三友の牧場は、一見、ひと世代前の「古臭い」スタイルだ。放牧を中心として、牛に自然の草を食べさせることにこだわる。牛舎は古くて小さく、飼っている牛の数は地域の平均の半分以下、生乳の生産量は3割しかない。それでも、三友は驚くべき利益率をあげる。自然に逆らわず規模拡大をめざさないスタイルは、えさや設備投資の経費が圧倒的に少なく、小規模なのに逆に利益があがるのだ。その酪農は「マイペース酪農」と呼ばれ、今熱い注目を集めている。経済効率の追求よりも、身の丈(たけ)にあった規模で無理をしないことこそ、大事だと説く。