伊東の建築は、建築の常識を打ち破るざん新さで知られている。しかし伊東は、ただ新しさだけをを追い求めているのではない。そこに居る人が自由に振る舞える空間を目指している。
例えば、仙台市にある図書館を中心とした複合施設「せんだいメディアテーク」。そこで伊東は、のびのびと読書ができるような開放感にあふれる空間を目指した。そのために、従来ある壁や柱をなくし、代わりにチューブ状の構造物で建物を支えた。世界初のその試みが圧迫感のない心地よい空間を生みだし、年間100万人が訪れる施設となった。
伊東の建築は、建築の常識を打ち破るざん新さで知られている。しかし伊東は、ただ新しさだけをを追い求めているのではない。そこに居る人が自由に振る舞える空間を目指している。
例えば、仙台市にある図書館を中心とした複合施設「せんだいメディアテーク」。そこで伊東は、のびのびと読書ができるような開放感にあふれる空間を目指した。そのために、従来ある壁や柱をなくし、代わりにチューブ状の構造物で建物を支えた。世界初のその試みが圧迫感のない心地よい空間を生みだし、年間100万人が訪れる施設となった。
伊東は設計にのぞむ時、チームで考えることを大切にする。1人の考えでは過去の方法にとらわれてしまうからだ。設計はまず、伊東が大きな方向性を抽象的な言葉で示し、それを元にそれぞれがイメージをふくらませる。そのアイデアを持ち寄り、伊東を中心に議論しながら建築へと練り上げていく。そうすることで、当初の想定を上回る新たな建築が生まれてくるのだという。
2月、オスロの図書館をめぐるコンペティションの設計案は暗礁にのりあげていた。模索を続ける中で、多面体をベースにするという手法の良さが失われてしまっていた。
伊東は、細部のプラン造りをすべていったん中断して、シンプルな大きい全体模型を作り、多面体の良さを考え直すようスタッフたちに指示を出した。難しい設計になるほど、単純に考えることが大切だと伊東はいう。
台湾の台中市で計画が進められているプロジェクト「台中メトロポリタンオペラハウス」。横にも縦にも洞くつのような空間が連続して広がる、これまでにない画期的なオペラハウスだ。屋外からはガラス越しに中のホワイエが見える構造になっている。野外劇場のような気軽さがあるオペラハウスを目指したものだ。
台湾の台中市で計画が進められているプロジェクト「台中メトロポリタンオペラハウス」。横にも縦にも洞くつのような空間が連続して広がる、これまでにない画期的なオペラハウスだ。屋外からはガラス越しに中のホワイエが見える構造になっている。野外劇場のような気軽さがあるオペラハウスを目指したものだ。
伊東のアイディアを元に打ち合わせを重ねていた、ある日、スタッフが提案してきたのが、この模型。2枚のアクリル板と、伸縮性のある素材を組み合わせただけのシンプルな模型だ。これが突破口となり、伊東のイメージが、一つの建築へと発展していった。