40年にわたり、その奥深い味で、あまたの食通をうならせてきた西。その秘密は、徹底的に「手間をかける」ことだ。例えば、だしと食材を合わせる前に、西は食材への下ごしらえを入念に行い、だしを受け入れる体勢を整える。そしてだしと合わせる際にも、じゃこを加えるなど、より風味を増すための「もう一手間」を加える。その「手間をかける」姿勢は、料理作りだけには終わらない。前日来た客が何を食べたのかをつぶさに記録し、次回来店した際のもてなしに役立たせる。そうした毎日の手間を惜しまない姿勢が、西を名料理人たらしめている。