室井滋

O157にプール熱。手足口病、とびひにマダニ、おたふくかぜ・・・。
目に見えない小さな小さな生き物が、人の体に入り込んで悪さをするのが感染症。
そう、うつる病気です。

知って得する「うつる病気」の秘密、知らなきゃ損する予防法がわかる、ラジオドラマ『感染症劇場』。
ご案内は、室井滋です。

私が病気を引き起こすウイルスからアタマジラミ、お父さん、お母さんに、子どもたち、そしてなぜかまな板、タオルまですべての役を演じます。
感染症のしくみを親子で楽しく学べるラジオドラマ、ご来場をお待ちしております。

腸管出血性大腸菌O157のギャング・ベロ
  • 腸管出血性大腸菌O157の
    ギャング・ベロ
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どんな病気?

O157のついた食べ物などが口の中に入ると、通常3〜5日の潜伏期間の後に発症します。腹痛、下痢(通常の下痢、頻回の水様下痢、鮮血のような血液の混ざった下痢)、発熱や吐き気などの症状が出ます。特に乳児は重篤な合併症を引き起こしやすいので注意が必要です。

感染を防ぐために注意したいこと

  • 生焼け肉には要注意!※お肉は中まで火が通り、肉汁が透き通るまで加熱してください。
  • 生の肉を切った包丁やまな板では、サラダなど生で食べる食品をあつかわないように。
  • 調理用の箸と食べる時に使う箸は、別のものを使いましょう。

対処法

速やかに医療機関を受診します。自分の判断で下痢止めを飲まないようにしてください。

手足口病のテロン
  • 手足口病のテロン
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どんな病気?

エンテロウィルスなどの感染によって起こる病気で、口の中や手、足などにピンク色の発疹や水ぶくれができます。37-38℃の熱が出ることもあります。ウィルスの種類によっては、合併症を引き起こすこともあり、注意が必要です。

感染を防ぐために注意したいこと

手洗いが大切です。回復しても3〜5週間は、便の中にウィルスが出てくるので、排便後やおむつ交換の後の手洗いは念入りに。

対処法

水分を十分にとり、食事はやわらかく、刺激の少ない食べ物にしましょう。口の中のぶつぶつがなくなるまで、ときに痛がる子どももいます。

デング君とモスキートさん~デング熱~
  • デング君とモスキートさん
    ~デング熱~
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どんな病気?

デングウイルスを持った蚊に刺されて感染します。世界では熱帯・亜熱帯地方に広く流行し、世界人口の3分の1がデングウイルスの流行地に住み、年間1億人の感染者が発生しています。これまで日本で確認された患者は、海外での感染によるものでしたが、2014年夏に渡航歴のない人が日本で感染し、大きな問題となりました。今後、さらに海外交流も盛んになるので注意が必要な感染症です。熱帯・亜熱帯地方では「ネッタイシマカ」という蚊がデングウイルスを媒介しますが、日本では「ヒトスジシマカ」という蚊が運びます。温暖化の影響もあって、現在、ヒトスジシマカは東北地方まで広く生息しています。

症状

3〜14日間の潜伏期間を経て、突然の発熱、頭痛、目の痛み、筋肉痛や間接痛が出ます。
「骨折熱」、「断骨熱」との別名もあるほどの激しい痛みがあります。発症から3〜4日間で発疹がでて、1週間程度で回復します。これがデング熱です。感染しても症状を出さない人もいますが、この人の血液中にもデングウイルスが存在し、この人を蚊が吸血することで、デングウイルスを体内で増やすようになります。
一方、デングウイルスの感染が2度目以降となる再感染をすると、重症化してデング出血熱となってしまう場合があります。流行地では、このデング出血熱で死亡者も出ているのです。

感染を防ぐために注意したいこと

デングウイルスに対するワクチンは、開発中ですので、予防方法は蚊に刺されないようすることとなります。

  • デング熱の発生地域では、長そで、長ズボンを着用して、肌の露出を少なくします。
  • 虫除け剤等の使用も効果的です。

対処法

速やかに医療機関を受診します。デングウイルスに直接効く薬はありませんが、症状をやわらげる対症療法で治療が行われます。

プール熱(咽頭結膜熱)のプールン
  • プール熱(咽頭結膜熱)の
    プールン
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どんな病気?

咽頭結膜熱は、プールでの感染も多かったことから「プール熱」ともよばれます。のどの痛みとだるさを訴え、39-40度の高熱が出ます。目は赤く充血し、首のリンパ節が腫れます。治癒までには約1週間かかります。

感染を防ぐために注意したいこと

感染者の鼻水、目やに、便などにいるアデノウィルスが、鼻、のど、目に入ることで感染します。

  • プールの前後は、きちんとシャワーを浴びる
  • 手洗い・うがいは正しく行う
  • ハンカチ・タオルの貸し借りはしない

対処法

治療は主に、対症療法が中心です。のどの痛みから水分をとりにくくなりますが、十分に水分をあたえるようにしてください。食事はのど越しのよい、冷たく甘いものがいいでしょう。治ったあとにも便の中に長期間アデノウィルスが排泄されますので、おむつ替えの後などは特に念入りに手を洗ってください。

急性出血性結膜炎(アポロ病)
  • 急性出血性結膜炎
    (アポロ病)
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どんな病気?

結膜(まぶたの裏側と白目をおおっている膜)にウィルスが感染して起こる結膜炎で、別名、アポロ病といいます。目がゴロゴロして、充血、涙や目やにが出ます。

感染を防ぐために注意したいこと

  • 手洗い
  • タオルやハンカチの共有はしないでください。家族とは別のものを用意してください

対処法

目をこすった手、タオルやハンカチに原因ウィルスがくっついて感染源になります。
手をよく洗い、目やその周辺に使用するものは使い捨てにできるティッシュやペーパータオルを使い、タオルなどは共有をしないことが大切です。

カンピロバクター感染症
  • カンピロバクター感染症
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どんな病気?

カンピロバクターは食中毒を起こす病原菌です。生の鶏肉や牛肉が原因食品となっている場合が多く、菌が口に入ってから、2-5日ほどで、腹痛、下痢、発熱などの症状が出ます。

感染を防ぐために注意したいこと

  • 鶏肉は中心部が白くなるまで十分に加熱しましょう。
  • 鶏肉や生肉をさわったら、よく手を洗いましょう。
  • まな板や包丁は、肉と他の食品を分けて使いましょう。分けて使えない時は、すぐに洗って熱湯消毒を。

対処法

下痢、嘔吐、腹痛、血便がひどい時は、自己判断で下痢止めなどを飲まず、医療機関を受診するようにしてください。

アタマジラミのシラミン
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アタマジラミとは?

頭部に寄生するシラミです。吸血された部位を中心にかゆみを伴います。毎日卵を数個産み、どんどん増えていきます。集団での昼寝や遊びのなかで髪や頭の接触、くしや帽子の共用でも感染します。

感染を防ぐために注意したいこと

  • 帽子やヘアゴム、くしなどの貸し借りはしない。
  • 布団はよく干してたたく。枕カバー、シーツはこまめに洗濯する。

対処法

アタマジラミを駆除するシャンプーを使います。卵は目の細かいくしで卵をそぎ落として取り除きます。感染後の衣服、タオル、シーツなどの洗濯は、60℃以上のお湯に5分以上浸けた後に洗濯すると、シラミは成虫から卵まで死滅します。アイロンをかけるのも有効です。

ひとさしゆび王子ととびひちゃん~とびひ(伝染性膿痂疹)~
  • ひとさしゆび王子ととびひちゃん
    ~とびひ(伝染性膿痂疹)~
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どんな病気?

虫さされや湿疹、あせもなどをかきむしってできた浅い小さな傷に、「黄色ブドウ球菌」などが感染して起こる病気です。水ぶくれができ、それが破れて、皮膚のあちこちにっ広がります。

感染を防ぐために注意したいこと

黄色ブドウ球菌は、鼻の穴の中などにいます。鼻の穴をいじった手で虫刺されや傷を触らないようにしましょう。手をよく洗うのも忘れずに。

対処法

  • 感染拡大や症状をひどくしないためにも、医療機関を受診するようにしてください。 
  • 患部をいじらない、ひっかかない。
  • じゅくじゅくした患部はガーゼでおおう。
  • 伸びた爪は切っておく。
吸血名人・マダニのダーニー~日本紅斑熱~
  • 吸血名人・マダニのダーニー
    ~日本紅斑熱~
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どんな病気?

マダニにかまれた後、2〜10日の潜伏期間を経て、頭痛、発熱、悪寒戦慄で急激に発症します。高熱とともに、手足、手のひら、顔面から全身に米粒大から小豆大の赤い発疹(紅斑)が多数出ますが、かゆみを伴わないのが特徴です。

感染を防ぐために注意したいこと

マダニは草原や野山だけでなく、家の近くの裏庭、畑、農道などにもいることがあります。

  • 皮膚の露出を少なくする。
    長袖・長ズボンにし、帽子・手袋を着用、首にはタオルを巻くなど、できるだけ皮膚の露出を少なくする。
  • ズボンの裾や袖をふさぐ。
    シャツの裾をズボンの中に入れたり、靴下や長靴でズボンの裾をふさぎます。

対処法

死亡例もあり、早期の診断・治療開始が大切です。マダニにかまれたら、マダニを無理に引き抜くと、口器が残って化膿することもあります。皮膚科で取って消毒してもらうことが基本です。

おたふくかぜの魔女 ムンプス~おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)~
  • おたふくかぜの魔女 ムンプス
    ~おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)~
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どんな病気?

ムンプスウイルスの感染によって起こる病気で、両耳の下やあごの下の唾液腺が腫れて痛くなります。通常は、およそ1〜2週間で治りますが、合併症として無菌性髄膜炎や難聴などの危険性のある疾患です。

感染を防ぐために注意したいこと

おたふくかぜワクチンの接種が唯一の有効な方法です。おたふくかぜワクチンは、任意で受ける(本人の希望で費用を自己負担で受ける)ワクチンで、1歳から接種できます。接種については、医師と相談して決めてください。