スマートフォン版へ

メニューを飛ばして本文へ移動する

これまでの放送

第131回 2009年11月24日放送

人気ショップは、こうして生まれる インテリアデザイナー・片山正通


客の目線になりきる

片山のデザインは、「ゾーニング」と呼ばれる作業から始まる。売り場の形を決め、棚や商品などの配置を決める、店の骨格作りだ。片山は図面をすべて手で描き、修正を何度も何度も繰り返す。図面が完成すると、形や色を忠実に再現した模型でさらに検証を重ねる。その時、大切にしているのが「客の目線になりきる」事だ。自分が客ならどう動くかと何度も自問自答しながら、思わず入ってしまい、長く滞在してしまう客の動き「動線」を作り出す。

写真写真


依頼者の思いを形にする

人気ショップを生み出すために、片山がもう一つ大切にしているのが、「依頼者の思いを形にする」事だ。
クライアントは、どんな思いを込めて商品を作っているのか。その言葉にじっくりと耳を傾ける。
そしてその思いを客にわかりやすく、より魅力的に伝える仕掛けを考えるのがデザイナーの役割だと言う。
「自分に自信がない」と言い切る片山。だからこそ納得できるアイデアが生まれるまで、全力を振り絞り、延々と悩み続ける。

写真依頼者の思いを徹底的に聞き出す。


選ばれた者の、責任

どんなに難しいクライアントからの要求でも、それに応え、デザインとして最良のものを生み出す。そうすることが選ばれたデザイナーの責任だと片山は肝に銘じている。
2年ごしのビッグプロジェクトに臨んでいた片山。クライアントは世界有数のスポーツ用品メーカー。
東京・原宿でブランドの世界を体験し、イメージを高める旗艦店を作って欲しいという依頼だった。
片山は、まず競技場のトラックや観客席を連想させる1階のデザインを提案した。スポーツを感じ、かつ誰もが自由に出入りしやすい店を狙った。クライアントの反応は上々だった。しかし、まもなく、店内にブランドを象徴する何かを加えて欲しいと要望が出る。片山は「シューズのソールを壁に埋め込み、客にメーカーの歴史を感じさせる」というアイデアを提案。するとさらにクライアントから、片山へリクエストが。工期が迫る中、片山は、最後の最後までクライアントの要求に応えようと、もがき、考え抜く。

写真最後までデザインを徹底的に考え抜く。


プロフェッショナルとは…

いかに楽しめてるかっていうことが、プロの条件だと思うんですね。やっている人が一番楽しんでいて、それが人に伝わっていくので、いかに自分のやっていることに対して楽しめている人、じゃないかなと思います。

片山正通

The Professional’s Tools

店舗模型

「店に入ってきた客に商品を全部見て欲しい」という片山。店舗の模型は、客の目線で、店に入った気分をイメージするために欠かせない道具だ。東京・青山にある女性向けのブティックでは、「柱の裏に入り口を作る」「店内の空間をあえて仕切る」などの手法を用い、客が自然と店に入ってしまい、ゆっくりと商品を選びたくなるような仕掛けをほどこした。

写真模型で客の気分をイメージする


関連情報


Blog