NHKラジオブログ
ラジオの魅力をお伝えします

ブログトップ > N響 9月定期公演 指揮者紹介 パーヴォ・ヤルヴィ【14日(土)、20日(金)、25日(水)】

N響 9月定期公演 指揮者紹介 パーヴォ・ヤルヴィ【14日(土)、20日(金)、25日(水)】

番組スタッフ

投稿日時:9月 9日 (月) 午前10時00分

首席指揮者の巧みなプログラミングが
5シーズン目開幕を高らかに告げる

 

パーヴォ・ヤルヴィ

パーヴォ・ヤルヴィ



コンビ4年目を鮮やかに締めくくった6月
各地でも快進撃を続ける

去る6月、パーヴォ・ヤルヴィとNHK交響楽団はニルセンの《交響曲第2番「4つの気質」》、メシアンの《トゥランガリラ交響曲》、ブルックナーの《交響曲第3番》で観客を魅了し、コンビ4年目のシーズンを鮮やかに締めくくった。8月から9月にかけてコンサート形式で上演された《フィデリオ》も客席を沸かせたはずだ。パーヴォは、愛による救済をテーマとしたこのオペラが大好きである。
いっぽう、ブレーメンを拠点に世界を旅するドイツ・カンマーフィルハーモニー管弦楽団との(きずな)。母国エストニアの海岸リゾート地パルヌの音楽祭を仲立ちとした後進の育成やエストニア祝祭管弦楽団との創造。フィルハーモニア管弦楽団との友情もパーヴォの音楽的財産だ。
チューリヒ・トーンハレ管弦楽団音楽監督としての仕事もいよいよ本格化する。近年はベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の重要なゲスト指揮者のひとりで、昨年は20世紀ポーランドの才人ルトスワフスキの逸品《管弦楽のための協奏曲》(1954年ワルシャワ初演)で賞賛を博した。

期待の高まる9月定期公演は
得意のルトスワフスキで幕を開ける

そのルトスワフスキが秋のシーズン開幕を寿(ことほ)ぐ。パーヴォ・ヤルヴィと近現代作品は「相思相愛」の間柄ゆえ、大編成の管弦、多彩な打楽器、ピアノ、チェレスタ、ハープが織り成すルトスワフスキの《管弦楽のための協奏曲》への期待は、まさに限りない。パーヴォはさらに、南ポーランドの民俗音楽の旋法や舞曲が息づく《小組曲》を選び、ルトスワフスキが賛辞を惜しまなかったバツェヴィチの《弦楽オーケストラのための協奏曲》(1948年作曲、1950年初演)を添えた。Aプログラムは、日本とポーランドの国交樹立100年にちなんで企画された。
湾を挟んで100kmほどしか離れていないエストニアとフィンランドの名作とともに、ニルセンの技巧的な協奏曲が喝采(かっさい)を博すであろうBプログラムは、マエストロの歩み、好みを映し出す待望の北欧名曲選。1959年エストニア生まれの作曲家トゥールはパーヴォの親友でもある。摩訶(まか)不思議な旋法が舞うシベリウスの《交響曲第6番》とシベリウス芸術の結晶たる《交響曲第7番》を、アタッカよろしく続けて演奏する指揮者がいるが、パーヴォはさて。
Cプログラムのメインは、早くも大歓声が聞こえてくるかのようなマーラーの人気作《交響曲第5番》。嬰ハ短調の葬送行進曲からニ長調の輝かしいフィナーレまで聴きどころは無数。ホルンの妙技も〈アダージェット〉も客席の喜びだ。開演を導くのがリヒャルト・シュトラウス最晩年のオペラのシーンだけに、この日は古き良き時代への憧憬(どうけい)(あや)しいまでの光彩もキーワードとなる。パーヴォとN響は2017年のヨーロッパツアーを含め、ここぞという場面でマーラーの交響曲を奏でてきた。R.シュトラウス選集のCDも内外に発信された。5シーズン目を迎えたパーヴォとN響。魔境を奏でるか、新境地を拓くか。

[奥田佳道/音楽評論家]

<プロフィール>
パーヴォ・ヤルヴィ

2019年9月にNHK交響楽団首席指揮者として5シーズン目を迎えるパーヴォ・ヤルヴィは、これまで重点的に採り上げてきたドイツ・ロマン派や北欧、ロシアの作品に加えて、オール・ポーランド・プログラムなど意欲的な曲目にも取り組む。その挑戦する姿勢は、発信力の強さと相まって、N響のみならず、日本のオーケストラ界全体にとって大きな刺激となっている。N響とは、録音の分野での成果も目覚ましく、2016年度には「レコード・アカデミー賞」を受賞した。また『ワーグナー:楽劇「ニーベルングの指環」管弦楽曲集』など新譜のリリースも続いている。一方、海外活動にも積極的で、2020年2月から3月にはN響と2度目となるヨーロッパ公演を行い、ロンドン、パリ、ウィーン、ベルリンなど7か国9都市を回る。
エストニアのタリン生まれ。現地で打楽器と指揮を学んだ後、アメリカのカーティス音楽院で研鑽(けんさん)を積み、バーンスタインにも師事。シンシナティ交響楽団音楽監督、hr交響楽団首席指揮者、パリ管弦楽団音楽監督などを歴任。現在は、ドイツ・カンマーフィルハーモニー管弦楽団芸術監督、自身が創設したエストニア祝祭管弦楽団芸術監督などを務める。2019/20年シーズンからはチューリヒ・トーンハレ管弦楽団の音楽監督兼首席指揮者に就任。ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団などの名門オーケストラにも客演し、現代を代表する指揮者のひとりとして、世界で活躍している。
[奥田佳道]

放送予定

Aプロ9月14(土)午後6時00分〜8時15分【生放送】
NHK-FM「N響演奏会」

【放送内容】
オール・ポーランド・プログラム
バツェヴィチ/弦楽オーケストラのための協奏曲(1948)
ヴィエニャフスキ/ヴァイオリン協奏曲 第2番 ニ短調 作品22
ルトスワフスキ/小組曲(1950/1951)
ルトスワフスキ/管弦楽のための協奏曲(1954)

指揮:パーヴォ・ヤルヴィ
ヴァイオリン:ジョシュア・ベル

Cプロ9月20日(金)午後7時00分〜9時10分【生放送】
NHK-FM「ベストオブクラシック」

【放送内容】
R. シュトラウス/歌劇「カプリッチョ」から「最後の場」*
マーラー/交響曲 第5番 嬰ハ短調

指揮:パーヴォ・ヤルヴィ
ソプラノ:ヴァレンティーナ・ファルカシュ*

Bプロ9月25日(水)午後7時00分〜9時10分【生放送】
NHK-FM「ベストオブクラシック」

【放送内容】
トゥール/ルーツを求めて~シベリウスをたたえて~(1990)
ニルセン/フルート協奏曲
シベリウス/交響曲 第6番 ニ短調 作品104
シベリウス/交響曲 第7番 ハ長調 作品105

指揮:パーヴォ・ヤルヴィ
フルート:エマニュエル・パユ

NHK交響楽団オフィシャルホームページはこちら
(クリックするとNHKサイトを離れます)