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これまでの放送

第110回 2009年2月17日放送

空を守る、不動の男 航空管制官・堀井不二夫


共に、空を飛ぶ

管制塔における離着陸の許可や、レーダーを使い空港に向かう飛行機を着陸まで誘導する際に、堀井は交信をしながら、上空のパイロットの気持ちに寄り添うことを常に心がける。落ち着いた口調で、適切なタイミングに指示を出し、パイロットの緊張を和らげる。さらに、風の状態や近づくほかの便の動きなど、パイロットに役立つ情報を積極的に与える。パイロットのサポートを全力で行い、操縦に専念してもらうことが、管制官としての務めと考える。

写真マイクの先にいるパイロットを思い、声を届ける


自分を権力者にしない

日々の仕事の中で、堀井が今もっとも力を注いでいるのが、現場の雰囲気作りだ。手が空いた時は、若いメンバーに気安く声をかけ、何か問題を抱えていないかさりげなく伺う。さらに、判断に迫られた時も、ことあるごとに部下たちに意見を聞く。堀井は、リーダーがすべてを取り仕切るチームには、実はもろさがあると考える。それよりも、一人一人が自分で考え、リーダーを特別扱いしないことが、重大な事故を防ぐことにつながるという。

写真堀井はチームのメンバーから、絶大な信頼を受ける


何もないのが、当たり前

巨大空港・羽田では、風や天候の変化、機器のトラブルなどさまざまな突発的な事態が起きる。その度ごとに、事故や飛行機の遅れにつながらないよう、即座に対応するのが堀井たち航空管制官の最大の務めだ。日ごろから、起こりうるあらゆる事態を想定し、チーム内でコミュニケーションをとることで、何か起こった際もリーダーの指示を待つだけでなく、自分たちの判断で瞬時に動き、連携して立ち向かう。空港と飛行機の安全と秩序は、見えないところで常に管制官たちに守られている。

写真何かあれば管制塔全体が一丸となり、即座に対応する


プロフェッショナルとは…

決しておごらず常に相手の状況を考えて心を通わせ、その時その時の最適の判断をする。そしてそのための努力を怠らないことです。

堀井不二夫

The Professional’s Tools

ヘッドセット

航空管制官の最大かつ唯一の武器であるヘッドセット。一人ずつに自分のものが貸与されるため、ほかの人のものと間違えないよう、それぞれキーホルダーなどお気に入りのアクセサリーをつける。堀井のヘッドセットは、小さなプレートに「カルロス」とニックネームがつけてある。

写真


業務日誌

堀井が7年前から、その日の業務の反省を書いてきた業務日誌。たとえトラブルまで行かなくても、少しでも気になることがあれば図入りで細かく記し、今後似た状況が起こった時によりスムーズな対応ができるよう心がける。

写真


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