今、日本の森の三割が、倒木や土砂崩れなど深刻な被害に見舞われている。森の手入れには金がかかる。しかし、戦後、国策で造成された広大な人工林が、安価な輸入木材の影響で、間伐など必要な手入れもされずに放置されていることが原因だ。湯浅は知恵と工夫でコストを大幅に削減し、荒れていた故郷の森を劇的によみがえらせたことで、全国から注目を集めている。「きちんと手をかけてやれば、人工林でも天然の森と同じように、恵み豊かな森となる。人間が始めたことだから、最後まで責任を持って木々を育てなければならない」と湯浅は言う。