岡田が勤める定時制高校。もともとは働く若者に高校教育の機会を与えるために創設された。しかし今、この学校に在籍する73人のうち、定職に就いているのは数人。アルバイトを含めても働いているのは半数程度だ。不登校などの理由で全日制高校に進まなかった生徒や、高校を退学した生徒などさまざまな若者が集まっている。
岡田は英語の授業を担当する。その授業はゆっくりゆっくり進む。45分で、進んでも教科書1ページだ。わからなければ繰り返し教え、さりげなく褒めることも忘れない。そして休み時間や放課後には、職員室で生徒との雑談を楽しむ。普段から生徒がどんなことも話せる雰囲気をつくる。
生徒の中には、「俺なんか・・」「私なんか・・」と自分に自信を持てない生徒も少なくない。岡田はその心を癒し自信を取り戻させてこそ、学習意欲も向上し、新たな道が開けると考えている。