8月30日(木)で後半の放送もあと2日となり、終盤を迎えた「夏休み子ども科学電話相談」。この日も全国のお友達からたくさんの質問が寄せられました。そんな中、暑い夏にひとときの涼を届けるちょっと怖い質問が!
東京都の小学校3年生・にしわきれいさんから届いたのは、
「もしブラックホールが地球を吸い込んだら、どうなるんですか?」
という質問。
なんだか背筋がゾッとする怖いお話の予感が…。
暑い夏にはピッタリな質問でしょうか。
この質問に答えてくれたのは、天文・宇宙の本間希樹先生です。
ご専門は、銀河系天文学、位置天文学、そして、ブラックホール観測。
なので、ブラックホールはお手の物!?
そのことを知っているリスナーが結構いるようで、
―本間先生、またブラックホールの質問ですよ!
―ブラックホールといえば本間先生。
などと反応がありました! う~ん、よくご存じですね。
どうなるのか?には、2つの視点があります。
1つは「吸い込む側」。そしてもう1つは、「吸い込まれる側」です。
本間先生がまず答えてくれたのは、「吸い込む側のブラックホールはどうなってしまうのか?」ということ。
その答えは、
「ブラックホールはちょこっとだけ太ってそのままです。ほとんど何も変わりません。つまり、何事もなかったように地球を吸い込んでしまいます」
ブラックホールには、大した影響がないんですね。
しかし、れいさんの質問の本命は、もう1つの「吸い込まれる側」です。
これに対し、本間先生は、
「もし地球がブラックホールに落ちていくと、実は落ちる前にバラバラに壊れて、砕けちゃいます」
と回答します。
「壊れちゃう!!」と驚きの声を上げるれいさん。
これには、潮汐力という力が影響しているそうで、本間先生は「れいさん自身がどうなってしまうのか?」ということを例にしながら、さらに詳しく説明してくれました。
それによると、つま先の方からブラックホールに吸い込まれていった場合、ブラックホールからの距離の違いによってつま先の方にかかる重力と頭のてっぺんにかかる重力に差が生じるため、人間の身体は引き伸ばされ、身長が伸びていくんだそうです。
思わず、「えっ!」と興味を示すれいさん。
しかし、その力があまりにも強いため、最後には身体がちぎれてしまうのだそう…。
これを聴いたれいさん。本間先生に「やだね?」と問われると、即座に「やだ!やだ!」と返答していました。
リスナーからも、
―ブラックホールに落ちると背が伸びる ほう…
―ブラックホールの話えぐいよな
―ブラックホールめっちゃこわい
などと反応が!
しかしこの後、本間先生かられいさんがさらに驚く話が飛び出します。
それは、
「潮汐力に耐えることができれば、ブラックホールの中に入ることができる」
ということ。
地球や太陽のように表面がある天体ではないので、潮汐力に耐えることができれば、ブラックホールの中に入ることができるそうです。後ろを振り返れば、星空を見ることができるそう。
しかし、中に入って何が起きるのかについては、科学者でもお手上げ! ブラックホールの中からは、モノは出ず、光も出ず、情報がないので、「わからなくて良い」ということになっているだとか。
やはり恐るべし、ブラックホール!
そんなブラックホールに、入ってみたいという本間先生。
この話を聴いたリスナーからは、
―ブラックホールの中はもう研究投げてるんかい 笑
―やっぱりブラックホールに入ってみたい本間先生、さすがです…
―ブラックホールの中から後ろを振り返ると、星空が見える…、なんだおい、ちょっと詩的な世界が…
など、さまざまな反響が寄せられていました。
あなたは、ブラックホールに入りたいですか? それとも、入りたくないですか?