南波志帆

ラジオとは、
想像の旅である。

南波志帆:
FM50周年おめでとうございます。


ーーラジオに触れた、誰とどんな番組を聴いたなど、思い出せることがあったら教えていただけますか。

南波志帆:
物心ついたときから、おうちでラジオがいつも流れていて。というのも私の家、テレビ禁止令だった時代があって、その時にずっとラジオで育ったっていう感じだったので、無意識下にずっとラジオ聴いてたっていう感じですね。 
ほんとに生活のそばにいつもラジオがありましたね。

ーー最初にお父さんお母さんと聴いてた時はどんな番組だったっていうご記憶はありますか。

南波志帆:
朝の番組の印象がとても強くて、地元が福岡なんですが学校行く前に確か、クロスFMっていうラジオ局があって。当時そこの名物DJだったトギーさんっていう方がいてすごくダンディーな、声もちょっと色気のあるような男性の方だったんですけど、母がトギーさんの声が大好きでいつも流れていて。 

朝の番組なのにいかした洋楽とかが主に流れてたんですけど、その中で特に印象に残ってるのが、トギーさんが女性リスナーからのお便りの時に絶対最初に「上からどうぞ」って言うんですよ。あのう・・・スリーサイズを聞くっていうね(笑)。NHK的にはあれかもしれないんですけど、朝にちょっと刺激的な、大人の世界を少し垣間見てる感じがして、勝手にドキドキしてた思い出があります。
「上からどうぞ」みたいなすっごいいかしたいい声で、ちょっと私の声には限界があるんですけど。結構リスナーの人もボケて「100・100・100」とか言ったり、そういうのが面白くて、ちょっとどぎまぎしながら大人の世界をラジオで知ったっていう感じがありました。

ーー部屋で聴くっていうようなタイミングはあったんですか?

南波志帆:
そうですね、多感な時期とかはやっぱりラジオを聴いて、ラジオならではの距離の近さってあると思うんですよね。自分に語りかけてくれてるんじゃないかなって思えるっていうか。なのでその時代はほんとにティーンに向けた番組ってのをすごく聴いてましたね。 

ーー例えば?

南波志帆:
完全に裏被りしちゃってて申し訳ない感じなんですけど、当時TOKYOFMのスクールオブロックっていう番組があって、思春期ならではの悩みだったり、自分だけの悩みじゃないんだあっていうのもそこで知れて、同じ世代の全国のいろんな人とつながれる感じがして面白いなあって思って聴いてましたね。

ーー洋楽を聴きだしたのは FMラジオ?

南波志帆:
そうですねえ、いろんなオシャレな洋楽を知っていって、元々おうちとかで流れてる音楽も洋楽が多かったんですけど。それこそ邦楽の魅力に気づいたのもラジオがきっかけで、たまたまラジオから流れてきた河島英五さんの「酒と泪と男と女」を聴いたときに、その当時まだ小学生とかだったので酒も泪も男も女もわかんなかったんですけど、とにかく歌力がすごくて訴えかけてくるもののすごさに驚いて。で、そこから好きになって自分でカセットに入れてずっと聴いたりとかして、今ではカラオケの18番になってます。

ヒットチャートとかやっぱりラジオで知ることが多かったので、それこそ私たちの世代だと当時すごいパワープッシュみたいになってたのがあのグリーンの「愛唄」だったり、いつ聴いても流れてるみたい。共通の音楽、盛り上がれる音楽、(その)世代で、っていうのがぎりぎりあった世代なのかなって。最近自分より年下の子と話す機会も多いんですけど、感じますね。(自分たちの世代は)まだちょっと多様化する前だったので。

ーー自分が今度そうやってラジオで話す側になったと思うんですけど、聴いてきたことを話す側になった時に、どういうふうに聴いてほしいとか。

南波志帆:
やっぱり近い存在でありたいなあとは思っていて。だからできれば自分が親友のような距離感でいれたらいいなあっていうのは心がけてはいますねえ。
私いま25歳なんですけど、「ミュージックライン」って番組はほんとに若いリスナーの方も多くて、幅広い世代の老若男女の方が聴いてるんですけど。なので この世代だからこそ発信できる事だとか、私の場合は自分も歌手として活動しているので、音楽番組においてゲストの方とミュージシャン同士で話せる事もあったりするので、私が起用された意味みたいなものはすごく考えて発してはいますねえ。なかなかいないのかなあと思って。

最初に任せていただいた時はまだ21歳とかでしたのでほんとに自分で務まるのかなあっていう不安が一番あったんですけど。自分が求められてるものっていうのが分かって、からは自信をもって発信できるようにはなりました。ゲストも幅広い層がいらっしゃるのが この番組の面白さかなあと思って、ロックバンドからアイドルの方から、アニメ界隈の方とか、本当にジャンルレスで素晴らしい音楽をやってる方々がいらっしゃるので私自身もすごく刺激になってるし、そのリスナーにとっても新たな扉を開くきっかけになってるんじゃないかなあと思っています。そういう声も頂きますし。

そのゲストの方の年齢層もほんとに幅広くて、全然自分よりも年下の新人の十代の方とかもいらっしゃるし、レジェンドと言われている50代の方であったりとか本当にすごい層がいらっしゃるので、そのたびに自分もその聞き手として立ちまわり方も変わってきたりするので。大先輩方がいらしたときはリスナーと一緒に音楽を教えてもらっているっていう立場にもなったりもするので、 リスナーにとってもそれが面白いって思ってもらえてたらいいなあって思いますね。

ーー作り手として、作り手をゲストに向かえて話してる時にちょっと難しいなあと、苦労することや心がけてる事みたいな事はありますか?

南波志帆:
この番組じゃないと出会えなかった、レジェンド達とも共演させて頂いてるのでやっぱり恐縮しちゃうところはあるんですが、でも幅広い層が聴いてるって事は意識はしていて。なのでどうしてもミュージシャン同士だとマニアックな方向に行きがちなんですけどそこも自分はDJだっていう立場を常に念頭に置いているので、あえて質問したりだとか、リスナーの目線に立つことは忘れないでいたいなって言うのは持ってはいますかねえ。

あと普通に、シンプルに友達もいらしたりするので、ありがたいことに友達いるんですけど、その友達同士になった時にちょっと気恥ずかしさみたいなのはやっぱりありますね。普段だとすごいタメグチでしゃべってるのに、やっぱり公共の電波に乗せるとなると敬語で言った方がいいのかなあとか、名字でお呼びした方がいいのかなあとか、そう言うのはお互いニヤニヤしながらいつもやってますね。

ラジオとは? ・・・「ラジオとは、想像の旅である」

ーー素晴らしい!

南波志帆:
すべったあー

ーーもちろん 素晴らしいよっ。

南波志帆:
この流れで言ったら、そりゃあすべるわっ。そりゃあすべる。すべったわなあ。