日本人の5人に1人が抱えるというヒザ関節の痛み。その解決法として注目を集めるのが、人工関節移植だ。その手術において杉本は全国でもトップレベルの症例数を持ち、さらには日本人の体格や生活習慣に合わせた人工関節の開発にも携わってきた。従来の半分ほどの切開で人工関節を移植する画期的な手術法、“MIS”を用いることで術後の回復を格段に早め、3週間ほどの入院で、ほとんどの患者が再び歩くことができるまでに回復、退院をしていく。
その中で杉本のこだわりは、ひとりひとりの患者の“夢”に耳を傾け、それに応える人工関節の手術を行うことにある。70代の患者の、長年バレーボールのチームに所属し、今後も続けたいという声を聞けば、高く跳び上がることはかなわずとも、柔軟性と安定感を追求した人工関節の移植にこだわり、退院から1か月半でチームの練習に復帰させることを実現した。