繊維機械を販売する会社の社長、片山象三。5年前、織物をつくる作業の大幅なコストダウンを実現する糸作り機械を開発し注目を浴びている。開発は、片山が中心となり、機械メーカーや県の研究施設・地域の繊維業者など20社が協力した。
片山は技術者ではない。それでも開発を成し遂げたのは、「素人力」という強みのためだ。現場の常識を知る専門家には不可能に見えていたことが、素人の素朴な疑問によって解決できることがある。現場に入り込みすぎないことで、恐れ知らずにざん新なアイデアを考えていけるというのが、片山の信念だ。