岡野のもとで再生医療の研究に取り組む研究員は総勢およそ100人。メンバーは医学の研究者だけでなく、電気・電子工学や材料工学、生物学、薬学、コンピューターなどさまざまな分野にまたがる専門家の混成部隊だ。そうした環境の中からこそ、従来の縦割り型の研究にとらわれない斬新な発想や技術を持つ人材が育ち、そこから誰もやったことのないような新しい成果が生まれると岡野は考えている。
岡野のもとで再生医療の研究に取り組む研究員は総勢およそ100人。メンバーは医学の研究者だけでなく、電気・電子工学や材料工学、生物学、薬学、コンピューターなどさまざまな分野にまたがる専門家の混成部隊だ。そうした環境の中からこそ、従来の縦割り型の研究にとらわれない斬新な発想や技術を持つ人材が育ち、そこから誰もやったことのないような新しい成果が生まれると岡野は考えている。
細胞シート。従来の縦割り型の専門にとらわれない人材から画期的な成果が生まれる。
毎週行われる研究発表の場で、岡野は必ず最前列の真ん中に陣取る。そして、発表者に最も多く質問する。常に最新の研究成果に精通し、実験結果の意味や進むべき方向性について考え続けることを自らに課しているからだ。リーダーが最前線に立って全力で走り続けるからこそ、メンバーも全力で走ってきてくれる。再生医療という人類の“夢”にリーダーとして挑む岡野の、揺るぎない流儀だ。
最前列の真ん中は岡野の指定席。
世界初、人類初という研究に挑み続ける岡野と研究員たち。誰もやっていないことに挑む最先端の研究とは、暗いトンネルを一人で歩くようなものだと岡野は言う。なかなか成果が出ない中で、暗闇の中に入って抜け出せないような感覚に襲われることもよくある。
「そんな時は原点に戻って、なぜ今この研究をやっているのかをもう一度考えてみるといい。暗闇を抜ける道が見つかることもある。」岡野はそう語る。
“夢の医療”の実現に向けた戦いの日々。
出身も専門も多岐にわたる研究員たちを率いてゴールに向かうために、岡野が最も大切にしていることが「夢を語り、共有する」ことだ。毎週の全体ミーティングや雑談の時など、ことあるごとに、岡野は夢や目標を研究員に語りかける。何年、何十年にもわたり、しつこいほど繰り返すことでようやく一人一人に浸透するという。
そうなれば、各自が自分の領域で全力を尽くすことが、全体の大きなゴールに向かうことにつながるようになると考えるのだ。
常に、繰り返し、夢を語りかける。