ニューヨークを拠点に、世界中の観客を魅了するデザインを生み出し続ける石岡瑛子。常に3つの言葉をマントラのように唱えながら仕事に向かう。誰にもまねできない、革命的、そして時代を超えるデザイン。数々の栄誉を手にしてきた石岡だが、それでも決して守りに入らず、高い理想を掲げて挑戦し続けている。
ニューヨークを拠点に、世界中の観客を魅了するデザインを生み出し続ける石岡瑛子。常に3つの言葉をマントラのように唱えながら仕事に向かう。誰にもまねできない、革命的、そして時代を超えるデザイン。数々の栄誉を手にしてきた石岡だが、それでも決して守りに入らず、高い理想を掲げて挑戦し続けている。
ハリウッド映画やブロードウェイミュージカルで、数多くのコスチュームを生み出してきた石岡。そのデザインは、徹底的に細部までこだわって磨き上げられている。わずか1ミリの違いが、全体の印象を決定的に変えると信じているからだ。「きちんとした仕事は、全体の仕事を緊張に導くし、だいたいパフォーマー(演技者)自体が違いますよね。良いものをあてがうことによって、百倍くらい演技に対する関わり方が違うと思うんですね」。
石岡のデザインは、ただ美しいだけではない。デザインが登場するシーンの意味、デザインを身にまとうキャラクターの人格。石岡は、それらを緻密(ちみつ)に計算してデザインに盛り込む。強いメッセージ性を持っているがゆえに、石岡のデザインは強烈なインパクトで観客を一瞬のうちにとりこにするのだ。
石岡はコスチュームのデザイン画を描く時、人物の全身が描かれた下書きを用いる。ここに服を着せるように、コスチュームのデザインを描いていくのだ。動きのない平面的なデザイン画だが、その方が、コスチュームを作る職人にデザインの意図を正確に伝えることができるという。