脳の中には、およそ1千億個の神経細胞があり、それらがつながってネットワークを作っている。このネットワークを通じて、神経細胞から神経細胞へ信号が伝わるのが、脳の活動だ。年齢を重ねると、神経細胞の死滅や使われなくなったネットワークが縮小・消滅して、脳は少しずつ萎縮(いしゅく)していくと考えられる。
だが、神経細胞同士のネットワークは、一旦働きが弱まっても、使うことによって脳が活性化し、再び強化される可能性がある。また、脳の使い方次第で、老化そのものを遅らせることも可能だと考えられている。
83歳の今も毎日付け場に立つ世界最高峰の鮨(すし)職人・小野二郎。このスーパープロフェッショナルの日常を分析した茂木が、脳のアンチエイジングにつながる極意を見出した。