動物写真家、岩合光昭の朝は早い。ネコが活動を始める日の出前が撮影の基本。
取材の初日となった2月、京都の神社には、早朝6時半にやってきていた。
境内には14匹のネコは住み着いており、会うと、名前を呼んで挨拶を交わす。
1年前からこの神社に通い続けており、すでに気心を知る仲間のようだった。
まるで人に話しかけるように1匹1匹に優しく声をかけていった。
岩合には、撮影の際に大事にする“流儀”がある。それが「ネコに、叱られないこと」相手の気分を損ねると、撮影は台なしになる。それがネコだからと侮ってはいけない。
目線を高くして話しかけると、ネコにも伝わる。
同じ目線でネコに優しく話しかけることを心がけていた。