釧路湿原の中にある齊藤の診療所。ここには、北海道中から傷ついた野生動物が運ばれてくる。治療の対象は、絶滅の危機に瀕したシマフクロウやオオワシなどの猛きん類だ。
広げると2メートルを超える大きな翼、鋭いクチバシや爪を持つ野生動物を相手にしなければならない。ペットや家畜と違い、野生の猛きん類の治療に教科書はない。齊藤は、試行錯誤を重ね、自ら治療法を編み出してきた。
だからこそ齊藤は、野生動物と向き合う時、覚悟をもって臨む。「動物の前にいるのは自分しかいない。最良を目指し、最善を尽くす」
野生動物の命をつなぎ止めるために、自らを追い込み、全身全霊で治療にあたる。