2018年

2018年11月19日(月)
少年の夢、リングの上へ
プロレスラー 内藤哲也

空前のブームに沸くプロレス界。数年前まで閑古鳥が鳴いていた客席にファンを呼び戻したのは、“100年に一人の逸材”棚橋弘至や、“リングにカネの雨を降らせる男”オカダ・カズチカといった個性あふれるプロレスラーの登場だ。だが今、並みいる看板レスラーを抑え、ファンから圧倒的に支持されるプロレスラーがいる。内藤哲也、36歳。スポーツ紙などの記者が選ぶ「プロレス大賞」は2年連続MVP。ファンによる人気投票「プロレス総選挙」でも2連覇。グッズは飛ぶように売れ、所属プロレス団体のおよそ4割を占めるほどだ。

内藤の魅力は、必殺技「デスティーノ」に象徴される、抜群の身体能力を生かしたダイナミックな技。だが、ファンが支持するのはそこだけではない。目つぶしなどの反則も辞さない熱いファイトや、ときにはチャンピオンベルトをも投げ捨てる“制御不能”っぷりにある。本人は否定するが、その存在はヒール(悪役)。

なぜファンはそんな内藤に心惹かれるのか。番組ではその秘密を探るべく、2か月にわたって内藤に密着取材を敢行。カメラが捉えたのは、リングを離れてもなおプロレスのことを四六時中考え続けるストイックな生き様。ジムで体をいじめながらその日行われた試合を見返し、反省材料を洗い出しては翌日の試合に生かす。プロレスを語る内藤の瞳は、かつてプロレスファンだった“内藤少年”そのもの。プロレスを愛する、あまりにも無垢な素顔に迫る。

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