんだけど、それはちょっと大変かもしれないね。 で、あとは何かつつみたいなものがあったら、レンズとうまく組み合わせると、結構遠くが見える望遠鏡を作れるんですよ。 |
げんきくん: | へぇ~。 |
竹内先生: | だから、そこから始めてみるのも手かな? |
げんきくん: | そのレンズってどんくらい? 結構いいやつのほうがいいですかね? |
竹内先生: | ええそうね。それは確かにいいやつの方がいいんだけど、レンズそうすると、ちょっと高くなっちゃうから、えー…。うんでもね、天体望遠鏡じゃなくても、鳥を観察する人とかも使ってるのがあるんですよ。レンズって。 |
げんきくん: | へー。 |
竹内先生: | で、1枚か2枚ですごく解像度が良い、よおく遠くが見えるそういった望遠鏡が作れるんで、ちょっと研究してみたらどうですかね? |
げんきくん: | じゃあ、先生がオススメするレンズの倍率って何倍率ですか? |
竹内先生: | あ! 倍率はね。ちょっとこれがまた難しくて…。えっと…えっとね倍率というよりかね、何ミリっていうふうなレンズの呼び方をするんですよ。あと100ミリとか、200ミリかとか、500ミリレンズとかね。そういう言い方するのね。それでかおる先生は鳥を撮るのが大好きなので、すごく大きなレンズ持っていて、それは500ミリぐらいなんですよ。 |
げんきくん: | 500ミリってどういうことですか? |
竹内先生: | あのね。月がねすごく大きく見えて、多分クレーターとかもちゃんとね、映るんですよ。 |
げんきくん: | ええー!? |
竹内先生: | ね。だからちょっとレンズのことも勉強してみてほしいな。 |
げんきくん: | それって何円くらいしたんですか? |
スタジオ: | (笑)。 |
竹内先生: | それはね…ええっと、ちょっとかおる先生の持ってるレンズはないしょなんだけど、ないしょなんだけど(先生あせり)、えっとそんなに高くなくても、いいレンズ売ってますよ。おこづかいだとちょっと…。 |
げんきくん: | えー。そんな高くないんですね。 |
竹内先生: | だから、ちょっとおこづかいでギリギリかもしんないな… |
げんきくん: | えー。おこづかい6千円しかない…。 |
山本アナ: | おー! 6千円あるんですね。 |
竹内先生: | もうちょっと貯めると買えるかもしれない。 |
げんきくん: | どれくらい貯めたらいい? |
竹内先生: | えっとね、やっぱり2万円とか… |
げんきくん: | (びっくりした声で)2万円!? |
スタジオ: | (笑)。 |
竹内先生: | それぐらいになっちゃうかな? |
げんきくん: | えー! |
竹内先生: | ちょっと高いよね。 |
げんきくん: | じゃあ、あと…。ほぼ4か、3倍くらい貯めないと…。 |
竹内先生: | そう。 |
山本アナ: | うんうん。 |
竹内先生: | じゃあまあ、レンズだけじゃなくていいので、あの本とかね読んで、アインシュタインの勉強を、じゃあ始めるっていうのもいいかもね! |
げんきくん: | あー。 |
山本アナ: | それでおこづかいも貯めつつ、勉強もしつつ、いつかですよ、ワームホールを見つけたあかつきには、もはやもうテストをやり直したいというふうなね、あのレベルじゃないすんごいげんきくんになってると思います。ぜひ見つけてください。 |
げんきくん: | はい。 |
山本アナ: | どうもありがとうございました。 |
げんきくん: | ありがとうございました。 |
山本アナ: | お電話ありがとう。 |
げんきくん: | ありがとうございました。 |